コロナ禍で18%減! 2020年8月の欧州自動車市場の傾向とは

くるまのニュース / 2020年10月16日 15時40分

自動車産業の世界的な調査会社JATO Japan Limitedは、2020年8月の欧州の自動車市場についてのレポートを公開しました。

■2016年8月以来もっとも少ない販売台数

 JATO Japan Limitedが2020年8月の欧州の自動車市場についてのレポートを公開し、販売台数が前年同月比18%減であったと発表しました。

 この結果は、新型コロナウイルスのパンデミックにより、ロックダウン政策が欧州全体で布かれた5月以来のポジティブな傾向を止めてしまう結果です。

 7月に見られた対前年比4%減と比較しても、8月の18%減という落ち込みは大きく、2020年6月の前年比24%減に近い数値です。

 2020年8月の販売台数は合計88万1897台で、ここ数年の同月比で見ても2016年以来の、もっとも少ない台数となります。

 また、年初来累計台数も同様に控えめな結果となり、昨年同期比33%減の724万7341台と、ここ10年でもっとも小さな規模となりました。

 JATOのグローバルアナリストのFelipe Munoz氏は「我々はこれまでも、回復について語るには時期尚早だといってきたが、当月の結果は、まだ業界には処理しなければならない問題が残っているのだと示している。幸運なことに、当月の落ち込みは、ビジネスやフリート向けの減少によるもので、個人登録の方は4%しか落ちなかった。このことは、状況は見かけほど悲惨なものではないという、良い指標だ」と述べています。

 さらに2020年8月は、電動車が業界にとっての救いとなっており、JATOのデータによると欧州全体で前年同月比121%増となる18万8700台の電動車が販売されており、これまでで最高となる21.4%のマーケットシェアとなりました。

 これは、電動車が無ければ、さらなる販売減となったことが予想できる結果です。

 Munoz氏は次のように続けます。「世界的な新型コロナウイルス感染拡大によって引き起こされた難しい環境だが、好意的な変化も起きている。電動車は多少高額であるにも関わらず、消費者の関心はいままで以上に、ガソリン車やディーゼル車から、より排出量の少ない車種へ移っているのだ」

 2020年8月の電動車販売の49%を占めたのはハイブリッド車(HEV)で、フォード、スズキ、フィアットにマイルドハイブリッド技術が搭載された影響も大きく、前年同月比で86%増となりました。ピュアEV(BEV)もこの成功に続き、111%増となる4万8800台を売り上げています。

 その成長を生み出したのは、ルノー(112%増)、ヒュンダイ(107%増)、フォルクスワーゲン(97%増)、キア(397%増)で、テスラはわずか11%増でした。

 また、プラグイン・ハイブリッド車(PHEV)は283%増の4万4700台を売り上げましたが、この大きな増加は55%を占めたプレミアムブランドと、新型となったフォード「クーガ(Kuga)」によるものです。

■電気自動車のみならずSUVモデルも好調

 SUVはその高額な価格設定にも関わらず、成長を続けています。2020年8月は前年同月比12%減となる35万8100台が販売されており、新車の10台に4台がSUVでした。

 これは全体的な台数は減少しているとはいえ、ミッドサイズカー(20%減)、シティカー(35%減)、MPV(44%減)の減少と比べれば、明らかな違いが見える結果です。

2020年8月の欧州の自動車市場についてのレポート2020年8月の欧州の自動車市場についてのレポート

 また、スモールSUVの台数は、前年同月比13%減の14万7000台で、このなかで良く売れたのは、プジョー「2008」、ルノー「キャプチャー」、フォルクスワーゲン「T-Roc」でした。

 同様に、このセグメントで販売台数をもっとも伸ばしたのは、プジョー「2008」、ヒュンダイ「コナ」、フォード「プーマ」です。

 コンパクトSUVは9%減の14万4700台を売り上げており、なかでもフォルクスワーゲン「ティグアン」はグループの売上をけん引していますが、販売台数は前年同月比19%減となっています。

 対照的に競合車の、トヨタ「C-HR」、キア「ニロ」は、環境への優しさが評価され、販売を大きく伸ばしました。

 また、フォルクスワーゲン「ゴルフ」が2万2400台を売り上げて再び販売首位になった一方でフランスメーカーにも成功が見られ、販売上位10位にグループ PSAとルノーグループが合わせて6モデルランクインしており、残りの4モデルはドイツ勢となっています。

 Munoz氏はこの流れについて、「普段上位10位は、ドイツ勢が独占している状態だ。現在の感染拡大によって、市場に新しい機会が与えられ、小さなフランス車を好む消費者が増えるという、いままで見たことのない動きが出てきている」と付け加えました。

※ ※ ※

 これまで欧州では、新型コロナウイルスのパンデミックによるロックダウンなどの措置が取られたにもかかわらず、自動車市場への影響は思ったほど見られませんでしたが、8月に入りその影響が明確に見えてくる結果となりました。

 一方で、環境に優しい電動車やフランスメーカーが得意とするコンパクトモデルの販売は好調で、欧州におけるWithコロナの時代に合ったニーズが明確化されてきたようです。

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