かつては一世を風靡したのに激減! 往年の高性能FRセダン5選

くるまのニュース / 2020年11月5日 6時10分

近年、国産メーカーのモデルで激減してしまったのが、後輪駆動車とセダンです。昭和から平成の始めにかけてはどちらも数多く存在しましたが、ニーズの変化から人気がなくなり、いまでは希少です。そこで、往年の高性能FRセダンを、5車種ピックアップして紹介します。

■懐かしさあふれる高性能なFRセダンを振り返る

 近年、国内メーカーのクルマは前輪駆動もしくは4WDが主流ですが、かつては後輪駆動のモデルが数多くラインナップされていました。また、ボディタイプもニーズの変化からセダンが激減し、セダンの生産から撤退してしまったメーカーもあります。

 現在は後輪駆動のセダンというと、日本車では高級なモデルと、あとは欧州車ですが、昭和から平成の始めにかけては、日本の自動車市場で高いシェアを誇っていました。

 さらに、高性能なエンジンを搭載したFRセダンも存在。そこで、往年のスポーティFRセダンを、5車種ピックアップして紹介します。

●日産「セフィーロ」

スタイリッシュでスポーティなフォルムが印象的なセダンの初代「セフィーロ」スタイリッシュでスポーティなフォルムが印象的なセダンの初代「セフィーロ」

 日産初代「セフィーロ」は、糸井重里氏による「くうねるあそぶ」の個性的なキャッチコピーとともに、1988年に登場しました。

 歌手の井上陽水氏を起用した「みなさんお元気ですか」のTVCMも、大いに話題となります。

 基本的なコンポーネンツを「ローレル」や「スカイライン」と共有するFRで、ボディタイプはセダンのみ。外観はCピラーを寝かしたクーペスタイルで、プロジェクターヘッドライトを採用した個性的なフロントフェイスと相まって、スポーティな印象です。

 また、初代セフィーロの販売には新たな試みが導入され、エンジン3種類と、サスペンション3種類による9種類の組み合わせに、車体色と室内色の組み合せも自由度が高い、「セフィーロコーディネーション」と呼ばれるセミオーダーが可能でした。

 スポーツドライビングに適したモデルとして、最高出力205馬力を発揮する2リッター直列6気筒DOHCターボエンジンに、トランスミッションは5速MTを選択でき、フロントがストラット、リアがマルチリンクのサスペンションには4輪操舵の「HICAS-II」を搭載できるなど、コンフォートな仕様と合わせて幅広い層から支持を得ます。

 1990年に追加された「セフィーロ オーテックバージョン」は、225馬力を誇る2リッターターボエンジン、足まわりではHICAS-IIとビスカスLSDが標準装備され、内装ではイタルボランテ製の革巻きハンドル、コノリーレザーの本革シートなどを採用するなど、大人の高級スポーツセダンのイメージで販売されました。

 なお。1994年に2代目が登場してFF化されると、最初で最後のFRだった初代の中古車人気が高くなる現象が起きました。

●トヨタ「マークII」

まさに破竹の勢いで大ヒットを記録した6代目「マークII」まさに破竹の勢いで大ヒットを記録した6代目「マークII」

 1968年にデビュー以来、トヨタを代表するパーソナルセダンとしての地位を築いてきた「マークII」は、2019年に生産を終了した「マークX」まで、一貫してFRセダンをラインナップ。

 1980年代には「チェイサー」、「クレスタ」とともに「マークII 3兄弟」と呼ばれ、ハイソカーブームをけん引するほどの人気となります。

 そして、1988年に登場した6代目からは、ガソリンエンジン搭載車はすべてDOHC化され、さまざまな豪華装備や電子化技術を採用するなど、バブル景気に乗って大ヒットを記録。

 ボディタイプは4ドアセダンと、スタイリッシュな4ドアハードトップがラインナップされ、なかでもハードトップは精悍なフロントフェイスのロングノーズの、スタイリッシュなフォルムが印象的です。

 エンジンバリエーションはトップグレードに最高出力210馬力を発揮する2リッター直列6気筒ツインターボ、170馬力の2リッター直列6気筒スーパーチャージャーをはじめ、94馬力の2.4リッター直列4気筒ディーゼルターボなど、多様なニーズに対応。

 さらに、1990年のマイナーチェンジでは、最高出力280馬力を発揮する2.5リッター直列6気筒ツインターボエンジンを搭載するなど、一気に高性能化が図られます。

 6代目マークIIは、同年代の「カローラ」、「クラウン」とともにトヨタ製セダンの一時代を築きました。

●マツダ「ルーチェ ロータリーターボ」

ラグジュアリーな外観ながらロータリーターボエンジンを搭載した5代目「ルーチェ」ラグジュアリーな外観ながらロータリーターボエンジンを搭載した5代目「ルーチェ」

 初代マツダ「ルーチェ」は1966年に発売されたセダンを基本とするモデルで、巨匠ジウジアーロが手掛けた欧州車を思わせるスタイリッシュなデザインが高く評価されました。

 初代は1.5リッターおよび1.8リッター直列4気筒エンジンを搭載していましたが、1972年に登場した2代目ではロータリーエンジン専用車となり、流麗なフォルムのクーペがとくに人気となります。

 その後、レシプロエンジン搭載車も追加されましたが、1986年に登場した最終型の5代目まで、一貫してロータリーエンジン搭載グレードをラインナップ。

 その5代目ではレシプロエンジン車が主流となり、トップグレードには200馬力の3リッターV型6気筒エンジンを搭載する一方で、最高出力180馬力を誇る654cc×2ローターのロータリーターボが設定されるなど、高級感のあるセダンには似つかわしくないスポーツユニットを搭載していました。

 現在、中古車の流通量は非常に少なく、とくにロータリーエンジン車は滅多にお目にかかれないほど希少です。

■まさに漢のセダンといえる2台とは!?

●三菱「ランサーEX GSRターボ」

無骨はデザインが力強さを象徴した「ランサーEX インタークーラーターボ」無骨はデザインが力強さを象徴した「ランサーEX インタークーラーターボ」

 1973年に誕生した三菱初代「ランサー」は、トップグレードの「1600GSR」に、ソレックス2バレルツインキャブレターを装着して最高出力110馬力を誇る1.6リッター直列4気筒SOHCを搭載し、国内外のラリーで活躍しました。

 しかし、1979年に発売された2代目にあたる「ランサーEX」シリーズは、初代に比べて100kg以上増えた車重と、排出ガス規制によるパワーダウンもあり、初代のスポーティな印象はありませんでした。

 そこで、ターボフルラインナップ化を進めていた三菱は、1981年に最高出力135馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載した「ランサーEX 1800GSRターボ」を発売。

 一方で、ライバル車も続々とパワーアップしており、ランサーEXターボも1983年のマイナーチェンジでインタークーラーが装着され、最高出力は160馬力までアップしました。

 直線基調のセダンながら、インタークーラーを覗かせるスポイラー形状のバンパーや、逆文字「TURBO」のデカールで、スポーティに演出。

 足まわりも専用にチューニングされ、後輪駆動ならではのコントローラブルなハンドリングによって、若い世代を中心に硬派なセダンとして高い人気を得ました。

 その後、1987年にランサーEXシリーズは生産を終了し、FF化、4WD化が進められ、「ランサーエボリューション」へと繋がることになります。

●いすゞ「ジェミニZZ」

控えめに高性能さをアピールした高性能モデルの「ジェミニZZ/R」控えめに高性能さをアピールした高性能モデルの「ジェミニZZ/R」

 現在、いすゞはトラックメーカーとなっていますが(海外ではSUVを販売)、2002年までは乗用車を生産しており、「117クーペ」や「ベレット」など、数々の名車も誕生しています。

 1971年にGMと提携したいすゞは、同じくGM傘下のオペルが生産していた小型車「カデット」をベースに、ベレットの後継車にあたるFRセダン/クーペの初代「ジェミニ」を開発し、1974年に発売。

 当時のカローラや日産「サニー」よりもワンランク上の車格で、いすゞの主力車種となります。

 そして、1979年には117クーペ用に開発された、最高出力130馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒DOHCエンジンを搭載した「ZZ(ダブルズィー)」シリーズを追加ラインナップ。

 さらに1981年には、強化サスペンションやLSDを標準装備した「ZZ/R」を発売し、ファンからは「ベレットGTR」の再来と評されます。

 リアバンパーの下から覗く斜めにカットされたデュアルマフラーが印象的で、エキゾーストノートも低音が響くスポーティなサウンドを奏でました。

 1985年にFF化された2代目ジェミニが発売されますが、しばらくは初代も併売され、1987年に生産を終了。その後1990年代には、SUVを除くいすゞの乗用車はすべてFFベースとなりました。

※ ※ ※

 FR車の魅力というと、駆動輪と切り離された前輪による素直なハンドリングや、アクセルワークで車体の向きを変えるドライビングプレジャーなどが挙げられます。

 絶対的な走行性能は4WDの方が優れていますが、トヨタ「スープラ」や日産「フェアレディZ」など、生粋のスポーツカーがFRを採用するのは、上記の魅力があるからではないでしょうか。

 公道で許させる速度域では、FRの醍醐味を味わいつくすことは難しいかもしれませんが、独特の走行フィーリングはいまも健在です。

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