ホンダ新型「オデッセイ」押し出し感強めでも上品に! 進化のポイントは「独自性」
くるまのニュース / 2020年11月9日 14時10分
ホンダのミニバン「オデッセイ」がマイナーチェンジして発売されました。今回は内外装のデザイン変更や静粛性、乗り心地の追求、機能性の向上など、通常のマイナーチェンジではおこなわない部分まで改良されました。
■通常のマイチェンでは手を入れないところまで改良した新型オデッセイ
ホンダの高級ミニバン「オデッセイ」がマイナーチェンジして、2020年11月6日に発売されました。
現行オデッセイは2013年に登場した5代目モデルで、超低床プラットフォームの乗用価値とユーティリティ価値をベースに、フラッグシップミニバンとしてのさらなる質感向上を目指しました。
新たな内外装のデザインや静粛性、乗り心地の追求、使い勝手やおもてなし機能など、通常のマイナーチェンジでは手を入れないような部分にまで改良が施されています。
外観デザインは、中国で販売されているワンランク上の「エリシオン」の骨格や塊感を取り入れながら、厚みのあるフードや押し出し感のある大型グリルで力強いデザインへと刷新しました。
薄型のLEDヘッドランプは、車両の内側から外側に流れるように点灯するシーケンシャルターンランプを内蔵するとともに、下部に二重のデイタイムランニングライトで目力の強さを表現。
また、細いメッキを上品にあしらうことで、威圧感を出さないようなデザインに仕上げています。
リアのデザインについても、存在感のあるシャープなメッキ加飾でワイドさを演出しました。
リアコンビランプもLED化し、上段にストップランプ、下段にシーケンシャルターンランプを配置。1本の太いラインと3本の細いラインが交差する、特徴的なデザインとしています。
内装は、乗員の目に入りやすいインパネを変更。横基調でシンプルなデザインへ変更されました。
ナビゲーションのモニターは現行モデルの7インチ(ディーラー装着ナビは9インチ)から、新型モデルでは10インチに大型化。メーターは2眼のコンビメーターを採用し、先進的なデザインへと刷新されました。
また、従来モデルでは収納が足りないというユーザーの要望を反映し、運転席側への格納式ドリンクホルダー追加やリッド付きインパネアッパーボックスを新たに設定するなど、室内の収納も使いやすく変更されています。
さらに汚れを簡単に拭き取れる表面加工を施した撥水撥油シート「FABTECT」を採用し、ファミリーでもストレスなく快適なドライブが楽しめるような配慮も加えられました。
■ジェスチャーでスライドドアの開閉が可能に!
今回のマイナーチェンジでは、グレード体系の変更もおこなわれ、カスタム仕様の「アブソルート」へ一本化されています。従来モデルではユーザーの95%がアブソルートを選んでいたことから、標準グレードが廃止されました。
ホンダ新型「オデッセイ」(内装)
パワートレインは、従来モデルと同様に2.4リッターガソリンと、2リッターハイブリッド(2モーター)を設定。ほかのホンダのハイブリッド車と同じく、ハイブリッドの名称が「e:HEV」へと変更されています。
静粛性については、タイヤを変更し、レゾネーター付きのホイールを採用。これにより、路面の継ぎ目などでタイヤが跳ねるような音を低減しました。
さらに、フロントドアガラスとスライドドアガラスの遮音化やテールゲートガラスの板厚向上、ノイズを軽減するホイールを採用することで、静粛性が向上しています。
「ホンダセンシング」は全グレード標準装備とし、後方誤発進抑制機能を追加することで、後退時の急発進を防止し、より安全性が高まりました。
また、おもてなし機能として、ジャスチャーコントロールパワースライドドアが搭載されています。
同機能では、光の演出とジェスチャーによって、先進性や操作の楽しさを実現。LEDがジェスチャー操作をガイド、手をかざして左右に動かすことで、スライドドアの開閉がおこなえるというものです。
ジャスチャーコントロールパワースライドドアでは、静電センサーを使ってジェスチャー操作を認識し、ドアに触れなくてもスライドアの開閉を可能にする世界初の機能で、2019年に中国でエリシオンとオデッセイに搭載。今回国内のホンダでは初採用されました。
なおジャスチャーコントロールパワースライドドアは、ほかの車種への搭載も検討中とのこと。ホンダのミニバンとしてラインナップされている「ステップワゴン」と「フリード」へも採用される可能性があるようです。
さらに、ユーザーの要望が非常に高かったハンズフリーパワーテールゲートを採用。キックセンサーを搭載し、足の出し入れによってテールゲートの開閉が可能になりました。
また、ホンダ初の予約ドアロックを新たに追加し、その場に待機することなく、離れた位置からロックされたことを確認することができるなど、日常での使い勝手が向上しています。
新型オデッセイの開発責任者を務める長 毅氏は、次のようにいいます。
「新型オデッセイの一番の訴求ポイントは、エクステリアのデザインです。また、室内ではインパネのデザイン刷新や装備の充実、大型モニター・メーターなどの電装系の強化など、さまざまなところが進化しています。
国内初採用したジェスチャーコントロールパワースライドドアは、操作性を良くするというより、『こんなこともできるんだ!』という新しい驚きを感じてもらいたいという目的で新たに装備しました。
キックセンサーでスライドドアが開閉する機構もありますが、今あるものを同じように搭載しても面白くないので、ホンダオリジナルのジェスチャーで楽しさを演出する機能を取り入れています」
※ ※ ※
高級ミニバンというとトヨタ「アルファード」が好調な販売を誇っていますが、押し出し感が強いデザインのミニバンの需要が増えるなか、新型オデッセイもデザインが刷新されて重厚感が増しました。
その一方でホンダは、「豪華客船のようなイメージのミニバンが多いなか、オデッセイはスポーツクルーザーを目指した」と説明するなど、ミニバンであっても走りの良さをアピールしています。
超低床プラットフォームによる乗降性の良さや、ハイブリッドモデルの20.2km/L(WLTCモード)という低燃費性能といった、ほかとは違う独自性を持つオデッセイのさらなる躍進が期待されます。
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