レクサス新型「LS」登場! 約30年でどう変化? 初代「セルシオ」と比べてみた
くるまのニュース / 2020年11月21日 11時50分
2020年11月19日、レクサス改良新型「LS」が発売された。エクステリアやインテリアのデザイン変更など、レクサスのフラッグシップモデルらしい幅広い改良を受けている。そんなLSの初代モデルは1989年、いまから31年前に登場した。日本ではトヨタブランドの「セルシオ」として発売され、高級車の概念を覆すセダンとして日本でも、世界でもヒットを記録している。この31年の間に、LSはどう進化しただろうか。新型LSと初代セルシオを比べてみた。
■トヨタの持つ最新技術が惜しみなく投入されたレクサス改良新型「LS」
2020年11月19日、レクサスのフラッグシップである「LS」が改良され、新型の発売がスタートした。現行モデルは2017年10月に日本での発売が開始された5代目モデルとなる。今回の改良は2018年8月、2019年10月に次いで3度目となり、これまででもっとも広範囲にわたる内容となっている。
エクステリアでいえば、フロントバンパーとヘッドライトを変更。ライトは厚みを増し、オーバーハングが短く見えるようになり、スピンドルグリルをより強調するデザインとなった。
また、グリルとホイール、リアコンビネーションランプの表面処理も変更され、落ち着きと風格を増した色あいになっている。さらに、金属質感を追求する新色「銀影ラスター」が追加されている。
インテリア変更の目玉は、新規採用された12.3インチの大型のタッチワイドディスプレイだ。モダンで使いやすさと視認性が向上している。
シートには新たに開発された低反発ウレタンを採用。シートの縫い目も変更され、よりソフトな感触になっている。また、ドアの内張などのオーナメントにプラチナ箔&西陣を採用。月あかりに照らされた波の揺らぎによる「月の道」を表現しているという。
走りの面でも、幅広い改良が実施されているという。
目指したものは上質な乗り心地と、余裕ある加速感だ。乗り心地の向上のために実施されたのは「タイヤの縦バネを低減した新開発ランフラットタイヤの採用」「減衰力可変ダンパーAVSの最適化」「スタビライザーのバネ定数の最適化」「シートの振動吸収性をアップ」「サスペンションのバンプストッパーの剛性の最適化」「パワートレーンの振動を抑制する新開発マウントの採用」「フロントサスペンションアームをアルミ化してバネ下重量低減」といったものだ。余裕ある加速のために実施されたのは「エンジンとATの制御の見直し」「電動駆動ウエイストゲートバルブの採用」「クランクシャフトの剛性アップ」「コンロッドの軽量化」だ。
レクサス新型「LS500h」
さらに安全性と利便性を高める、先進運転支援システムの進化も改良のポイントとなる。主な進化点を挙げれば「プリクラッシュセーフティの対応領域の拡大(交差点右左折支援機能)」「ブレードスキャンアダプティブハイビームシステム(AHS)の採用」「より大型のデジタルインナーミラーの採用」「プラスサポート(障害物のないシーンでもペダル踏み間違いの加速を抑制する急アクセル時加速抑制)」などだ。
デザイン、走り、そして先進運転支援システムなど、広範囲に改良されていることがわかる。トヨタが持っている最新技術が惜しみなく投入されており、現在のトヨタの技術のトップランナーとでも呼べる内容だ。
■1989年に登場した初代「LS」は日本で「セルシオ」名で販売された
実際に、レクサスLSの歴史を振り返れば、常にトヨタの最高の技術が投入されていたことがわかる。
初代レクサスLSのデビューは1989年1月のデトロイトショーであった。
レクサス初代「LS(英国仕様)」
メルセデス・ベンツやBMW、アウディといった欧州メーカーが独占していた高級ブランドへの参入を目指し、トヨタが新たに立ち上げた「レクサス」ブランドのフラッグシップとしての登場であった。
その初代モデルは、同年9月にアメリカ市場で発売される。走行性能だけでなく、静粛性や細部の美しい仕上げなどが高く評価され、すぐにヒット作になる。また、日本では「セルシオ」の名でトヨタ・ブランドから10月に発売され、こちらの販売も好調に推移することになる。
初代モデルが搭載したエンジンは3968・のV型8気筒DOHC。最高出力は260馬力で、最大トルクは36kgm(353Nm)。燃費性能は7.1・/L(10モード燃費)。そして車両価格は455万円(A仕様。消費税抜)から620万円(C仕様Fパッケージ)であった。
ボディサイズは全長4995mm×全幅1820mm、全高1400mm。ホイールベースは2815mmだった。
ちなみに、誕生から30年以上を経た現在の新型LSは、3444・のV型6気筒ツインターボエンジンと、3456・のV型6気筒エンジンを使うハイブリッドのふたつのパワートレーンを有する。
ツインターボの最高出力は422馬力、最大トルクは600Nm、燃費性能は10.2・/L(WLTCモード)。ハイブリッドモデルは、システム最高出力359馬力、エンジンの最大トルクが356Nm、モーターの最大トルクが300Nm。そして燃費性能が13.6・/L(WLTCモード)となる。
ボディサイズは全長5235mm×全幅1900mm×全高1450-1460mm、ホイールベースは3125mmだ。
車両価格は1073万円から1728万円(消費税込)となっている。
※ ※ ※
約30年の進化を経て、「LS」は、対ターボモデルで約1.6倍にまで最高出力をアップさせ、それでいて燃費は対ハイブリッドで1.9倍に向上させている。
ボディサイズは全長が240mm、ホイールベースが310mmも長くなり、全幅が80mm、全高も50mmから60mm増えている。比較すると、ひと回り以上ボディサイズが大きくなっていることがわかる。
さらに価格に至っては、最高額グレード比で約2.8倍にまで高まっているのだ。
性能アップも凄いが、価格のアップもすごい。それが時代の流れであり、クルマの進化であったということだろう。
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