寒い時期の長距離運転は腰痛に注意! 腰痛の原因は? 手軽にできる対処法とは
くるまのニュース / 2020年11月15日 9時30分
気温が低下する冬は、長距離を運転するドライバーにとっては腰痛といったトラブルが出やすくなる時期といえます。ロングドライブでの背中や腰の痛みの原因や対策について調べてみました。
■長時間にわたる歪んだ姿勢での運転が腰痛を引き起こす!?
冬に向かうこれからのシーズンは1日の寒暖差が大きく、暖かいクルマのなかでは軽装でも、ドアを開けた瞬間に思わぬ寒さに見舞われるということがあります。
とくに長距離を運転するドライバーにとって、この時期に注意したいのが背中や腰の痛みです。
長距離運転で起きる腰痛は、どのようなことが原因で起こるのでしょうか。
長距離運転と聞いて思いつくのがトラック運転手です。実際、トラック運転手は腰痛やヘルニアになりやすい職業ともいわれています。
これは、同じ運転姿勢を長時間続けることや、重い荷物の積み降ろしなどで腰への負担が大きいことが原因とされています。
運転に集中している緊張状態で同じ姿勢をとっていると、大腰筋というインナーマッスルへの負担が大きく、いわゆる凝った状態になりやすいのです。
さらにエアコンや寒さなどで体が冷やされると凝りがさらに悪化。結果として腰痛を引き起こすのだといいます。
また、一般ドライバーでも腰痛が増えているといわれていますが、その原因が「AT車の普及」という説もあるようです。
これは、AT車は比較的ラクなポジションでも運転できることから、シートバックの倒しすぎや使用頻度の少ない左足が折り曲げたままの状態、肘をアームレストにつけたままでの片手運転など、歪んだ姿勢で運転しているケースが多いためとされています。
一見快適そうに思えるAT車の運転姿勢ですが、歪んだ姿勢によって骨盤のバランスが崩れ、さらに血行不良の原因になることもあります。
それに比べてMT車は、クラッチを踏み込む動作が腰をシートに密着させることへとつながり、さらにシフト操作のために適度に起きたシートポジションとなることで正しい運転姿勢に近づき、結果として腰痛が出にくいともいわれています。
改善するには、正しい運転姿勢と緊張したインナーマッスルをほぐすストレッチが有効です。
デスクワークなどで長時間同じ姿勢のまま座っていることで背中や腰に凝りや痛みを感じる場合も、ストレッチやウォーキングといった軽度な運動などで痛みを軽減できると思われます。
また運転姿勢は腰や背中に負荷がかかる代わりに、足を動かす頻度が減っているため足がむくみやすくなっています。
腰を伸ばすようなストレッチはもちろんですが、ふくらはぎを少し強めに揉みほぐし、アキレス腱を伸ばす動作を加えると、腰痛が改善される効果が期待できます。
■腰痛対策に取り入れたいアイテムは?
正しい姿勢で運転することで、腰痛や背中の痛みが出にくくなるものですが、それでも長距離や長時間運転していると、やはり痛みや凝りが出てくるものです。
そこで腰や背中、お尻などの負荷を軽減してくれるものとして「クルマ用クッション」があります。
腰や背中への負荷を軽減する「クルマ用クッション」
シートと腰の隙間をなくし、骨盤などを正しい位置でキープしてくれたり、本来は緩いS字カーブを描く脊髄にフィットして、坐骨神経痛などの軽減が期待できる便利グッズです。
専用クッションには、いくつかの種類があり、痛みを感じやすい部位によって使い分けることができます。
まず腰痛に効果的なのは、腰や背中を包み込む「ランバーサポート」タイプ。骨盤や脊髄などの歪みを矯正する効果があり、かつ衝撃も吸収してくれるため、腰痛を軽減する効果が期待できます。
長時間の着席でお尻や太ももに痛みを感じる人には、「座布団」タイプがお勧めです。走行中の振動や突き上げからの衝撃を吸収してくれるだけでなく、姿勢矯正や高さ調節の役割も期待できます。
首の痛みや肩こりがひどい場合は「ネックパッド」がお勧めです。
運転は視界からの情報を瞬時に判断しておこなうため、じつは目が非常に疲れます。目の疲れに加え、ヘッドレストに頭をつけることなく運転している場合には、首や肩の筋肉が凝りやすくなっています。
頭を無理のない位置に固定するサポートをしてくれるので、肩こりがひどい人や目が疲れやすい人に最適なクッションです。
材質もいろいろあり、沈み込むような包まれ感で体を固定する「低反発ウレタン」や適度な衝撃吸収性と硬さのバランスがいい「高反発ウレタン」、独特の座り心地と衝撃吸収性の良さが特徴の「高弾性ジェル」タイプなどがあります。
「低反発ウレタン」や「ジェル」はフィット感が良い分ムレやすく、現在では適度な硬さと衝撃吸収性の高さから「高反発ウレタン」が人気となっています。
このいずれも主眼を置いているのが、体重を一点に集中させない「体圧分散」にこだわった設計。シートとの隙間に置くだけなど設置するのも簡単なので、凝りや痛みで悩んでいる人は試してみる価値がありそうです。
また、これから気温が下がるにつれて、冷えによる腰痛が増えてきます。
寒さや冷えなどを感じると自律神経が筋肉や血管を収縮させて体温を保とうとしますが、これが血流を悪化させることになり、腰痛の原因となるわけです。
寒くなると腰痛が出やすくなるという人には、シートヒーターが有効です。シート内部に配置された電熱線を通じてじんわりと体を温めてくれるので、冷えによる凝り固まった筋肉を緩和する効果が期待できます。
ちなみに、シートヒーターが装着されていないクルマでも、後付タイプが発売されています。
後付けシートヒーターは2種類あり、シートの内側に入れ込む「内部搭載タイプ」と、座席の上から覆うように装着する「シートタイプ」があります。
前者はシートの加工が必要となるため個人での装着が難しいのですが、仕上がりがスマート。後者は手軽な半面、むき出しのためオシャレとはいいがたいのが難点です。
冬場だけ装着するなら、シートタイプのほうが良いかもしれません。
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