日産が全長4m以下の新型SUV「マグナイト」投入! 爆売れトヨタ「ライズ」との共通点とは?
くるまのニュース / 2020年10月28日 17時10分
日産はインド市場に投入する小型SUVとして、新型「マグナイト」を発表しました。トヨタは2019年11月に「ライズ」を発売し、大ヒットを記録しています。新型マグナイトとライズはボディサイズやエンジンなど、共通点が多いようです。日産とトヨタのコンパクトSUVを比較してみました。
■日産とトヨタの小型SUV対決が勃発か?
世界的なSUVブームのなか、最近ではコンパクトなSUVが数多く登場しています。そんななか、日産はコンパクトSUVとして新型「マグナイト」を発表。BセグメントのSUVを再定義するモデルとして、インド市場で2021年初頭に発売される予定です。
今回は、日産最小のSUVとして投入される新型マグナイトと、ヒットを記録するトヨタ「ライズ」を比較してみます。
新型マグナイトは、全長4m以下の小型SUVです。日産のコンパクトSUVといえば、国内では2020年6月に発売された新型「キックス」がありますが、同車のボディサイズは全長4290mm×全幅1760mm×全高1610mm。全長こそ4300mmを切るサイズですが、全幅は1700mmを超えていることから3ナンバーサイズとなります。
新型マグナイトのボディサイズの詳細は明らかにされていませんが、全長は4m以下ということで、ライズの全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mmと同等のサイズであることが予測できます。
新型マグナイトの外観は、大胆で斬新なデザインです。最近の日産がさまざまなモデルに採用している「Vモーショングリル」ではなく、八角形の力強い印象の大型グリルを装着。
日産の新しいブランドロゴがグリル中央に配置され、SUVらしさを際立たせるデザインとしていますが、日産が新興国で展開している「ダットサン」ブランドのモデルと似たデザインです。
ダットサンブランドは、韓国やロシアから撤退し、アセアン地域の一部マーケットにおいても事業縮小することが発表されていますが、デザイン自体は新型マグナイトのように、日産ブランドとして引き継がれていくことになるのかもしれません。
新型マグナイトのフロントデザインは、シャープなLEDヘッドランプとL字型のデイタイムランニングライトを採用してスポーティなイメージとしました。
インテリアは運転席と助手席の空間が広く、ゆったりとした室内空間を実現。後部座席はひとクラス上のクルマに匹敵するような足元のゆとりある空間を確保しました。
8インチのタッチスクリーンを持つインフォテイメントシステムはApple CarPlayとAndroid Autoに対応し、メーターには同セグメントでは画期的な7インチのTFT液晶ディスプレイを採用することでプレミアムな室内空間を演出しています。
対するライズは、2019年11月に登場。翌月12月には、乗用車の登録台数ランキングで2位、さらに2020年1月、2月は1位を記録するなど、大ヒットモデルとなっています。
企画・製造はダイハツが担当しており、同ブランドでは「ロッキー」として販売されています。
ライズのデザインは、トヨタのSUVに共通する下に広がるハの字の台形グリルを採用し、ダイナミックで力強い印象です。
この力強いフェイスデザインや厚みのあるロアボディ、張り出したフェンダーや大径タイヤなどにより、コンパクトなサイズでありながら、堂々としたワイルド系SUVをイメージさせます。
内装は、運転席からの視界の良さに配慮したインパネや、運転席側に向けて配置された操作パネル類、左手を伸ばした自然な位置に配置したシフトレバーなど、運転に集中できるドライバーズ空間を実現。
フロントシートには、ホールド性を向上させた新形状シートを採用しています。また、前後シートともにゆったり座れるように、ひざ周りにゆとりを持たせました。
インパネ中央には、スマートフォンと連携する9インチディスプレイオーディオを装備。SmartDeviceLinkとApple CarPlayに対応したアプリをディスプレイ上で操作することが可能です。
メーターは、LEDデジタルスピードメーターと7インチTFTカラー液晶ディスプレイをシームレスに表示し、フルスクリーンのような先進感を表現しました。
※ ※ ※
新型マグナイトとライズは、コンパクトなボディサイズという制約がありながら、力強さを感じさせる外観と、広くて上質感のある内装というコンセプトは同じだといえます。
■新型マグナイトは新開発の1リッターターボエンジン搭載
パワートレインを見てみると、新型マグナイトは新開発の1リッターターボエンジン(HRA01)を搭載し、トランスミッションは5速MTとCVTが用意されています。
新型の1リッターターボエンジンには、「GT-R」などにも採用されている「ミラーボアシリンダーコーティング」技術を取り入れて、エンジン内部の抵抗を低減し、スムーズな加速と燃料の効率的な使用を可能にしました。
日産新型「マグナイト」
ライズも1リッターターボエンジンを搭載。1.5リッタークラス相当のトルクを低速から幅広い回転域で発揮し、力強い加速を実現しています。
トヨタ初採用となるスプリットギヤを組み込んだD-CVTと組み合わせ、走る楽しさと低燃費を両立しました。
駆動方式については、2020年10月の発表時点で新型マグナイトは公表されていません。ただし、荒れた路面でも安心して走行できるように、最低地上高は205mmを確保。前後のバンパー下部にシルバーのスキッドプレートを装着し、ヒルスタートアシストが搭載されることから、悪路での走行も想定されているようです。
ライズは2WDと4WDが用意されており、4WD車には、発進時やタイヤスリップしやすい路面の走行時に、車両の状態に合わせて最適なトルクを後輪に配分するダイナミックトルクコントロール4WDを採用しています。
また、SUVは荷室が狭いという不満を持つユーザーが多いようですが、新型マグナイトの荷室容量は336リットルと、3つのスーツケースを収容可能です。
ライズはデッキボード下段時の荷室容量は369リットルを実現するなど、両車とも十分な荷室容量を確保しています。
※ ※ ※
新型マグナイトとライズは、ボディサイズやデザイン、エンジンなど、多くの部分で共通点があるようです。
新型マグナイトは2021年初頭にインド市場への投入を皮切りに、そのほかの地域での発売を予定しているとのことですが、日産によると2020年10月時点で日本への導入予定はないということです。
しかし、ライズの大ヒットを見てもわかるように、狭い道が多い日本では取り回しがしやすく視界が良いコンパクトSUVの需要が高いといえます。
もしも新型マグナイトが日本で販売されることになれば、ライズの良きライバルとして、ヒットモデルになるのではないでしょうか。
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