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まるでシャコタン!? 過積載でボディが路面スレスレも 乗用車はどこまで積載OK?

くるまのニュース / 2020年10月21日 11時10分

乗用車における最大積載量はあるのでしょうか。トラックなど商用車はわかりやすく最大積載量の記載がありますが乗用車にはありません。いったい、どのくらい積んだら問題になのでしょうか。

■何キロまでなら乗用車に荷物を載せても大丈夫?

 一般的に個人で使用する乗用車の場合、荷物を積みすぎたら違反なのでしょうか。

 自家用乗用車の車検証を見ると「最大積載量」の欄はありますが、そこは空欄で印字されておらず、どのくらいまで載せてもクルマは平気なのかは不明瞭です。

 そこで、荷物を多く載せた場合の問題点や、クルマへのダメージについて整備工場に聞いてみました。

 トラックやバンの車体後部に「最大積載量1000kg」などのステッカーが貼られているのを見かけます。

 これは車体のサイズによって定められた車両総重量から、車両重量や乗員の重量を引いて算定された「積載できる荷物の重量」を示しているもので、軽商用車の場合はバンやトラックなどの車種ではなく一律で最大積載量は350kgまでとなっています。

 では、乗用車の場合はどうなっているのでしょうか。

 ステーションワゴンやミニバンだと、かなり多くの荷物を積み込むことが可能ですが、そもそも自家用乗用車は荷物を積むのを主目的としていません。

 また、前述のように車検証に最大積載量の項目はあっても空欄で、「何キロまで積んでも良い」との規定はありません。

 最大積載量が定められていないとはいえ、重いものを積むことで安全面での問題や、どのようなダメージがクルマに加えられるのかについて、整備工場のスタッフに聞きました。

――乗用車に荷物を多く積んで安全面での懸念はあるのでしょうか。

 乗員が増えただけでもクルマの加速が悪いと感じた経験を持つドライバーは多いと思いますが、あまりにも重い荷物を載せていると加速不良や燃費の悪化、ブレーキの負荷が増えることで制動距離が伸びてしまうなどの問題があります。

 とくにブレーキを頻繁に使用する山道などでは、ブレーキの発熱によって発生する「フェード」や「ベーパーロック」と呼ばれる症状が発生し、クルマが止まれなくなってしまうことで重大な事故に繋がることもあります。

 また左右に偏るなど、荷物の積み方によってはクルマの挙動が不安定になることや、サスペンションが沈み込むことで駆動系部品やマフラーなどが接触することも考えられます。

――重量物を積むことでクルマに与えられるダメージは、なにか考えられますか。

 過度に重いクルマを動かす場合を想定すると、エンジンに負荷がかかり、エンジン自体が過度の発熱をすることで、エンジンオイルやラジエタークーラントが高温となりオーバーヒートを招くことがあります。

 また、負荷がトランスミッションやデファレンシャルギアにもかかるので、ミッションオイル/AFT、デファレンシャルギアオイルの異常過熱により、駆動系部品の損傷を招くことも考えられます。

 さらに重量物を積むことでサスペンションを構成するブッシュやアーム、ベアリング類にも高い負荷となり、パーツの寿命を短くするだけでなく、アームやアッパーマウントの金属破断が生じた例もあります。

 また、前輪駆動車の場合だと、リアに重量物を積むことでフロントタイヤのスリップロスが増えて、フロントタイヤが異常摩耗となる可能性もあります。

※ ※ ※

 つまり、とくに最大積載量が定められていなくても、クルマに過度の重量物を乗せることは問題があるということです。

 では一般的なクルマ(自家用乗用車)では、どのくらいまでの重量分を載せても大丈夫なのでしょうか。

 日産のウェブサイトにある「乗用車の最大積載量の考え方」によれば、一般的には乗車定員+手荷物程度を目安としているとのことで、考え方は「乗車定員×55kg+手荷物程度の重量(=乗車定員×10kg)」とされています。

 その目安にもとづくと、たとえば定員5名の乗用車に2名乗車した場合の積載量を計算式に表すと5名×(55kg+10kg)-2名×55kgとなり、325kg-110kgで、215kgまでの積載が適切といえます。

※ ※ ※

 乗用車の車検証の車両重量は車体のみの重さで、車両総重量は定員まで人が乗車したときの重量を表しています。

 そのため、車両重量に人と荷物を合わせた重さが車両総重量までに収まるようであれば問題なく積めると考えていてもいいでしょう。

 クルマを設計するうえでは余裕を持たせているため、多少オーバーしてもすぐに危険な状態になることはないと思われます。

 しかし、想定を超えた積載は安全面での不安やクルマの損傷の懸念もあります。荷物を積む際は、目安の範囲内とするようにしておきたいものです。

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