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いまや30兆円規模!? 中国流「アルファード」の改造車も! 日本と異なるカスタム文化とは

くるまのニュース / 2020年10月22日 7時10分

日本の漫画やアニメの影響は世界中に影響を与えています。また、日本のカスタムカー文化も北米や東南アジアで人気を博していますが、近年では世界最大級の自動車市場とされる中国のカスタム文化が急速に浸透しているようです。その理由はどこにあるのでしょうか。

■自由なようで実は厳しい、中国の自動車事情

 1980年代から1990年代の国産スポーツカーは、現在北米や東南アジアなどさまざまな国や地域で人気を博すとともに、日本流のカスタム文化も盛んです。
 
 その一方で、世界最大の新車販売市場である中国でも独自のカスタムカー文化が徐々に浸透しつつあるようです。
 
 これまではあまり話題になることのなかった中国のアフターマーケット市場ですが、いまにわかに注目されています。その理由はどこにあるのでしょうか。

 2009年、それまで世界最大の新車販売市場であったアメリカ(北米)に変わって、中国がトップに躍り出ました。
 
 その後も中国市場は順調に成長し、2019年には世界の新車販売のおよそ4分の1となる約2576万9000台を記録しています。

 新車販売の成長と比例して伸びているのが、カスタムパーツやチューニングパーツ、さらにはスマホホルダーなどの便利用品を含めた「アフターマーケット市場」です。
 
 これまで、中国における自動車のカスタムといえば、ステアリングカバーやシフトノブの変更、シートカバーなど、インテリアに関するものが多くありました。

 実際に、2012年に北京を取材した際には、ほとんどのクルマで社外品のステアリングカバーとシートカバーが装着されていました。

 現地に住む中国人男性によると、「中国人は車内を『部屋』のようにとらえているため、快適な空間を作ることを好んでおり、また、友人や知人を乗せる際には豪華な車内空間の方が『メンツ』が立つ」ことが理由のようです。

 とくに「メンツ」について中国特有の文化といわれており、中国向けのモデルには押出しの強いフロントマスクや、ロングホイールベースのクルマが多い要因のひとつとなっています。

 欧米に比べると、日本人も車内を「部屋」のようにとらえて、ぬいぐるみなどのグッズを飾ったりすることは珍しくありません。

 一方で、日本では一般的に「カスタムカー」はエアロパーツの装着やホイールの交換、サスペンションの交換によるローダウンなどを指します。

 また、エンジンのチューニングや給排気系のパーツの交換によるパフォーマンスアップを目的とした改造は「チューニングカー」と呼ばれます。

 これまで、中国では日本的な意味でのカスタムカーやチューニングカーはあまり見ることができませんでした。

 これには、日本に比べて非常に厳しい中国の車検事情があります。基本的な検査項目は日本と近いものがありますが、特徴的なのは「外装に一切の変更を加えてはならない」という点です。

 このルールにより、エアロパーツの装着はもちろん、外装色の変更も制限されることになります。

 行政機関へ申請することで許可されることもあるようですが、費用も手間もかかるため、一般的ではないようです。

 そのため、「人と違うクルマ」や「より高性能なクルマ」が欲しいユーザーは、メーカーが純正で提供しているカスタムモデルや高性能モデルを購入するというのが現実的な選択肢でした。

 また、中国では原則として海外から中古車を輸入することはできず、日本の中古車市場にあるカスタムカーを輸入することはできません。

 中国でカスタムカーを手に入れるのは困難なのです。

■車検制度が変わったことで、カスタムカー文化が急速に浸透か

 前述の通り、非常に厳しい車検制度のある中国ですが、それでも新車市場の成長に伴い、アフターマーケット市場、とくにカスタムカー文化が浸透しつつあるようです。

 日本は世界のカスタムカー文化に大きな影響を与えてきました。

 とくにアジア各国では、アニメやマンガなどのコンテンツの影響もあり、日本のカスタムカーは高い人気を誇っています。

中国で独自の進化を遂げるカスタム文化。独自のカスタムイベントも開催されるほど中国で独自の進化を遂げるカスタム文化。独自のカスタムイベントも開催されるほど

 中国でも、広東省のような日本車販売比率の高い地域では、以前より日本式のカスタムカーに対する関心は高かったといわれています。

 中国で純正アフターパーツを展開するある国産自動車メーカーの社員は次のように話します。

「中国では、日本と比べて違法改造に対する取り締まりはそれほど厳しくありません。

 そのため、中国では車検時にノーマルに戻すことを前提にカスタムすることで、カスタムカーを楽しむユーザーがほとんどでした。

 2014年に車検期間がそれまでの2年から6年に引き上げられたことで、カスタムカー文化がにわかに浸透しました。

 新車販売が多い中国では、6年以内に別の新車に乗り換える層も多く、そもそも車検を受けないことがおもな理由のようです。

 ただ、あくまで違法改造であることから、ディーラーでの整備や保証も難しくなり、メーカーとしては頭を悩ませています。

 そこで、純正のアフターパーツを導入し、新車装着することで合法的にカスタムを楽しめるように努力しています」

※ ※ ※

 中国で見かけるカスタムカーの多くは、日本の感覚でいえば、違法改造車が少なくないようです。

 そこでメーカーとしては純正のカスタムパーツの導入を進めています。一方で、近年ではアフターマーケットに関する業界団体もできるなど、政府に対してカスタムの合法化を求める動きが進んでいます。

 近日中にホイールに関する規制の緩和がおこなわれるともいわれており、ますます市場が拡大する可能性があります。

 中国のアフターマーケット市場は年々拡大し、すでに30兆円規模に達するといわれており、これは日本の新車市場をしのぐ数字です。

 まだルールが徹底していないことから、グレーな部分も多かった中国のカスタムカーですが、法整備や消費者意識の改善によって、今後も成長していくと考えられます。

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