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なぜナンバー位置違う? 軽のナンバープレートが真ん中に無いワケ

くるまのニュース / 2020年11月18日 7時10分

普通車の場合、フロントのナンバープレートは中央に配置されていることがほとんどです。しかし、軽自動車の場合、ナンバープレートが運転席側に取り付けられているモデルを多く見かけます。なぜ、普通車とは違い真ん中ではないのでしょうか。

■ズレている? 軽自動車のナンバープレートが中心にない理由

 最近の軽自動車は、走行・快適・安全といった性能が格段と進化しており、普通車並みといわれています。
 
 最近の新車市場において、軽自動車の販売台数は全体の約4割に達するなど、いまや軽自動車は最大級の市場ともいえます。

 そんななか、軽自動車を取り扱うディーラーに行き、並んでいる軽自動車を見てみると気が付くことがあります。それは、ナンバープレートの位置が「ズレている」のです。

 クルマのナンバープレートは、フロントマスクの真ん中に装着されているのが一般的ですが、最近の軽自動車では、正面から見て左側(運転席側)に、ややズレてプレートが装着されているクルマが増えています。

 なぜ、ナンバープレートの位置が普通車と違うのでしょうか。

 実は、ナンバープレートは「自動車の前面・後面に1枚ずつ上下左右に取り付ける」という決まりはあるものの、真ん中につけるというルールはありません。冷却風を妨げないために、どこに設置しても問題はないのです。

 では、ナンバープレートによって冷却風が妨げられると、どのような問題が発生するのでしょうか。

 日本でもっとも売れている軽自動車「N-BOX」をラインナップするホンダは以下のように話します。

「ラジエーターはエンジンを冷却するためのクーラントを冷やすための装置です。

 ラジエーターは走行風と冷却用のファンで冷やしていますが、外気温が高い日はファンだけでは十分な効果が得られないので、走行風をラジエーターに当てる必要があります。

 登録車であればボンネット内のスペースが広いのでラジエーターをある程度自由に配置できますが、多くの軽自動車はエンジン・ミッション・補器類を狭いボンネットにすべて収める必要があるので、スペースの問題でラジエーターを真ん中より助手席側にオフセットして取り付けています。

 また、バンパーの真ん中にナンバープレートを取り付けると走行風がラジエーターにしっかりと当たらず、エンジンを十分に冷却できなくなるおそれがあります。

 ラジエーターの正面に障害物となるナンバープレートが来ないよう、各クルマのデザインやラジエーター冷却、エンジン吸気、空気抵抗などを考慮しながらナンバー位置を決めています」

※ ※ ※

 このように車幅制限のあるなかで冷却効率を最大化するという目的を果たすために、軽自動車のナンバープレートに位置がズレているのです。

 なお、一部の普通車でも、ナンバープレートが中心になかったモデルがあります。三菱「ランサーエボリューション」です。

 フロントのナンバープレ―トが助手席側に移動しており、中央の開口部を広く確保していました。開口部を広く取るという理由は、軽自動車と同様に冷却効率を上げるためだといいます。

■ユーザーは軽のナンバーにはコンプレックスが?

 最近の軽自動車では、ナンバープレートの位置が登録車と同じ「クルマの中心」にあることが増えています。

 具体的な車種では、日産「デイズ」や「ルークス」、三菱「eK」シリーズなどが挙げられます。

 中央に配置されたモデルが増えている理由は、ナンバープレートが中央にないことに苦手意識をもつユーザーに配慮したことが大きいとされていますが、実際はどうなのでしょうか。日産の販売店スタッフは以下のように話します。

「ナンバープレートの位置に対してこだわりのある人は意外にも多いです。

 その点でいえばデイズやルークスは好評です。なかには、他メーカーのクルマのほうがデザインが良くても、ナンバーの位置が気に入らなくてデイズにした、というお客さまもいらっしゃいます。

 また、ラグビーワールドカップの際の特別仕様で軽自動車が白いナンバーを装着できましたが、あれ以降は『白くできないのか』という問い合わせがかなり増えました。現在は、オリンピック仕様の白ナンバーが申し込みできるのでその案内をしています」

ダイハツ「タント」(左)と日産「ルークス」(右)ではナンバープレートの位置が異なるダイハツ「タント」(左)と日産「ルークス」(右)ではナンバープレートの位置が異なる

 軽自動車の白いナンバーは、ラグビーワールドカップが2019年9月に日本で開催されることを記念した特別仕様プレートで、期間限定で交付が受け付けられました。申し込みは2019年11月で締め切られ、2020年1月には交付も終了しています。

 その際、国土交通省によれば、申し込み総数が29万2501件だったとのことですが、「登録車が3万7540件に対して、軽自動車は25万4961件」と、軽自動車が約87%も占めていたといいます。

 また、そのうち右上に小さいラグビーワールドカップのロゴが入った、シンプルな『寄付なし図柄』の申し込みが全体の7割以上を占めたといいます。つまり、シンプルに色を白くしたいというユーザーが多かったということです。

 さらに、最近では東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会特別仕様ナンバープレートも登場しましたが、これも軽自動車であっても白いナンバーを選ぶことが可能です。

 2017年の10月10日から申し込みを開始したオリンピックナンバープレートの、2020年2月末時点の申し込み数について、国土交通省の担当者は以下のように話します。

「あくまで申し込み件数ですので、実際に交付される枚数とは乖離が出ますが、全体で162万1865件でした。

 そのうち軽自動車が146万233件と、こちらも軽自動車の比率が非常に高く、9割を占めています」

 デザインは、ラグビー同様に「寄付なし図柄」の申し込みが大半を占め、全体の8割以上となる134万9054件にのぼっているとのことです。

※ ※ ※

 軽自動車のナンバープレートには、取り付け位置だけでなく色に対しても「コンプレックス」を感じているユーザーがかなり多いようでした。

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