ホンダ「S2000」復活なるか!? 中古で買える魅惑のFRオープンカー5選
くるまのニュース / 2020年11月15日 6時10分
スポーツカー好きの間で、ホンダ「S2000」の後継モデル登場のウワサがささやかれています。今回は、今すぐ中古車で買える、FRを採用する魅力的なオープンカーをピックアップしてみました。
■操る楽しさに満ちあふれたFRオープン
最近クルマ好きの間で話題になっているのが、FR+オープンモデルのホンダ「S2000」の復活です。
ホンダには軽自動車の「S660」とスーパーカー「NSX」がありますが、その中間を埋めるモデルとしてS2000を復活させ、スポーツカーのラインナップを完成させるのではないかと期待されています。
新型S2000の登場が待てないという人へ、お手頃価格の中古車で「FRオープンスポーツ」を体感できるモデルを5台ピックアップして紹介します。
●ホンダ「S2000」(初代)
1999年にホンダの創業50周年を記念して開発されたスポーツカーがS2000です。ホンダとしては29年ぶりとなるFR車で、しかも2シーターオープンモデルとして登場しました。
全長4135mm×全幅1750mm×全高1285mmのボディは、オープンでありながら「ハイ Xボーンフレーム」構造を採用。強化されたフロントピラーやシート後部には高強度のロールバーを設置するなど、クローズドボディ以上の剛性を確保しています。
スポーツカーに欠かせない速さを実現するために搭載されたのは、2リッターVTECエンジン。当時のホンダは高回転型NAにこだわり、VTEC機構を介して250馬力ものハイパワーと、当時としては優れた環境性能を両立させています。
なお、トランスミッションは自社開発による6速MTのみの設定です。
F1をイメージさせる高回転型NAエンジンや「S800」以来のFR、日常でも扱いやすいサイズだったにも関わらず、ハイパワーターボエンジン全盛だったスポーツカー市場では販売的には成功を収められませんでしたが、話題性は十分でした。
そして誕生から20年の節目を迎えた2020年、「20年目のマイナーチェンジ」と称して、新たにアクセサリーパーツが販売されました。
中古車でも、初期モデルは20年以上経過して、逆に価格が上昇しています。
現在の価格は170万円からとなっていますが、走りが楽しいモデルだけに10万km以上走行した固体が多く、フルノーマルな車両はほとんどない状態です。
2009年の生産終了までに国内ではわずか2万台だった希少性やスポーツカーとしての資質の高さなどが再評価され、注目が集まっているようです。
●マツダ「ロードスター」(現行・4代目)
1950年から1960年代に人気だった「ライトウェイトスポーツ」を現代の技術で蘇らせた名車として、1989年にコンパクトなオープンボディにFRを採用した名車がマツダ「ロードスター」です(当時はユーノス「ロードスター」)。
誰もが扱えるエンジンやボディサイズと、「人馬一体」のコンセプトから生み出された走る楽しさをダイレクトに味わえるとあって、世界的ヒットを記録しました。
現行モデルの4代目ロードスター(ND型)は、現在のマツダ車に共通する「SKYACTIVテクノロジー」と「魂動デザイン」を採用し、大人っぽさのなかにニューレトロな雰囲気を漂わせています。
初代から続く2シーターオープンとFRというコンセプトに変わりはなく、全長3915mm×全幅1735mm×全高1235mmとなったボディには、時代のニーズに合わせた安全装備や快適装備も備わり、6速MTだけでなく6速ATも選べる点も魅力です。
搭載されるエンジンは、1.5リッターガソリンの「SKYACTIV-G」のみ。最高出力こそ132馬力ですが、フロントミッドシップに搭載されたことで重量配分50:50を実現し、クルマとドライバーが一体となったかのようなフィーリングを味わうことができます。
2015年に登場した現行モデルはすでに5年が経過していることもあり、中古車も充実しています。
4代目の初期モデルなら150万円前後から入手可能。はじめてのオープンカー、はじめてのFR、はじめてのMT車として最適ですし、ベテランドライバーでも笑顔になれる楽しさがあります。
●日産「シルビア ヴァリエッタ」
FRは操舵が前輪、駆動が後輪となるため、自然なドライブフィーリングが得られやすく、スポーツカー向きだといわれています。
そんなFRを一貫して採用したことで、若者を中心に高い人気を誇ったのが日産「シルビア」です。
1999年に7代目(S15型)へとモデルチェンジしたシルビアは、時代のニーズとともにスポーツカー人気が衰退していくなか、絶頂期ほどの人気を回復できませんでした。
しかし5ナンバーサイズに収まるボディに、165馬力(MT)の2リッターNAと250馬力(MT)の同ターボエンジンを搭載した貴重なFRクーペとして存在していました。
そんなシルビアですが、カタログモデルとしてオープンモデルがラインナップされていました。それが「シルビア ヴァリエッタ」です。
日産の特装車や日産車のカスタムを手掛けるオーテックジャパンが開発したシルビア ヴァリエッタは、全長4445mm×全幅1695mm×全高1285mmと現在の基準ではコンパクトなボディに、当時はまだ珍しかった電動フルオープン式メタルルーフを国産車としてはじめて採用。
エンジンはクーペの「スペックS」と同じNAでマイルドな165馬力仕様(MT)、かつ重量は電動メタルルーフの機構分がプラスされ、クーペと比較すると130kg増加するなど、走りにこだわるコアなファンからは支持を得られませんでした。
しかし美しいクーペスタイルをオープンで、かつATでも楽しめるFR車は数少なく、現在の中古車市場での価値は高騰中です。
110万円前後から探すことも可能ですが、程度のいいものは200万円を超えています。
新車価格が279万8000円(MT)だったことを考えると、20年経ったことで若干プレミア価格になっているようです。
■スポーティさに高級感をプラスした贅沢なFRオープンも
●レクサス「SC」
高級車ブランドとして定着しているレクサスは、コンパクトカーからセダン、SUVにクルーザーボートまで、さまざまなモデルをラインナップしています。
なかでも、レクサス初となるオープンモデルだったのが「SC」です。
レクサス「SC」
もともとSCは1991年発売のトヨタ「ソアラ」(3代目)をベースに、北米のレクサスブランドから登場したモデルですが、当時はベースのソアラと同様にクーペボディでした。
それが2001年にデビューした2代目モデルから、アルミ製の電動格納式ハードトップを採用したFRオープンへと進化。
デビュー当時、日本では4代目ソアラとしてトヨタブランドから販売されましたが、2005年に日本でもレクサスブランドの展開が始まったことで、国内モデルもSCに改められました。
同時にオプション扱いだったカーナビと高級オーディオメーカーのマークレビンソン社製サウンドシステムが標準装備となり、さらにゴージャスな仕様となります。
SCは全長4515mm×全幅1825mm×全高1355mmのボディサイズや280馬力を発揮する4.3リッターV型8気筒エンジンというスペックからもわかるように、レクサスらしい贅を尽くしたラグジュアリーなクーペとして認知されていました。
座席は2シーターではなく4シーターでしたが、後席は補助席的な扱いだったため、実質は2シーター+αであったことも贅沢さを助長していました。
当時のレクサスで考えられる贅を尽くしたSCですが、動力性能の高さも魅力。高速を優雅に流すクルーザーのようなスタイルですが、ワインディングでもスポーティに走れる万能選手でした。
現在の中古市場では100万円以下の固体もありますが、年式と程度を考慮すると150万円前後が相場といったところです。
大排気量ゆえに税金の高さと燃費の悪さは仕方ありませんが、手頃な価格で贅沢な気分が堪能でき、国産車ならではの信頼性を持ったFRオープンはほかにはないでしょう。
●BMW「Z4」
1989年に誕生したロードスターの世界的大ヒットをきっかけに、多くのオープンモデルが誕生しました。
その存在はBMWをも動かし、遅れること7年後の1996年にライトウェイトオープン「Z3」がデビュー。同時にその上位クラスのオープンモデルの開発が進行していました。
Z3の上位モデルとして2003年に登場したのが「Z4」です。ボディは、オープンモデル(ロードスター)だけでなくクーペもラインナップされていました。
初代Z4(日本仕様)は、全長4091mm×全幅1781mm×全高1299mmのコンパクトなボディに、2.5リッター直列6気筒エンジン、3リッター直列6気筒エンジンを搭載。また、グレードによって、ソフトトップは手動式と電動式がありました。
2008年には2代目へとフルモデルチェンジ。初代のイメージを踏襲しつつ正常進化した2代目ですが、初代にあったオープンとクーペを廃止し、統合したような形で電動格納(リトラクタブル)式メタルトップを採用しました。
そして2019年に登場した現行型(3代目)は、トヨタ「スープラ」と共同開発されたことでも話題になります。
クローズドボディのみのスープラに対し、Z4は再び電動ソフトトップのみのオープンモデルにすることで差別化を図りました。
Z4の中古市場ですが、初代は50万円前後、2代目は100万円からという状況です。この価格で憧れのBMWのオープンカーが手に入るのは、非常に魅力的だといえます。
※ ※ ※
FRオープンは古典的なレイアウトでもあり、ミニバンやSUVが人気の現在、多人数乗車や積載性を犠牲にしても走る楽しさを優先させた、ロマンあふれる贅沢なクルマでもあります。
ぜひ1度、FRオープンの魅力を感じてみてはいかがでしょうか。
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