ノビテックがマクラーレン「620R」をチューニング!! 711馬力の実力とは?
くるまのニュース / 2020年12月1日 19時10分
スーパーカーのチューニングで定評あるノビテックが、マクラーレン「620R」を手掛けた。711psもアップさせたチューニングのテクニックを解説する。
■レーシングモデル「570S GT」のストリートバージョン「620R」をチューニング
フェラーリの少量生産車「イーコナ」シリーズのファーストモデルとなる「モンツァSP1」をベースに新作を生み出し、世界中のカーマニアを驚かせたノビテック。
そのノビテックが、今回はマクラーレン「620R」で自らのテクニックを披露してみせた。
そもそもマクラーレン620Rは、2017年にデビューしたレースモデルの「570S GT」をベースとして、オンロード走行を可能にした極めて魅力的なモデルである。
2019年の発表時には、マクラーレン・オートモーティブ社のCEOであるマイク・フルーウィットは、このサーキットとオンロードのいずれにおいても同じ性能を楽しむことができるモデルの誕生に最大限の賛辞の言葉を贈っていた。
実際の620Rのデリバリーは2020年からスタートし、225台限定ということもあって、スポーツカー・ファンの間では大きな話題となり、また夢の1台となった。
シングルピースのカーボンモノコック「モノセルII」を採用したことで、車重はわずか1282kgに抑えられた。その一方で、吸気制限などのレースレギュレーションによって570psにまで制限されていたリアミッドに搭載される3.8リッターV型8気筒ツインターボエンジンは、さらにECUとターボチャージャーを改良することで620psの最高出力を得ることに成功した。トランスミッションはSSG(シームレス・シフト・ギアボックス)と呼ばれる7速DCTが搭載されている。
■見た目控えめ、中身が凄いノビテックの620Rとは
マクラーレン620Rをベースに、ノビテックがまずモディファイの手を施したのはエクステリアの造形だった。もちろんそれはオプティカルな遊びではなく、エアロダイナミクスをさらに向上させるための策である。
オリジナルのよさを活かしたモディファイは、ノビテックが得意としているところだ
もっとも特徴的なのは、ルーフ上に備わるエアインテークとその後方に位置する左右一対のエアインテークからなるルーフまわりのフィニッシュで、これによってリアのエンジンルームにはより新鮮なエアが導入される仕組みだ。
ボディパネルはすべて軽量なCFRP製となる。
フロントまわりでの変化は少ないが、左右のカナードはやや大型化され、フェンダー上にはエアアウトレットも設けられた。このフェンダー内に収められるタイヤとホイールは、ノビテックと提携関係にあるアメリカのヴォーセン社によるものだ。
タイヤ&ホイールサイズは、フロントが245/30ZR20 & 8.5J×20、リアが315/30ZR21 & 11.5J×21という、オリジナルより各々1インチ大きなサイズ設定となる。ノビテックによれば、カラーは72色、またブラッシュドやポリッシュドの処理も選択できるという。
前後のサスペンションも、もちろんノビテックによるスペシャルだ。スプリングはよりハードな設定となり、車高は25mmローダウン。ノーマルで32段階にクリック調整が可能だったダンパーの再セッティングも可能だ。
リアミッドに搭載されるエンジンは、ツインターボのシステムとECU、そして軽量なインコネル製のエグゾーストシステム等々を一新することで、実に711psの最高出力と710Nmの最大トルクを発生。
ノーマル比で91psもの強化は、走りの性格をも大きく変えてしまうに違いない。ちなみにこのマシンの0ー100km/h加速は2.8秒(620R比、マイナス0.1秒)、最高速は328km/h(同、プラス6km/h)と発表されている。
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