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欧州No.1コンパクトが日本上陸! ルノー新型「ルーテシア」はどう進化した?

くるまのニュース / 2020年11月19日 17時40分

2020年11月6日から販売を開始したルノー新型「ルーテシア」。欧州では「クリオ」の名前で1990年の登場以来、累計1500万台を販売し、ベストセラーハッチバックとして君臨するモデルで、今回登場のニューモデルで5世代目となる。見た目はそれほど先代と変わっていないように見えるルーテシアだが、中身はすべて新しくなっている。早速新型ルーテシアに試乗した。

■ADAS(先進運転支援システム)も充実したフレンチコンパクト

 5世代目になって日本に上陸した、ルノー新型「ルーテシア」にいち早く試乗できた。

 結論から言ってしまうと、Bセグメントということを忘れさせる「充実した装備」と「高い質感」を備えている魅力溢れるクルマだった。

 筆者のルーテシアの思い出は、ニュルブルクリンクから始まる。現地ではクリオという車名だが、ニュルのノルドシュライフェ(北コース)を走るために、レントレースカーで「クリオR.S.」を借りた。ニュルのレンタカーは通常、足を固め、ハイグリップタイヤに履き替え、後席や内張りを外してロールケージを入れているが、そのときはまだ下ろしたての新車で、すべてがノーマルだった。レントレースカーの社長が「ノーマルでもいいか?」と聞くので、筆者は「ノーマルのほうがいい!」と言って走ることができた。

 クレオR.S.のしなやかな足は、舗装が荒れ、ミューが低いノルドシュライフェの道を確実にグリップしながら綺麗なライン取りで走った。

 遊びの少ないハンドル応答性により、ハイスピードでも正確なラインをトレースすることが楽だった。元気の良いエンジンをMTで操るのも楽しかった。もちろんポルシェやMモデルほどの速さはないが、相当速いペースで気持ちよくラップできた。

 そんな良いイメージを持っている日本名ルーテシアが、今回次の世代への進化したのだ。

 新型はCMF-Bと呼ばれる新しいプラットフォームへと切り替わった。軽量(従来プラットフォーム比でマイナス50kg)、高剛性のシャシにより、ハンドリングと乗り心地の向上に大きく貢献している。

 床下には整流のためにパネルが貼られ、広い面積がフラットになっている。ラゲッジルームは先代の330リッターから新型は391リッターへと広くなった。ステアリングギアレシオは15.2から14.4へとシャープになったが、これも基本的なシャシの剛性アップができ、より高い安定性が確保できているから実現したのだろう。

 ドライビングアシストや安全装備などは本当に充実している。

 アクティブエマージェンシーブレーキ(歩行者・自転車検知機能付き)、セーフティディスタンスワーニング(先行車との距離が0.9秒以下は赤色、1.6秒以下は黄色、1.7秒以上が緑色に表示される)、バックミラーの死角にいることを知らせるブラインドスポットワーニング、標識をインパネに表示するトラフィックサインレコグニション、車線をはみ出さないようにするレーンデパーチャーワーニング、ACC(ストップ&ゴー機能付アダプティブクルーズコントロール)、ハイウェイ&トラフィックジャムアシスト、レーンセンタリングアシスト、スピードリミッター、オートハイ/ロービーム、360度カメラ、パーキングセンサー(フロント・リア)と、Bセグメントのクラスを超えた装備だ。またEPB(電子パーキングブレーキ)が付いたことによりストップ&ゴー付きのACCも装備できるようになった。

ルノー新型「ルーテシア」のインテリアルノー新型「ルーテシア」のインテリア

 パワーウインドウも前後4枚の窓がそれぞれワンタッチのオートができるのも嬉しい。オートだと挟み込み防止装置も作動するから、ファミリーで使うケースなどでは安全性の面でも有利になる。

■最大トルクはひとクラス上のCセグメントレベルの力強さ

 1.3リッター直列4気筒16バルブ直噴ターボチャージャーエンジンは、最高出力131ps/5000rpm、最大トルク240Nm/1600rpmを発揮する。直噴は250barの高圧で噴射する最新システムだ。

 カタログ上のトルクの表示は1600rpmとなっているが、資料のトルクカーブを見ると3500rpm近くまで最大トルクを発揮できそうだ。ピーク値で見ると先代より1割以上大きくなっている。このトルクは、筆者がニュルで乗った先代のR.S.に匹敵する。このエンジンパワーもBセグメントを超え、Cセグメントレベルの力強さになっている。

 7速デュアルクラッチのオートマチックトランスミッションを介し、WLTCモード燃費では17.0km/Lと優秀な数字を出している。シリンダー内にコーティングを施し、フリクションを低減するという燃費対策がとられている。

ルノー新型「ルーテシア」の走りルノー新型「ルーテシア」の走り

 Multi Senseと呼ぶドライブモードは、Eco/Comfort/Regular/Sportの4つから選ぶことができる。操舵力(ハンドル重さ)やアクセルペダルの反応、などが変わるが、インストルメントパネルの表示の仕方も変わる。

 Ecoは緑色、ComfortとRegularは青色、Sportは赤色で、RegularとSportはタコメーターが表示される。またMy Senseでは、インテリアライトの色も含めて事前に設定した各モードでドライブすることもできる。

※ ※ ※

 さて、新型ルーテシアの乗り味はどうか。

 先代よりもワンランクアップし、しっかりした感じになっているというのが第一印象だ。サスペンションセッティングが硬めになっているが、先代よりハイスピードに対応している感じだ。

 ハンドルの重さは、絶対的には軽い部類に属すると思う。それでも路面とダイレクトに繋がる感触があるので、この軽さが悪い影響を与えていない。ComfortよりRegular、Sportを選ぶと、操舵力は重めに変化する。

 イタリア、フランスのラテン系のクルマのパドルシフトは、ほとんどがステアリングコラムに固定されるタイプで、ハンドルを回してもパドルの位置は動かなかったが、今度のルーテシアではハンドルの裏側に固定されているので、ハンドルを回すと一緒に付いてくるようになった。

 筆者はこのハンドルと一体で動くタイプのほうが好きだ。パドルシフトを使うのはハンドルを大きく切っていないときで、微妙にハンドルを動かしながらシフトアップ/ダウンすることを想定すれば、ハンドルとパドルが一体で動いた方がやりやすいからだ。

 これだけの充実した内容なのに、新型ルーテシアの価格はとてもリーズナブルといえる。

 エントリーモデルのZEN(ゼン)は受注生産だが、充実したADASを装備し、車両価格は236万9000円(消費税込、以下同)、INTENS(インテンス)はZENにドライビングモードを切り替えるMULTI SENSE、17インチアロイホイール、BOSEサウンドシステムを装備して256万9000円だから、お得感たっぷりだ。

 今回、試乗・撮影したINTENS Tech Packは、さらに360度カメラ、レーンセンタリングアシストを搭載し、ADASもさらに充実させ、レザーシートを採用しているが、276万9000円と魅力的な価格である。

ルノー新型「ルーテシア」ルノー新型「ルーテシア」

RENAULT LUTECIA INTENS Pack

・車両価格276万9000円
・全長:4075mm
・全幅:1725mm
・全高:1470mm
・ホイールベース:2585mm
・車両重量:1220kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ
・排気量:1333cc
・駆動方式:FF
・変速機:7速EDC(DCT)
・最高出力:131ps/5000rpm
・最大トルク:240Nm/1600rpm
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤ前後:205/45R17
・WLTC燃費:17.0km/L

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