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フェラーリ「ローマ」を箱根で試す! 2700万で堪能する跳ね馬の世界

くるまのニュース / 2020年11月5日 19時10分

フェラーリが新たなカスタマーを獲得すべく送り出したグラントゥーリズモ「ローマ」を、スーパーカー大王こと山崎元裕氏が箱根で試乗。数々のスーパーカーを運転してきた山崎氏にとってのファースト・コンタクトとなったローマはいかに?

■「250」を彷彿とさせるプロポーションと新たなインテリア

 改めて考えてみれば、個人的にはこれがフェラーリのニューモデル、「ローマ」とのファースト・コンタクトだった。その第一印象は、シンプルな言葉で語るのならば「美しい」、いや「綺麗」と表現するのがベストだろう。

これまでのフェラーリから大きくデザインコンセプトを変えたことをより強く感じることができるインテリアのフィニッシュこれまでのフェラーリから大きくデザインコンセプトを変えたことをより強く感じることができるインテリアのフィニッシュ

 フェラーリによれば、ローマは映画『ドルチェ・ヴィータ=甘い生活』へのオマージュであるともいうのだが、その美しさはあくまでもレトロフィットを意識したものではなく、現代の最新技術、すなわち最善のエアロダイナミクスを追求して実現されたものだ。

 これまでのフェラーリとは一線を画すフロントマスク、それを起点にAピラー部でルーフラインとウエストラインに分かれ、再びリアで力強いフェンダーを形づくり、リアへと流れるラインの構成は、あたかもひとつの固体を削り出したかのような美しさを演出している。

 その一方で、このローマのエクステリア・デザインを見ていると、かつてフェラーリが生産した「250シリーズ」の姿が、とくにリアセクションで次々にイメージされてくるのは興味深い。これこそが伝統の成せる業なのであり、フェラーリの過去を知るファンにはたまらない、別の意味での魅力となっているのはいうまでもないところだ。

 ローマが、そのデザインコンセプトを、これまでのフェラーリから大きく変えたことをより強く物語るという意味では、インテリアのフィニッシュも見逃せない。

 フロントシートはほぼ左右対称に独立したスペースとされ、インパネには16インチのHDスクリーンを採用。センターに8.4インチの縦型スクリーンをレイアウトするほか、助手席側にもあの「FF」で初採用された5.5インチスクリーンが装備されている。

 ステアリングホイールには静電容量式タッチパッドとスイッチが装備され、使い勝手を向上させているはずなのだが、その操作に慣れないうちは、スイッチを操作したレスポンスがやや小さいことと、ボイス・コミュニケーションの誤動作がやや気になった。

■「ローマ」が切り拓くフェラーリの新たなベクトルとは?

 ちなみにお馴染みのマネッティーノは、ポルトフィーノが3段階だったのに対して、このローマでは「ウエット」、「コンフォート」、「スポーツ」、「レース」、「ESPオフ」の5段階。レースモードでは、やや路面のコンディションがタイヤを通じてキャビンに伝わってくるが、ウエット、コンフォート、スポーツでは、体感的にはほぼ変わらない快適な乗り心地が演出されている。これはボディ剛性の高さ、そしてサスペンション剛性の高さが大きく貢献している結果だろう。

 このドライブモードに応じて、ローマは格納式リアウイングを3段階に可変するが、その効果は250km/h時でも95kg。ダウンフォースのほとんどは、ボディ下面のボルテックス・ジェネレーターが形成するヴェンチュリー・トンネルによって得られる仕組みで、それによってローマはとてもプレーンな印象のボディラインが得られている。

 フロントミッドシップされるエンジンは、3855ccのV型8気筒ツインターボとなる。最高出力は先日発表された「ポルトフィーノM」のそれと共通の620ps/5750−7500rpm。最大トルクは760Nm/3000−5750rpmとされる。

 従来のポルトフィーノが搭載していたV8エンジンと比較するとカムプロフィールの変更や燃焼室形状の最適化、さらには汚染物質排出基準を満たすための、ガソリン・パティキュレート・フィルターをエグゾーストシステムに採用するなど、その改良の内容は多岐に及んでいる。加えて組み合わせられるDCTも8速化された。

 ローマのステアリングを握ってのハイウェイ・ドライブは、本当に快適な時間だ。ちなみにこのローマでは、レベル1相当ではあるが、ついにADAS=先進運転支援システムの搭載も実現している。

 ローマに試乗してまず感じるのは、快適で静かな点であるが、そこで終わらないのはさすがにフェラーリの作だ。ミッションのモードをA=オートに入れておくと、ギアは次々にシフトアップし、100km/h時にはすでに8速にシフトされているような状態になるが、M=マニュアルで5000rpmより上の領域を使う走りを心がければ、そこにあるのは紛れもなきフェラーリ独自の官能的なサウンドと走りの世界だ。

 とくに印象的なのは8速ATの優秀さ。そのシフト速度の速さとダイレクト感は、とてもローマの外観から想像できるものではない。

 これは正真正銘、フェラーリの最新にして、技術の粋が余すところなく導入されたニューモデルなのだ。アクセルペダルを踏みしめるたびに、そしてSSC=サイドスリップコントロールに守られたコーナリングを楽しむたびに、カスタマーはそれを意識することになるだろう。

 フェラーリ・ローマ。それはこれまでに経験したことのない、フェラーリのなかでも独特なベクトルの上にあるニューモデルにほかならなかった。

●FERRARI ROMA
フェラーリ・ローマ
・車両価格(消費税込):2676万円
・全長:4656mm
・全幅:1974mm
・全高:1301mm
・ホイールベース:2656mm
・車両重量:1472kg
・エンジン形式:V型8気筒ツインターボ
・排気量:3855cc
・エンジン配置:フロント縦置き
・駆動方式:後駆動
・変速機:8速AT
・最高出力:620ps/5750-7500rpm
・最大トルク:760Nm/3000-5750rpm
・0-100km/h:3.4秒
・最高速度:320km/h以上
・ブレーキ:(前)フΦ390mmベンチレーテッド・カーボンディスク、(後)Φ360mmベンチレーテッド・カーボンディスク
・タイヤ:(前)245/35ZR20、(後)285/35ZR20
・ホイール:(前)8.0Jx20、(後)10.0Jx20

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