トヨタ新型「ミライ」はエコなだけじゃない! 新型モデルはどう進化?

くるまのニュース / 2020年11月17日 11時10分

トヨタのFCV「ミライ」がフルモデルチェンジして2代目モデルが登場します。従来モデルと比べてどのようなところが進化しているのでしょうか。新旧モデルを比較してみます。

■新型ミライは単なるエコカーではない!?

 水素を燃料とする燃料電池自動車(FCV)は、長い走行距離や短い充填時間、さらに排出するのは水のみという、究極のエコカーと呼べる高いポテンシャルを持っています。

 水素で走るクルマとして2014年にデビューしたトヨタ「MIRAI(ミライ)」が、2020年末にフルモデルチェンジして2代目モデルが登場します。

 従来モデルと新型ミライでは、どのようなところが違うのでしょうか。両車を比較してみます。

 新型モデルは「EDGE for Fun Future」をキーワードとし、クルマ本来の魅力にあふれ、エッジの利いた個性でワクドキな未来を造り、より多くのユーザーを魅了するクルマとして開発されました。

 従来モデルではFCVであることが重視されていましたが、新型ミライはFCVであることは魅力のひとつとし、走行性能や美しさなど、クルマの本質で勝負できる上質なセダンに生まれ変わります。

 新型ミライはTNGA GA-Lプラットフォームを採用。従来モデルではFF(前輪駆動)だった駆動方式をFR(後輪駆動)へ変更することで、伸びやかでスポーティなスタイルを実現しました。

 新型ミライのボディサイズは、全長4975mm×全幅1885mm×全高1470mmで、従来モデルと比べて全長は+85mm、全幅は+70mm、全高は-65mmと、全長・全幅は拡大し、全高は低くなっています。

 また、従来モデルでは後席2人掛けの4人乗車でしたが、新型ミライは後席3人掛けの5人乗車とし、実用性も向上しました。

 従来モデルの外観デザインは、ウォータードロップ(水滴)をイメージした流麗な形状とした一方、新型ミライは爽快な走りを予感させるエモーショナルなデザインを目指したといいます。

 フロントビューは、従来モデルは、酸素の確保とFCシステム冷却のために空気を取り込む左右のグリルが特徴的でしたが、新型ミライは大きく張り出したコーナーの立体を起点に、踏ん張るようなスタンスを強調。台形の大型ロアグリルの下部に配したメッキモールが低い構えを演出しています。

 また、従来モデルでは超薄型4灯LEDだったヘッドランプは、新型ミライではBi-Beam LEDヘッドランプを採用。

 上段にシャープで切れ長のヘッドランプ、下段に薄くワイドに見せるターンランプを配置。遠くからでもミライだとわかるシンプルなデザインに変更されました。

 新型ミライのリアビューは、スポイラー形状やバンパーまわりの表現により、低重心を強調。張り出したコーナーとしっかりと踏ん張る堂々としたスタンスで、フロントのデザインとの統一性を図っています。

 従来モデルの横一直線に伸びるテールランプを継承しつつ、新型ミライはターンランプとバックランプが収まる下段を暗くし、赤いレンズの薄さを際立たせて先進性をアピールしました。

 内装は、フロントからリアへ連続する造形がシームレスで心地よい空間を演出していた従来モデルと比べて、新型ミライは「集中」と「開放」を両立するコクピットを実現しています。

 運転席は包まれ感、助手席は広がり感のある形状とした、左右非対称のインパネを採用。運転する楽しさと先進のくつろぎを両立する空間としました。

 また、情報機能を集約した12.3インチの大型センターディスプレイを設置。8インチのTFTカラーメーターや大型カラーヘッドアップディスプレイとともに、運転中でも直感的に使用でき、認識しやすい環境を実現しています。

※ ※ ※

 従来モデルは斬新なデザインでしたが、新型ミライでは低重心でスタイリッシュなデザインへと変更され、エコカーという特徴に加えて走りの良さもアピールする上質なセダンへと進化を遂げています。

■水素タンク増量で航続距離が1.3倍延長

 従来モデルに搭載された燃料電池システム「トヨタフューエルセルシステム(TFCS)」がさらに進化し、新型ミライには第2世代のTFCSが採用されました。

 燃料電池車であるミライは、燃料タンクの代わりに、水素タンクを搭載しています。

トヨタ新型「ミライ」トヨタ新型「ミライ」

 FCシステムはレイアウトを一新。航続距離延長のため、これまでは2本だった高圧水素タンクを3本へ変更し、タンクの内の1本は居住性を確保するためにボディ中央を貫くように縦に設置されました。

 また、FCスタックを中心としたパワーユニットは従来モデルでは床下に配置されていましたが、新型ミライでは小型化してフロント部へ移動しています。

 一回の水素充填による航続距離は、従来モデルの約650キロから、新型ミライでは約850キロへと1.3倍延長され、より遠くまで走行できるようになりました。

 搭載される駆動用モーターの最高出力は、従来モデルの154馬力から182馬力へと向上。高出力・高効率を実現したほか、減速時は発電機として、電力を駆動用バッテリーへ回収します。

 さらに、新型ミライは、走行中のCO2排出をゼロにする「ゼロエミッション」だけではなく、発電のために吸い込んだ空気を特殊フィルターできれいにして排出する「マイナスエミッション」を実現。走れば走るほど、空気がクリーンになるとされています。

 走行性能においては、新型ミライはトヨタ最上級のセダンを目指して開発されました。

 走り出した瞬間から振動や騒音のない上質な乗り心地と静粛性を実現。その一方、気持ちよく加速し、高速道路などでは安定した巡行や、ワインディング路でも思い通りに走れるという、二面性のある走りを可能にしているといいます。

 安全装備については、従来モデルにも「トヨタセーフティセンス」が搭載されていましたが、新型ミライではさらに進化した、次世代トヨタセーフティセンスが搭載されました。

 プリクラッシュセーフティ(衝突被害軽減ブレーキ)は対歩行者と対自転車運転者で約10km/hから約80km/hまで、対車両は約10km/hから約180km/hまでで動作します。

 また新型「ヤリス」に搭載されて注目された駐車支援システム「アドバンスドパーク」も搭載。並列駐車や縦列駐車、区画線のないスペースへの駐車(メモリ機能)に対応し、ベテランドライバーでも納得できるスピード感を実現したということです。

※ ※ ※

 新型ミライの価格については現時点では明らかになっていませんが、700万円台から800万円台になると予想されており、2020年12月に発売されます。

 FCVの補助金などを含めると、内燃機関を持つ高級セダンとあまり変わらない価格で購入できる可能性もあるようです。

 その一方で、水素ステーションの拡充が課題とされています。

 2020年7月現在、全国で157基の水素ステーションが開業または準備中となっており、数が足りているとはいえない状況です。

 なお経済産業省は、2020年度までに160基程度、2025年までに320基程度の水素ステーションを整備することを目標とし、今後も増えていく計画です。

 FCVにとって重要なインフラである水素ステーションが全国に不足なく整備されることが、ミライ普及のカギを握っているといえます。

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