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ポルシェ911は、役物でも限定モデルをねらうべし!

くるまのニュース / 2020年10月31日 19時10分

ポルシェ「911」は「役物」が人気だが、そのなかでもターボであり後輪駆動の「GT2」は、もっとも人気が高いグレードのひとつだ。そこで、中古車市場でもすこしこなれた感のある6代目「997型」のGT2が、世界のオークションでどれくらいの評価をされているのかを検証してみよう。

■新車価格から1000万円ほどお安くなった「911GT2」

 世のなかには、他人と同じ商品には興味を持たないカスタマーが多数いる。たとえ姿カタチがほとんど変わることがなくても、他人の眼にはその違いが分からなくても、その特別な商品に備わる価値を認め、当然のことながら高価なプライスを気にすることもなく支払う。

 それがある意味高級ブランドの世界ともいえるのだ。

●2008 ポルシェ「911GT2」(997型)

2008年式のポルシェ「911GT2」に付けられたエスティメートは、15万−18万スイスフラン(C)Bonhams 2001-20202008年式のポルシェ「911GT2」に付けられたエスティメートは、15万−18万スイスフラン(C)Bonhams 2001-2020

 さて、ここでは先日ボナムスが開催したオークション、「ザ・ボンモント・セール」に出品された特別な2台のポルシェをクローズアップしてみよう。まずは9月20日にスイスのチェシェレックスでおこなわれたザ・ボンモント・セールに出品された「911」からである。

 一見フロントバンパーとボンネットカバーの間にエアインテークが設けられ、リアには巨大なリアウイングが装着されただけの997型911にも見えるが、これこそが997シリーズでハイエンドモデルの一翼を担った「911GT2」だ。

 メカニズム面での大きな特徴は、専用開発の3.6リッター水平対向6気筒ツインターボエンジンで、最高出力は「911ターボ」に対して50ps増の530psまでアップしている。

 この50psのエクストラが得られた理由は、911ターボよりも大きな容量のターボチャージャーの採用にある。可変タービンジオメトリーを用いることは911ターボと同じだが、一方で最大過給圧は1.0バールから約1.4バールと0.4バールも高められた。

 ノッキング対策としてはエクスパンションインテークと呼ばれる新技術も採用されている。

 見る方向によっては過激にも、また意外におとなしくも感じるボディは、もちろん空力的にさらに洗練されている。空気抵抗係数は0.32におさえられ、最高速度は329km/hを記録した。このGT2を購入した多くの者は、300km/hの壁に挑戦したにちがいない。

 2008年モデルのこのGT2は、納車以来のすべてのドキュメントを備えるほか、コンディションも素晴らしくよい。なぜならこれまでワンオーナーで、わずかに800kmしか走行していないからだ。まさに奇跡の一台と呼ぶに相応しい出品車といえるだろう。

 オークションの結果は、15万−18万スイスフランというエスティメートに対して、13万9285スイスフランで落札。これは邦貨に換算して、約1615万円という数字になる。もちろん日本に上陸し、日本の道を走るまでには、まだまださまざまな経費が必要になるのだが、特別な911を探す人には今後も気になる存在といえる。

■限定モデル「911GT2 RS」ならプレミアムがつく!?

 さらにわがままかつ贅沢なカスタマーのためにポルシェが用意したのが、母国ドイツでは「Renn Sport」を現す「RS」の称号だ。

●2011 ポルシェ「911GT2 RS」(997型)

2011年式ポルシェ「911GT2 RS」に付けられたエスティメートは、45万−65万スイスフラン(C)Bonhams 2001-20202011年式ポルシェ「911GT2 RS」に付けられたエスティメートは、45万−65万スイスフラン(C)Bonhams 2001-2020

 そもそもが特別なGT2に、さらにRSの称号が加わるのだから、それがどれほどに高性能で刺激的であるのかは、誰もが簡単に想像できるところだろう。ちなみにRSのルーツは、1973年まで生産された、あの「911カレラRS」だ。

 997型の911GT2をベースとしたGT2 RSは、さらに90psのパワーアップが施された。発表された2010年当時の記録によれば、ニュルブルクリンクのノルドシュライフェのラップタイムは7分18秒。今でもこのラップタイムは十分に魅力的なものに思える。

 ベースのGT2自体が、軽量化を意識して駆動方式をAWDからRWDに変更。セラミックコンポジットブレーキやチタン製エグゾーストシステムなどで、すでに十分なダイエットを果たしていたモデルだったが、GT2 RSではさらにフライホイールのシングル化やサスペンションスプリングの変更、リアウイングやフロントフードを軽量化したことで、さらに70kgも重量を軽減している。

 RSの称号を掲げたのだから、GT2 RSの行先はモータスポーツに違いないというカスタマーやファンの期待は、残念ながら実現しなかった。当時、すでにこのGT2が出場できるレースカテゴリーは存在しなかったし、ワンメイクレースをオーガナイズする予定など、ポルシェにはなかったからだ。

 この2011年式911GT2 RSのオークションは、まだ継続中だが、エスティメート(予想落札価格)は45万−65万スイスフラン(邦貨換算約5200万円−7500万円)である。

 そもそも500台の限定車だけに、落札価格がどれくらいで落ち着くのか、オークションの結果が楽しみだ。

* * *

 997型911 GT2とGT2 RSの新車当時の車両価格の差は、200万円ほど。しかし、オークションや中古車市場では、その差は歴然。今回のオークションでのエスティメートでも3倍もの差が付けられていた。

 新車での入手はなかなか困難とはいえ、911の「役物」でも限定販売モデル(500台以下)を狙うのがオススメといえるだろう。

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