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ミニバン王者「シエンタ」がピンチ? 強敵はSUVのトヨタ「ヤリスクロス」の謎

くるまのニュース / 2020年10月21日 14時10分

2019年にミニバンジャンルでNo.1となったトヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」が、最近の販売台数で大きく落ち込んでいます。ライバルであるホンダ「フリード」は好調ながら、なぜシエンタは苦戦を強いられているのでしょうか。

■シエンタが前年比26%! ライバル「フリード」が好調なのに何があった?

 トヨタのコンパクトミニバン「シエンタ」が、2019年比の販売台数で大きく落ち込んでいます。
 
 ライバルであるホンダ「フリード」は好調ながら、なぜシエンタは苦戦を強いられているのでしょうか。

 2020年9月の普通車販売台数ランキング(軽自動車をのぞく)によると、シエンタは18位(3614台)となっており、前年比26.7%と大きく落ち込んでいます。

 ライバルとして比較されることの多いホンダ「フリード」は8位(7689台)と好調をキープしているのと比べるとその差は歴然です。

 5月までは毎月トップ10入りするほどの人気車であったシエンタですが、なぜ今伸び悩んでいるのでしょうか。

 現行シエンタは、2015年登場の2代目モデルで、「ユニバーサルでクールなトヨタ最小ミニバン」として登場した5ナンバーサイズのミニバンです。

 四角い箱というミニバンの概念を打ち破るコンパクトな外観を持ちつつ、室内の居住性を高めた使い勝手の高いクルマとして人気を集めています。

 室内寸法では、室内長1850mm-2535mm×室内幅1470mm-1490mm×室内高1280mm-1290mm。一般的なミニバンと比較するとひと回りコンパクトなため、ミニバンの難点とされる「取り回し」が楽という点が好評です。

 燃費性能でも、ハイブリッド車はWLTCモードで22.8km/Lとミニバンではトップクラスです。

 ライバルとされるフリードよりも若干上回っているほか、トヨタのミニバンジャンルのなかでWLTCモード20km/Lを超える唯一の車種となっています。

 売れ行きでも長らく好調をキープしていました。普通車の新車販売台数ランキングで、登場初年の2015年は10位。

 2016年は3位、2017年はライバルのフリードに越されて7位となりますが、2018年はマイナーチェンジなどの影響もありフリードを抜き5位、2019年では3位に再浮上するなど、改良を重ねながらヒットを持続しています。

 最近の人気再熱には、2018年9月に2列モデルが追加されたマイナーチェンジが影響しているとされています。

 もともと2列モデルが売りであったライバル車のフリードに対抗する手段を持ったためです。

 しかし、ここにきて販売が落ち込んでいる理由について、トヨタの販売店スタッフは以下のように話します。

「ここ最近、シエンタの比較対象が変化していることが理由のひとつとして考えられます。

 シエンタは少し前まで、ホンダのフリードをはじめ、トヨタ内では『ノア』『ヴォクシー』『エスクァイア』の5ナンバーミニバンや、コンパクトカーの『ルーミー』『タンク』などと比較されることが多かったです。

 しかし、最近ではコンパクトSUVの『ライズ』や『ヤリスクロス』、ステーションワゴンの『カローラツーリング』などの新型モデルと比較されることが増えました。

 荷室容量が多いコンパクトモデル、という点で共通している部分があるからでしょう。

 やはり、新型モデルと比べれば安全装備や目新しさという点で劣るため、現在シエンタは伸び悩んでしまっています」

■ライバルは他社ではなく、同じトヨタにいた!?

 新車価格において、シエンタはガソリン車とハイブリッド車を含め、180万9500円から256万2000円となっています。

 一方で、販売店スタッフが挙げたライズは、167万9000円から228万2200円、ヤリスクロスは179万8000円から281万5000円、カローラツーリングは201万3000円から299万7500円となっており、ほぼ同価格帯となっています。

新型「ヤリスクロス」はリアシート分割やデッキボードの工夫次第で多彩な荷室アレンジが可能新型「ヤリスクロス」はリアシート分割やデッキボードの工夫次第で多彩な荷室アレンジが可能

 そして、それらのモデルと比べて大きく違う点のひとつとして、安全装備の充実度が挙げられます。

 シエンタは、基本的な安全装備である「Toyota Safety Sense」が3つの機能のみとなっているほか、Gグレード以上でしか標準装備ではありません。

 そのほかの安全機能もグレードによってオプション設定となっているものがいくつかあります。

 しかし、ライズ以外の2車種ではどちらも「Toyota Safety Sense」が全車標準装備なほか、備える機能もシエンタより多く、性能も強化されています。

 とくに、ヤリスクロスでは、ひと昔前は高級モデルでさえオプション装備であった「レーダークルーズコントロール(全車速追従機能付)」が、エントリーグレード以外のすべてに標準装備。

 ライズはダイハツとの共同開発なため、基本的な安全装備は「スマートアシスト」となりますが、X“S”グレード以上に標準装備で、8つの機能が備わっています。

 技術的な問題から、安全装備は「新型モデルであればあるほど有利」ともいわれているため、同価格帯でもシエンタが不利であることは明らかです。

※ ※ ※

 現行モデル登場後、長らく好調な販売を続けてきたシエンタは、同価格帯の高性能新型モデルの登場により、ユーザーの選択肢から外れる場面が増えているようでした。

 しかし、前出とは別の販売店スタッフは「新型モデルと比べ、値引きには柔軟に対応できる」と話しており、価格面のメリットが期待できるかもしれません。

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