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世界最強2リッターは421馬力! メルセデスのホットハッチ「AMG A45S」の衝撃を味わった

くるまのニュース / 2020年11月12日 8時10分

2019年の東京モーターショーで発表された、メルセデス・ベンツのコンパクトハッチバック「Aクラス」のハイパフォーマンスモデルが「メルセデスAMG A45S 4MATIC+」だ。世界最強と謳われる421ps・500Nmを発生する2リッターターボエンジンを搭載、そのあり余るほどの出力を4輪で路面に伝えるホットハッチだが、モータージャーナリストの岡本幸一郎氏が試乗した。

■まるで自然吸気のように吹け上がる世界最強2リッターターボ

 あれは2013年、メルセデス・ベンツ「Aクラス」に初めてAMGモデルがラインナップされたときは衝撃を受けた。

 当時も量産2リッター4気筒エンジンとして「世界最強」をアピールしていた360psという性能には驚いたが、その後さらに381psにパワーアップ。そして今回乗った、新型Aクラスにラインアップされた最強のAMGモデルは、なんと421ps!

「AMG A45 S 4MATIC+」と、車名に「S」と「+」まで付いているとおり、よりスペシャルに進化をとげた。パナメリカーナグリルを装備し、ワイド&ローに構えた姿も、タダモノではない雰囲気を漂わせている。

「One man, One engine」というAMGの哲学にのっとり、熟達した職人が最初から完成まで丁寧に組み上げた「M139」型エンジンは、1.6リッターの拡大版だった従来の「M133」型とは別モノの完全新開発となり、F1用エンジンと同じコーティング技術や、ターボチャージャーのシャフト類をローラーベアリング化してレスポンスの向上、過給圧をより緻密にコントロールできる電子制御ウエイストゲートの採用などを特徴としている。

 従来比0.3バール増の2.1バールもの最大過給圧を実現し、421psの最高出力と500Nmの最大トルクを発揮するというとおり、乗るとスゴイ! のひとこと。それはもうはじけるような速さだ。

 アクセルペダルを踏んだ瞬間から一気に立ち上がる強烈な加速Gに、まず度肝を抜かれる。その瞬発力たるやハンパない。

 それも速いだけでなくフィーリングが絶品だ。

 レスポンス良く、欲しいだけのトルクをリニアに生み出してくれる上に、高度にチューニングされた自然吸気エンジンのように美味な吹け上がりを味わわせてくれて、それが7000rpm超あたりまで勢いの衰えることなく続く。

「M139型」2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンは421ps・500Nmを発生。AMGのマイスターが最初から完成まで丁寧に組み上げる「M139型」2リッター直列4気筒直噴ターボエンジンは421ps・500Nmを発生。AMGのマイスターが最初から完成まで丁寧に組み上げる

 しかも、これだけパワーを引き出すと、普通は特性がピーキーになりがちなところだが、ぜんぜん扱いにくくないどころかむしろ意のままに操れるから、扱いやすいことにも感心させられる。

 従来のM133型も、わずか2リッターで相当に速いことは重々伝わってきたものの、2リッター4気筒でどこまでできるかに精一杯チャレンジしたという印象で、強引にパワーを引き出した感もあったところ、現行のM139はぜんぜん無理をしている感じがしない。

 つまり、世界最強であることは当たり前として、“味”の領域にまで踏み込んで磨きをかけたわけだ。野太く勇ましいエキゾーストサウンドも気分を盛り上げてくれる。

■正確無比のハンドリングに接地感の変わらない足まわり

 シャシ性能もスゴイのひとことだ。

「メルセデスAMG A45S 4MATIC+」のAMGパフォーマンスステアリングには、手を離さずにセッティングが切り替えられるAMGドライブコントロールスイッチも装備される「メルセデスAMG A45S 4MATIC+」のAMGパフォーマンスステアリングには、手を離さずにセッティングが切り替えられるAMGドライブコントロールスイッチも装備される

 今回は公道で、しかも大雨のなかでのドライブだったので控えめに走ったが、それでも、いや、だからこそよりスゴさがわかった面もある。まず接地感がハンパない。路面をガッチリ掴む感覚が常にあって、タイヤのグリップをフルに使って走れるから、ヘビーウエット路面でもぜんぜん不安を感じない。

 足まわりはかなりハードなのに、乗り心地が悪くないことにも驚かされる。

 ガツンと衝撃が来そうな状況でも微妙にいなしが効いていて、振動も瞬時に収束させて終始フラットな姿勢を強制的に保とうとしているかのようだ。「ピタッ」どころではなく「ビターッ」という感じだ。硬質な着座感ながらピタッと身体になじむスポーツシートとの一体感も心地よい。

 さらには、よくぞこれほど俊敏で正確にできるものだと思わずにいられないハンドリングにも感心する。タイトなワインディングもお手のものだ。

 末尾に「+」のつくパフォーマンス志向の4WDシステム「AMG 4MATIC+」が、前後のトルク配分を100:0から50:50で連続可変制御するのに加えて、同車ではリアデフに内蔵された「AMGトルクコントロール」が後輪の左右輪間でも適宜トルク配分をおこなう。

 リア外輪にも積極的にトルクを伝えるようで、安定したなかでもムズムズくる感覚があるのも楽しい。これらが効いて、FRのように俊敏な回頭性とFRにはない安定性を、抜群のコントロール性とともに両立している。

 ESPにはスポーツハンドリングモードやレースモードも設定されている。サーキットを全開で走ったら、さぞかし楽しいことだろうと思う。一方で、スポーツモードは高性能を日常的に味わえる感じになり、モデラートモードはだいぶ控えめになる。

※ ※ ※

 もしもの話だが、市販車で公道キャノンボールをやるとしたら、一番早く目的地に到着できるのでは、現時点ではおそらくこのクルマじゃないだろうか。それは小柄で身軽なことはもとより、絶対的な動力性能の高さと、それを使い切ってどんな路面状況でも安心して踏んでいけるという意味でだ。

 800万円級のハッチバック車というとかなり割高な印象はあるが、この走りを味わえると思えば文句はない。エンジンもフットワークも、わかりやすいスゴさに満ちている。

 ここまでやっていたとは恐れ入った。メルセデスAMGが掲げる「ドライビング パフォーマンス」をまさしく体現した、ホットハッチの中のホットハッチだ。

「メルセデスAMG A45S 4MATIC+」の走り「メルセデスAMG A45S 4MATIC+」の走り

Mercedes-AMG「A45S 4MATIC +」

・車両価格:798万円
・全長:4445mm
・全幅:1850mm
・全高:1410mm
・ホイールベース:2730mm
・車両重量:1640kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCディーゼルターボ
・排気量:1991cc
・駆動方式:4WD
・変速機:8速DCT(DCT8G)
・最高出力:421ps/6750rpm
・最大トルク:500Nm/5000-5250rpm
・ブレーキ前/後:Vディスク/Vディスク
・タイヤ前後:245/35R19
・WLTC燃費:11.4km/L

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