値上がりも納得!? ホンダ新型「オデッセイ」 デザイン変更は成功か
くるまのニュース / 2020年11月12日 14時10分
大注目のホンダ新型「オデッセイ」。デザイン変更・機能充実・価格向上などで、ユーザーの反応はどうだったのでしょうか。
■ユーザーも驚き、まるでフルモデルチェンジ
2020年11月5日、ホンダは上級ミニバン「オデッセイ」のマイナーチェンジを発表し、翌6日より発売しました。
現行モデルでは2度目のマイナーチェンジとなり、内外装のデザイン変更や静粛性、乗り心地の追求、機能性の向上など、あらゆる点が強化されています。
では、新型オデッセイはユーザーからどんな反応があるのでしょうか。
現行オデッセイは、2013年に登場した5代目です。歴代初となる両側スライドドアが採用されているほか、7人乗り/8人乗りモデルが設定されています。
2017年には最初のマイナーチェンジがおこなわれ、ホンダの安全運転支援システム「Honda SENSING」の機能強化や、フロントフェイス、アルミホイールのデザインが変更されています。
これまでの売れ行きについて、登録車販売台数ランキング(軽自動車をのぞく)によると、2020年度上半期(4月から9月)で全体45位となる4075台。登場から7年が経過しているモデルということもあり、新型市場では苦戦を強いられている状況です。
今回のマイナーチェンジに対するユーザーの反応について、首都圏のホンダの販売店スタッフは以下のように話します。
「外観デザインが大幅に変更されたことで、『フルモデルチェンジじゃないの?』という問い合わせをいくつか頂いています。
そして、そのほとんどがデザインに対して好評な意見であり、なかでも『オデッセイはなんとなく古いイメージがあったが、新しい印象になった』というお声は非常に嬉しいものでした。
また、内装に関しても『高級感が増した』との意見や、『パネルが大きくて見やすい』という意見があり、マイナーチェンジで変更した部分がかなり好印象です」
ほかにも、新しくなったオデッセイのデザインに対しては、別の販売店スタッフも「好評な意見が多い」「若い世代からの問い合わせが増えた」と話しており、ユーザーからは非常に好感触のようです。
また、今回追加された各装備への反響もあるようです。前出の販売店スタッフは以下のように話します。
「ジェスチャーコントロール・パワースライドドアや予約ロックについては、展示車をご覧になった人や試乗された人など、実際にクルマに触れた人からはかなり好評です。
カタログを見ている段階では『必要ないのでは?』と思っていても、実車で体験するとその利便性の高さを実感するとのことです。
オデッセイは歴史あるモデルなので、既存オーナーが多いクルマです。しかし、そこに甘んじることなく、新規のお客さまも積極的に増やしていければと思います」
※ ※ ※
外観デザインの大幅な変更を筆頭にフルモデルチェンジ並みの大変身を遂げた新型オデッセイは、ユーザーからの感触も上々のようでした。
一方で値段に関しては、「マイナーチェンジ前より機能が充実したのは分かるが、価格も上がっているのが気になった」というように、マイナーチェンジ前後での価格を気にする声もあるといいます。
実際の価格面では、マイナーチェンジ前モデルが「G・AERO Honda SENSING(FF/7人乗り/ガソリン車)」の312万3186円から「HYBRID ABSOLUTE・EX Honda SENSING(FF/7人乗り/ハイブリッド車)」の431万4852円でした。
マイナーチェンジ後では、標準モデルが廃止され高級志向のABSOLUTEに統合されたこともあり、「ABSOLUTE(FF/8人乗り/ガソリン車)」の349万5000円から「e:HEV ABSOLUTE・EX」の458万円となっています。
しかし、装備面では充実が図られていることから、納得しているユーザーも多いようです。
■新型オデッセイにはどのような充実した装備
今回のマイナーチェンジでは、外観デザインを大幅に刷新したほか、インテリアの質感向上、安全装備をはじめとする各種装備の追加や強化がおこなわれました。
外観では、まるでフルモデルチェンジといわんばかりに大幅なデザイン変更を実施。とくに、フロントグリルは中国で販売されている「エリシオン」の骨格や塊感を取り入れ、厚みのあるフードや押し出し感のある大型グリルとなっています。
また、薄型のLEDヘッドランプは目力の強さを表現しているほか、細いメッキを上品にあしらうことで、威圧感を出さないようなデザインに仕上げました。
内装では、乗員の目に入りやすいインパネを変更。横基調でシンプルなデザインへ変更されています。
とくに、ナビゲーションのモニターは現行モデルの7インチ(ディーラー装着ナビは9インチ)から、新型モデルでは10インチに大型化。
メーター内部では1眼から2眼メーターかつ液晶パネルを3.5インチから7インチに変更され、先進的なデザインへと刷新されました。
また、収納面でも運転席側への格納式ドリンクホルダー追加やリッド付きインパネアッパーボックスを新たに設定するなど、室内の収納も使いやすくなっています。
安全装備では、「Honda SENSING」に、「後方誤発進抑制機能」を追加するなど、安全装備の強化もおこなわれました。
また、使い勝手において、ドアノブに触れなくとも流れる光に手をかざすことでパワースライドドアの開閉が可能となる「ジェスチャーコントロール・パワースライドドア」を国内初採用。
パワースライドドアが閉まり切るのを待たずに施錠が可能となる「予約ロック」をホンダ車で初採用しました。両装備は、どちらも標準装備となっています。
メーターが1眼から2眼になったことで古さを払拭
パワートレインは、マイナーチェンジ前と同じ2.4リッターのガソリン車と、2リッターのe:HEV車(ハイブリッド車)が設定されています。
細かな部分では、マイナーチェンジ前では2.4リッターガソリンエンジンに「DOHC i-VTEC(最高出力175馬力)」と「直噴DOHC i-VTEC(最高出力185馬力/190馬力」のふたつが設定されていましたが、マイナーチェンジ後では直噴タイプが廃止されました。
※ ※ ※
上質さと存在感を向上させた新型オデッセイ。しかし、高級ミニバンというジャンルでは、トヨタ「アルファード」が立ちふさがっています。
アルファードは、2020年4月から9月の新車販売台数ランキングで5位、直近の10月でも月間1万台以上を販売する人気モデルです。
1994年の初代モデルからホンダのミニバンジャンルを支えてきたオデッセイは、トヨタの「大空間高級サルーン」にどこまで迫ることができるのでしょうか。
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