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マツダ「e SKYACTIV-X」は別次元の車に変貌!? 「進化するエンジン」マツダの狙いとは

くるまのニュース / 2020年11月2日 0時5分

マツダの次世代エンジン「SKYACTIV-X」がさらに進化し、新たに「e SKYACTIV-X」になります。どのような違いがあるのか、「マツダ3」の従来モデルと新型モデルを乗り比べて体感しました。

■驚きの進化! SKYACTIV-Xはどう変わった?

 マツダの次世代エンジン「SKYACTIV-X」が進化し、エンジン名称は新たに「e SKYACTIV-X」となります。

 まずは「マツダ3」に搭載され、日本国内では2021年1月初頭から発売される予定ですが、それに伴い、マツダ美祢自動車試験場(山口県美祢市)で、従来のSKYACTIV-Xとe SKYACTIV-Xそれぞれを搭載したマツダ3の比較試乗をおこないました。

 e SKYACTIV-Xの技術は、どのようなところが変更されたのでしょうか。 

 試乗前のプレゼンテーションで、マツダ3主査の谷本智弘氏は「瞬発力と自在感を味わってほしい」と、試乗会の狙いについて説明しました。

 瞬発力とは、「瞬時に応える緻密な燃焼を足先で感じながら、狙ったとおりに行けること」だといいます。

 自在感については「意思に応える緻密な燃焼で、狙ったラインを足先で操りながら、狙った通りに向かうこと」と表現しています。

 まさに、エンジンの燃焼をとことん突き詰めることに情熱を傾けている、マツダらしい発想だと思います。

 とはいえ、それらは実際にどう感じることができるのしょうか。

 走行する場所は、2006年までMINEサーキットとして利用されていたロードコースおよび外周ワインディング路です。料金所でのストップ&ゴーや高速道路での合流、市街地での低速なクランクコーナーなど、日常生活での利用シーンを想定したレイアウトになっています。

 まず、現行モデルのマツダ3 ファストバック(2WD、6速AT)に試乗しました。

 じんわりとしたアクセルワークでは、静かで軽やかに加速。品質感の高いインテリアのなかで、ゆったりとした気分になります。

 一方で、S字スラロームや、ワインディングでは、2000rpmから3000rpmの低回転域から中回転域で、アクセル操作に対するエンジンの反応にまったりとした感じが残ります。

 少しペースアップして時速80km/hペースでワインディング路を走ろうとすると、3000rpmから4000rpmをキープする必要がありました。

 次に、e SKYACTIV-X搭載の試作車に乗り換えました。試作車といっても約2か月先に市場導入されるため、ほぼ量産という印象を受けます。

 ゆっくりと走り出すと「なるほど、違うな」という気配を感じます。さらに走り進めると、「トルクバンド全体が一気に2000rpmから4000rpmに移行したのか?」と思うほど、現行車との差を感じました。

 また、アクセル操作とクルマの動き全体がシンクロ(同調)する感じは、明らかに現行モデルと違います。

 ATの制御が明らかに違い、直線路から急減速してヘアピンに入る際のシフトダウンのタイミングがとても気持ち良く、コーナーを走る楽しさやワクワク感が増してきました。

 80km/hのペースでワインディングを走行する際、e SKYACTIV-X搭載は現行モデルより約1000rpm低い回転数(3000rpm程度)で、クルマ全体の動きをコントロールすることができます。

 一般的なノーマルモードとスポーツモードの切り替えスイッチによるパワートレイン制御の違い、というイメージではありません。

 クルマ全体としてのトータルコーディネーションとして、現行モデルと試作車では“まったく別のクルマ”といえるほど、e SKYACTIV-Xには違いを感じるのです。

■e SKYACTIV-Xのキモは「燃料制御の緻密化」

 試乗後、エンジニアらとの試乗感想を基に意見交換したうえで、パワートレイン開発・総合制御システム開発担当・執行役員の中井英二氏からe SKYACTIV-Xの技術詳細について説明を受けました。

 それによると、e SKYACTIV-Xのキモは「燃料制御の緻密化」だといいます。

「e SKYACTIV-X」で走りが明確に変わる「e SKYACTIV-X」で走りが明確に変わる

 ロジックとしては、クルマ全体の進化に対するエンジン側の「狙いの性能」を想定し、それを実現するための気筒内での「狙いの燃料」を実現するため、さまざま指標でのデータを検証。

 そのうえで、とくに効果的だったのが排気ガスを再循環させるEGRの制御の精度を高めて、より多くの空気を取り入れて大幅なトルク増に結び付けています。

 社内計測値として、最大トルクは224Nmから240Nm、最大出力で180馬力が190馬力と、見た目の数字では差は小さく感じるかもしれませんが、トルクカーブはまったく違う印象です。

 トルクの立ち上がりが2000rpmまで高く、さらに2000rpmから4000rpmまでトルクの厚みを増していきます。

 この差を、クルマ全体の走りの差として、ドライバーが実感するのです。

 回転上昇とともに加速度が上昇する、気持ち良い走りも、グラフ上での差が明確化されていました。むろん、エンジン側の進化とAT制御との連携の精度もさらに上げています。

 また、アクセルを早く多めに踏み込んだ際には、スーパーチャージャーの過給開始を早めて、さらにモーターとスーパーチャージャーとの連携も強化しています。これが瞬発力、として効いているのです。

 この後、6速MTでの新旧乗り比べもしました。

 トルクの厚みやアクセルレスポンスの良さは6速ATと同じく、クルマ全体としての使い勝手は上がっています。

 ワインディング路では現行車で3速走行だった地点を4速で十分トルクがあり走りやすく感じました。

※ ※ ※

 今回、大きく進化したことが分かったe SKYACTIV-X。進化の源である、ソフトウエア「SPRIT #1.1」ついて、既にSKYACTIV-Xを購入しているすべてのユーザーに無償でアップグレードすることを検討中だといいます。

 今回は、SKYACTIV-Xの進化の第一弾です。マツダは、そう表現しています。

 理想の内燃機関の実現に向けて、マツダのたゆまぬ努力はこれからも続きます。

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