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派手顔で勝負!? 日産 新型エルグランドはアルファードにない魅力を身に付けたのか?

くるまのニュース / 2020年11月16日 14時10分

日産の高級ミニバン「エルグランド」が2回目のマイナーチェンジを受けて発売されました。ライバルのトヨタ「アルファード」に大きな後れを取っているエルグランドですが、太刀打ちできる魅力を身につけたのでしょうか。

■3代目エルグランドは2回目となるマイナーチェンジを実施

 日産「エルグランド」が2020年10月12日にマイナーチェンジして発売されました。

 エルグランドといえば、高級ミニバンのパイオニアとして人気を博しましたが、近年は後発で登場したトヨタ「アルファード」に押され気味です。

 現行モデルは2010年に発売された3代目(E52)です。初代モデルと2代目モデルがFRプラットフォームを採用していたのとは異なり、低重心な新FFプラットフォームへ変更されました。

 FFを基本としたボディに改められたことで、高いボディ剛性と低床低重心なパッケージングを実現。

 より車高の低い乗用車に近い乗り心地を実現したほか、多人数乗車でもゆったりと座ることができる快適性を手に入れました。

 2014年に続き、今回2回目となるマイナーチェンジを受けたエルグランドですが、販売好調なアルファードに太刀打ちできる魅力を身につけたのでしょうか。

 新型エルグランドの外観は、フロントグリルのデザインが大きく変更されました。

 日産車に共通するVモーショングリルを基本としたデザインは変わらないものの、従来モデルでは横基調のメッキバーが採用されていたところ、新型ではドットを敷き詰めたデザインへ変更。

 エルグランドのロー&ワイドなプロポーションと相まって、存在感のあるフロントデザインを実現しています。

 大きなグリルのなかにちりばめられたドットは、上部と下部では形状が異なるというこだわりよう。光が当たるとキラキラと輝いて見え、他を圧倒するような存在感のある表情です。

 同じく日産のミドルサイズミニバンの「セレナ」も、2019年のマイナーチェンジで細かいドットを配したグリルを採用。押し出し感の強いデザインへと切り替わりました。

 アルファードも堂々としたグリルデザインに変更されてから販売を伸ばしていることから、ミニバンのトレンドは派手顔だといえるでしょう。

 ボディカラーは日産の新色である「ピュアホワイトパール」、「ミッドナイトブラック」、「ディープクリムゾン」など2トーンを含む全5色をラインアップしています。

 内装は、インパネからドアトリムにかけて水平基調に仕立てることでワイドな広がり感を演出しています。

 中央にはピアノブラックをベースとした10インチの大型ディスプレイを配置。先進感とプレミアム感のあるインテリアとしました。

 また、プレミアムシートは、連続したキルティングパターンへと変更され、モダンな室内空間へと仕上がっています。

※ ※ ※

 新型モデルではグレード体系の整理もおこなわれており、標準仕様が廃止され、スポーティ仕様の「ハイウェイスター」に一本化されました。

 さらに、カスタムカーとしてラインナップされていた「ライダー」を廃止。代わりに、エルグランドの最上級グレードを担う「AUTECH(オーテック)」が設定されています。

■e-POWERとプロパイロットの搭載は見送られた

 エルグランドのパワートレインは、2.5リッター直列4気筒ガソリンと3.5リッターV型6気筒ガソリンの2機種に、CVTが組み合わされています。

 今回は2.5リッターに試乗しましたが、2トン前後の重量級ボディを走らせるには、少々力不足を感じました。とくに上り坂では、もう少しパワーが欲しいところです。

日産「エルグランド ハイウェイスター アーバンクロム」日産「エルグランド ハイウェイスター アーバンクロム」

 ライバルのアルファードは、エルグランドと同じく2.5リッター直列4気筒ガソリン、3.5リッターV型6気筒ガソリンに加えて、2.5リッター直列4気筒ハイブリッドを用意。

 また、エルグランドと近い時期にマイナーチェンジしたホンダ「オデッセイ」は、2.4リッター直列4気筒ガソリンと2リッター直列4気筒ハイブリッドが搭載されています。

 燃費とパワーを補うべく、エルグランドにもハイブリッドモデルの設定が望まれるところです。

 日産には、ガソリンエンジンで発電した電気を使ってモーターを駆動して走る「e-POWER」がありますが、セレナ、「ノート」、「キックス」はいずれも1.2リッターエンジンにe-POWERを組み合わせたものが搭載されています。

 e-POWERを搭載したエルグランドの登場が期待されるものの、1.2リッター+e-POWERでは重量級のミニバンを走らせるのは難しいのかもしれません。新たなe-POWERの開発が必要だといえます

 今回のマイナーチェンジでは、全方向から運転をサポートする360°セーフティアシストを全車標準装備し、安全性が向上しました。

 前方2台前を走行する車両を検知し、急な減速などにより、自車の回避操作が必要と判断した場合には、警報によってドライバーに注意を促す「インテリジェントFCW(前方衝突予測警報)」や走行中に隣接レーンの後側方を走行する接近車両との接触を回避するようステアリング操作を支援する「インテリジェントBSI(後側方衝突防止支援システム)」、BSW(後側方車両検知警報)、RCTA(後退時車両検知警報)などの先進安全技術を追加。

 さらに、標識検知機能は進入禁止標識検知機能に加え、最高車速標識検知機能と一時停止標識検知機能が設定されています。

 日産には、セレナや「エクストレイル」、軽自動車の「デイズ」「ルークス」などに搭載されている先進運転支援技術として「プロパイロット」がありますが、さらに「スカイライン」には、ハンズオフ走行といった、より高度な支援を可能にした「プロパイロット2.0」が搭載されています。

 今回のマイナーチェンジではエルグランドへのプロパイロット搭載が見送られたわけですが、フラッグシップミニバンとして、先進装備のさらなる充実が求められているといえるのではないでしょうか。

※ ※ ※

 日産のミニバンは、セレナとエルグランドの2車種のみで、トヨタやホンダのようにコンパクトなミニバンはありません。

 さまざまな先進装備が搭載されているセレナに人気が集まっている反面、エルグランドが苦戦を強いられている状況だといえます、

 しかしアルファードが非常に好調な販売を記録しているのを目の当たりにすると、高級ミニバンが売れないというわけではなさそうです。

 マイナーチェンジ後のエルグランドについて、日産販売店のスタッフは次のようにいいます。

「マイナーチェンジ後、展示車や試乗車はあるのか、という問い合わせが以前よりも増えました。これまでエルグランドは比較的年齢の高い人から人気がありましたが、今回は若い人からも問い合わせがあります。

 そのなかで、『みんなアルファードに乗っているから、差別化のためにエルグランドにしたい』という人がいたのを覚えています。

 爆発的に販売が伸びているワケではありませんが、注文が増え、納期も2020年1月ほどまで伸びているグレードもあります。

 固定ファンが多かったエルグランドに新しい風が吹いているのでは、と期待しています」

 1997年に初代モデルがデビューし、多くのファンに支えられて世代を重ねてきたエルグランドですが、さすがに10年を経過した3代目モデルは設計の古さが否めません。

 次期モデルは、e-POWERやプロパイロットといった、ライバルにはない武器を身につけて登場することを期待したいです。

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