1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. ライフ

被害者600人超え!? 高級カーシェア会社が経営破綻 自己破産決めた人も…何が問題だったのか

くるまのニュース / 2020年11月20日 14時10分

高級車カーシェアの投資トラブル問題が話題となっていた運営グループが2020年11月20日に東京地裁へ破産申請を申請しました。600人以上の被害者がいるとされるこの問題ですが、実際にはどのような仕組みで何が問題となっているのでしょうか。

■多数の高級車をシェアするサービス。破綻したスカイカーシェアとは?

 2020年11月20日、高級車カーシェアの投資トラブル問題が話題となっていた運営グループが東京地裁へ破産申請を申請しました。

 度々、ニュースなどで報道されてきた高級カーシェア投資トラブルですが、今回の高級カーシェアとは、どのようなサービス内容で、何が問題だったのでしょうか。

 スカイカーシェア問題は、2020年10月8日に経営悪化による事業停止を知らせるメールが代表者から約600人の投資者のもとに送られてきたことから始まります。

 実際には8月から投資者のもとに入金が遅れることが連絡されており、9月に2か月まとめて入金するという約束は果たされていませんでした。

 スカイカーシェアは社名ではなくサービスの名称で正式には「カーシェアリングサービス SKY CAR SHARE」となり、運営していた会社は豊島区池袋に本社組織を持つ株式会社SERIAS(代表取締役上ノ山章博)で、ほかに運営に関わっていたのが以下の3社です。

(株)ランドコアサービス→投資者を獲得するための営業活動
(株)anchor(アンカー)→広告代理店(投資者への入金などをおこなう)
(株)コーディアル→車両の管理、洗車やタイヤ交換、オイル交換など簡単な整備
※記事では4社をまとめてスカイグループと表記します。

 スカイカーシェアのサービスが始まったのは2018年春頃。当初は、すでにサービスを展開していたほかの個人間カーシェアリングサービスに登録していたこともありました。

 レンタカーより安く高級車が借りられることをアピールしており、利用者は会員登録(無料)をして、専用のマッチングアプリを経由し、クルマとオーナー(投資者)が選んだ写真を見て予約をします。

 シェア車両として登録されているブランドには、メルセデス・ベンツやBMWが多くを占め、レクサスやトヨタなどもありました。

 スカイカーシェアは「投資者を募り、高級車(中古)を購入させる→その車をスカイグループが預かり、個人間カーシェアとして運用」するシステムです。

 投資者が得られる金額は契約時期によって異なる場合がありますが、筆者(加藤久美子)が取材した投資者30名以上の契約内容は、おおむね以下の内容となっています。

・契約時に車両代金の1割(サービス開始当初は一律34万円)
・毎月1万円(時期によってはシェア利用された料金の5%)
・7年後、期間満了時に100万円(2年契約のケースもあり)

 毎月のローン代金や保険料などはすべて、スカイグループから投資者の口座に入金され、数日後にその代金がローン会社や保険会社へ支払われる(投資者の口座やクレジットカードから引き落とし)ため、投資者には一切、金銭の負担がないという条件でした。

 また、投資者がほかの投資者を紹介して契約に至ると一律10万円(例外あり)の紹介料が支払われるといい、短期間で大量の投資者が集まることになったのです。

 実際、約600名の投資者のほとんどはほかに自動車ローンがなく、信用情報もキレイな20代から30代の若者たちで、ほかの投資者は副業情報紹介会社などからの紹介でスカイカーシェアの投資に参加していました。

■経営破綻した現在の状況は? 自己破産を決めた被害者も

 スカイカーシェアが事業停止を発表して1か月半が経過しました。約700台あるとされるクルマのうち、約300台は埼玉県内の駐車場に保管されています。

 また、約200台が貸出中(月単位利用)で借りた相手と連絡が取れなかったり、連絡が取れても相手が返却に応じなかったりで各地でトラブルが発生して警察が出動する事態となっています。

 残りは大阪のコインパーキングなどに駐車されていたり、修理中で修理工場にあったり、すでに投資者のもとに返却された車両もあります。

高級車の鍵はメーカー毎に管理されていた。(撮影:加藤博人)高級車の鍵はメーカー毎に管理されていた。(撮影:加藤博人)

 投資者のなかには突然、数百万円の残債を抱える立場となり、なかには自己破産を決めた投資者もいます。

 なお、プレミアやジャックス、オリコ、BMWファイナンスなどのローン会社で契約した場合は車検証上の名義はローン会社になりますが、銀行ローンでは所有権留保がされないため、使用者も所有者も投資者の名義となり、その場合は車両の移動や売却も残債があっても投資者がおこなうことが可能です。

 しかし、所有者名義がローン会社になっている場合は完済しない限りクルマの売却はできません。

 この「売却できる」というのは、実際スカイ側が用意した車は高級ブランド車であっても過走行車や事故車など価値が非常に低い(仕入れ値50万円から200万円前後)ものばかりで、それを400万円から1000万円程度でローン契約をさせていました。

 ゆえに実際の買い取り査定額はほとんどが数十万円の価値にしかならず、投資者の多くは数百万円の負債を抱える状況になっています。

 2020年10月25日にはやっとスカイグループ4社の破産申し立てに向けて、代理人となる弁護士が決定。11月14日には投資者に向けた緊急説明会も開催されました。

 代理人となる弁護士は、次のように説明しています。

「S社グループ4社の破産手続きが開始されるまでは、車両の返還などは一時停止されます。

 管財人の方針が決まったら株式会社コーディアルの公式サイト経由で今後の手順などを公開します。

 ゆくゆくはコールセンターを設置するなどして、投資者の皆さまの対応にあたります」

※ ※ ※

 今後、今回のスカイカーシェア問題がどのような進展を迎えるのかは、定かではありませんが、多くの被害者がいることもあり、早い解決が求められます。

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください