最新コンパクトSUV対決! メルセデス「GLA」とアウディ「Q3SB」選ぶならどっち!?
くるまのニュース / 2020年10月20日 11時50分
世界的に人気のジャンルであるコンパクトSUV。日本でも扱いやすいボディサイズとなるため日本車・輸入車問わず人気だが、そんななかでもドイツ・プレミアムブランドのコンパクトSUVが人気だという。今回は2020年に登場した最新プレミアム・コンパクトSUVである2台、メルセデス・ベンツ新型「GLA」とアウディ「Q3スポーツバック」を比較してみた。
■2020年に日本に上陸した新しいモデルのGLAとQ3SB
SUVブームがコンパクトクラスにまで波及し、そこにプレミアムブランドが続々と名乗りを上げはじめたのは2010年代前半のこと。
メルセデス・ベンツ「GLA」もアウディ「Q3」も、まさしくそんな1台だ。そしてこのほど、ともに全面刷新して2世代目に移行し、2020年6月にGLAがニューモデルの「GLB」とともに、同年7月にはQ3が同じく新顔の「Q3スポーツバック」とともに、くしくも相次いで日本上陸をはたした。
その4台のなかでは、3列シートを持つGLBのみ趣きを異にするが、GLAとQ3かQ3スポーツバックかで迷う人は少なくなさそう。そこでさっそく乗り比べてみることにした。
GLAの対抗馬として相応しいのは、Q3なのかQ3スポーツバックなのかも悩みどころだが、発売当初の販売比率がQ3スポーツバックのほうが若干高いらしいことと、Q3スポーツバックほどではないにせよ、見てのとおりGLAもかなりルーフラインが寝かされてクーペスタイルになったことから、今回はQ3スポーツバックをメインに比べることにしたい。
日本導入時点でのラインナップは、GLAがディーゼル4WDの「GLA 200d
4MATIC」のみであるのに対し、Q3スポーツバックは1.5リッター3気筒ガソリンターボ2WDの「Q3スポーツバック35 TFSI」と「Q3スポーツバック35 TFSI Sライン」の2モデルと、2リッターディーゼル4WDの「Q3スポーツバック35 TDI Sライン」が選べる。
車両価格(消費税込)はGLAが502万円、Q3スポーツバックは35 TFSIが452万円、35 TFSI Sラインが516万円、35 TDIクワトロSラインが563万円となる。
ボディサイズはQ3スポーツバックが全幅は5mmだけ、全高はGLAが10mmだけ大きいというわずかな差ながら、全長はQ3のほうが100mmあまり長く、ホイールベースはGLAのほうが50mm長いという関係。
これも効いて、後席の居住性ではレッグスペースに余裕のあるGLAがやや有利だ。ヘッドクリアランスは、見た目から想起するとおりQ3スポーツバックではとくに後席が不利だが、Q3だとわずかにGLAを上回る。なお、リアシートの座面の前後スライドと背もたれのリクライニングが可能なのは両車共通だ。
荷室容量は、Q3スポーツバックが通常時530リッターから最大1400リッター、GLAが通常時425リッターから1420リッターとなっているが、実質的には数値ほどの差は感じられず、どちらも十分に広くて使いやすそうだ。
メルセデス・ベンツ新型「GLA」のインパネ
インパネは、どちらも先進的で多くの機能を備えている点では共通しながらも、雰囲気はかなり異なる。
Q3スポーツバックは10.25インチのバーチャルコックピットとMMI用の10.1インチディスプレイを搭載するのに対し、GLAは最新のメルセデスらしく、メーターカバーを廃して10.1インチのディスプレイを2枚横に並べた独自のつくりとなっている。さらにはジェットエンジンのタービンを模したエアコン吹き出し口がズラリと並ぶなど、パッと見ても印象に残る空間が構築されている。
アウディ「Q3スポーツバック 35TDIクワトロ Sライン」のインパネ
それと比べるとオーソドックスなQ3スポーツバックはやや控えめに見える。加えて話題の対話型インフォテイメントシステム「MBUX」や、自動再発進やアクティブレーンチェンジアシスト機能を備えたADASなど、いち早く実現した独自の先進装備を用意する点でもGLAが一歩リードする。
■サイズも装備も価格も動力性能も近い2台
走りについては、似ている面も多々ある。
剛性の高いボディに支えられ、つくりのよいサスペンションがしっかり路面を捉える感覚や、正確性に富むハンドリングは両車共通だ。
メルセデス・ベンツ新型「GLA 200d 4MATIC」の走り
プログレッシブステアリングを持ち、スポーツサスペンションの与えられる「S line」グレードとなればなおのこと、Q3スポーツバックはより俊敏かつ身軽で、一体感のあるハンドリングを楽しむことができる。GLAも十分よくできているが、足のいいヤツという印象はQ3スポーツバックが微妙に上回る。
一方、パワートレインについて、ディーゼルエンジンは同じく2リッターの直列4気筒で、150psという最高出力も同じ。最大トルクは、Q3スポーツバックが340Nm/1750-3000rpm、GLAが320Nm/1400-3200rpmとなり、ピーク値はQ3スポーツバックが大きく、発生回転数はGLAがワイド。組み合わされるトランスミッションは、Q3スポーツバックが7速DCT、GLAが8速ATという違いもある。
アウディ「Q3スポーツバック 35TDIクワトロ Sライン」の走り
このところ、欧州勢のディーゼルの進化ぶりには目を見張るものがあるが、両車とも音や振動などのネガが小さく抑え込まれているのは、多少の程度の差こそあれ同じだ。
車両重量はどちらも1.7トン級ながら、加速力に大きな不満はない。ただし、ドライバビリティは現状ではメルセデスが上。リニアなレスポンスと力強さで上回る。
また、レブリミットは両車とも4000rpm台後半で、Q3スポーツバックは2500rpmあたりでシフトダウンの操作を受け付けなくなるのに対し、GLAは3000rpmをだいぶ超えても大丈夫なのもポイントが高い。
どちらもディーゼルが4WDと組み合わされているのは、それが相応しい使われ方を想定しているからだろうが、おそらく4WD性能も、最新のアウディ「クワトロ」とメルセデス・ベンツ「4MATIC」が、それぞれ期待に応えてくれることに違いない。
どちらもルックスも走りもよく、装備も充実していて利便性も高く、いざ買うとなると大いに迷ってしまいそうだが、ひとまず現時点では、動力性能と先進装備ではGLA、足のよさはQ3スポーツバックに軍配、その他は甲乙つけがたしということにしたい。
メルセデス・ベンツ新型「GLA 200d 4MATIC」
Mercedes-Benz GLA200d 4MATIC
・車両本体価格(消費税込):502万円
・全長:4415mm
・全幅:1835mm
・全高:1620mm
・ホイールベース:2730mm
・車両重量:1710kg
・エンジン形式:直列4気筒ディーゼルターボ
・排気量:1949cc
・駆動方式:4MATIC(4WD)
・変速機:8速AT
・最高出力:150ps/3400-4400rpm
・最大トルク:320Nm/1400-3200rpm
・燃費(WLTC):16.5km/L
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤサイズ:235/55R18
アウディ「Q3スポーツバック 35TDIクワトロ Sライン」。ボディカラーはターボブルー
Q3 Sportback 35TDI quattro S line
・車両本体価格(消費税込):563万円
・全長:4520mm
・全幅:1840mm
・全高:1565mm
・ホイールベース:2680mm
・車両重量:1710kg
・エンジン形式:直列4気筒ディーゼルターボ
・排気量:1968cc
・駆動方式:4WD
・変速機:7速Sトロニック(DCT)
・最高出力:150ps/3500-4000rpm
・最大トルク:340Nm/1750-3000rpm
・燃費(WLTC):14.3km/L
・サスペンション前/後:ストラット/ウイッシュボーン
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤサイズ:235/50R19
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