3シリーズと決別! デカキドニー顔で登場したBMW新型「4シリーズ」の注目の走りとは?
くるまのニュース / 2020年11月30日 8時10分
2020年10月16日に発売された2代目となるBMW新型「4シリーズクーペ」。3シリーズとはデザインの異なるフロントフェイスの採用に注目が集まるが、それだけではなくボディサイズやトレッドも3シリーズとは変更されている。その走りはどうなのか。最上位グレード「M440i xDriveクーペ」に試乗した。
■賛否ある縦長キドニーグリルだが特徴があって良い
BMWから新型「4シリーズクーペ」が発売された。
これまでのBMWの歴史を振り返ると、「3シリーズセダン」のクーペ版(3シリーズクーペ)があり、それが先代から4シリーズとネーミングを変えた。つまり3シリーズセダンと4シリーズクーペは兄弟関係にあった。
しかし今回日本に上陸した新型4シリーズクーペは、3シリーズとは独立したモデルとして自立したように見える。
それはBMWモデルの大きな特徴である「キドニー」と呼ばれるフロントグリルが、4シリーズ独自の縦長デザインになったことが大きい。
これは、1930年代の「BMW328クーペ」や1970年代の「BMW 3.0CS」というBMWの歴史的なクーペのデザインに現代的な解釈をしたものだという。この形には賛否があるようだが、実際に見た筆者の印象は悪くはなかった。これくらいの特徴があったほうが、新しいモデルという印象が強くなって良いと思う。
余談だが、じつはこの縦長グリルは、日本ではまだ登場していない新型「M4クーペ」「M3セダン」にも採用されている。ただしハイパフォーマンスのMモデルのグリルは吸入空気量を増やすためか、グリル幅が広くなっているので、正確にはノーマルの4シリーズクーペとは別デザインである。
4シリーズクーペは、ボディサイズも3シリーズセダンとは違っている。カタログ上の寸法では、M440iクーペのボディサイズは全長4775mm×全幅1850mm×全高1395mmなのに対し、M340iセダンは全長4720mm×全幅1825mm×全高1445mmである。
クーペだから全高が低くなっているのはわかるが、全長は55mm長くなり、全幅も25mm広くなっている。
前後のトレッド(左右のタイヤ中心間の距離)も同様に広くなっているから、単にルックスとしてワイドに見えるようになっただけでなく、ハンドリング性能に大きな影響があるほどの寸法変化をしているのだ。ボディの違いだけでなく、セダンとは違うシャシの補強も施してあるというから、走りには相当こだわっていることがわかる。
■ハンドリングはまさに人馬一体の走り
4シリーズクーペの横からのシルエットは8シリーズクーペにそっくりだ。
ルーフはBピラーから後ろがどんどん低くなって、シュッとしたクーペイメージが強い。遠くから一瞬見ただけでは、ちょっと4シリーズか8シリーズかの区別が難しいほど似ていると思う。
インパネ。パドルシフトは標準装備。試乗車はBMWインディビデュアル アルミニウム・ハイグロスインテリアトリム(オプション:7万6000円)を装着
4シリーズクーペには新しくデジタルキーが使えるようになった。これは、iPhone8以降のスマホに伝送することで、ドアの開閉、エンジンスタートが可能になる。もしクルマのキーを忘れても、スマホさえ持っていればドアを開けて走らせることができるというわけだ。アウタードアハンドルにスマホの背を付けるとロック/アンロックができる。
ただしリモートコントロール(キー)ほど便利ではない。iDriveでの設定により、キーを持っている人がクルマに近寄れば自動的にドアがアンロックし、クルマから離れればロックするという機能があるが、これは使えない。キーがカバンの中に入っていても、車内にあればエンジンがかかるが、デジタルキーはセンターコンソールのワイヤレス充電の場所にスマホを置かないとエンジンがかからない。また通常キーやドアハンドルタッチでできる窓やサンルーフの開閉もできない。
もしデジタルキーが使えるクルマを何台も所有しているなら、それを全部スマホに取り込んでおけば、キーをたくさん持ち歩かなくてもスマホひとつでどの所有車も運転できるという技を使える。そのときにスマホ内のデジタルキーは探さなくても自動的に選んでくれるというのは便利だ。
※ ※ ※
さて、今回の試乗車はM440i xDrive Coupeである。
3リッター直列6気筒ターボエンジンは、最高出力387ps/5800rpm、最大トルク500Nm/1800-5000rpmを発揮する。
これで1740kgの車重のクルマを4WDで走らせるのは楽な仕事である。6500rpmからゼブラゾーン、7000rpmからレッドゾーンが始まるが、Dレンジでアクセル全開かマニュアルモードにして踏み込んでいけば、7000rpm手前まで気持ちの良いサウンドを奏でながら軽々と回る。
注目のハンドリング性能だが、これはまさに人馬一体の走りができる。
ハンドル応答性は切った角度に正確だから、コーナーに合わせてハンドルをゆっくり切っていくだけで綺麗にライントレースしていく。深く曲がり込んだコーナーでも、それに合わせて切り足すと、フロントが逃げることなくヨーが出て、期待どおりに曲がってくれる。このあたりがワイドトレッド化したメリットなのだろうか。
タイヤはブリヂストンのトランザT005RSC★(ランフラット)で、サイズは前225/40R19 98Y XL、後255/35R19 96Y XL、指定空気圧は前後2.7/2.7barでやや高めである。
そのぶん乗り味が少し硬く感じるが、ボディ、シャシの剛性が高いので振動が後に残らず、嫌な感じはしない。
4シリーズクーペはドライバーが自在にクルマを操れる感触を楽しめ、BMWの「駆けぬける歓び」を肌で感じられるモデルである。
BMW M440i xDrive Coupe
BMW新型「M440i xドライブ クーペ」
・車両価格:1025万円(消費税込)
・試乗車オプション込み価格:1058万6000円(消費税込)
・全長:4775mm
・全幅:1850mm
・全高:1395mm
・ホイールベース:2850mm
・車両重量:1740kg
・エンジン形式:直列6気筒DOHCターボ
・排気量:2997cc
・駆動方式:4WD
・変速機:8速AT
・最高出力:387ps/5800rpm
・最大トルク:500Nm/1800-5000rpm
・WLTCモード燃費:11.2km/L
・ブレーキ前/後:Vディスク/Vディスク
・タイヤサイズ:前225/40R19、後255/35R19
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
BMW、新型『M3セダン』『M3ツーリング』を発表 1430万円から
ORICON NEWS / 2024年9月11日 16時30分
-
新型「BMW M3」シリーズにセダンとツーリングの高性能マシン「M モデル」
マイナビニュース / 2024年9月11日 14時54分
-
日本未発売、ホンダ「シティ・ハッチバック」の実力 1980年代に一斉風靡したホットハッチ再来か?
東洋経済オンライン / 2024年8月30日 9時0分
-
グリルで差別化!? BMW『2シリーズ・グランクーペ』新型の“ほぼ確定”デザイン
レスポンス / 2024年8月28日 8時0分
-
日産オーラ ニスモ(AURA NISMO) tuned e-POWER 4WD試乗記・評価 絶賛! まるで後輪駆動のような楽しい走行性能
CORISM / 2024年8月22日 7時7分
ランキング
-
1「結局、水筒にスポーツドリンクを入れるのはNGなの?」「炭酸飲料は?」 水筒に入れていいもの/いけないものを企業が解説
Fav-Log by ITmedia / 2024年9月18日 18時48分
-
2サンガリアの飲料に「金属片」混入か…… 4商品24万本を自主回収 「心よりお詫び」
ねとらぼ / 2024年9月18日 18時58分
-
3コスパが良いと思うエアコンのメーカーランキング! 2位「ダイキン」、1位は?【家電のプロが解説】
オールアバウト / 2024年9月18日 20時35分
-
4急なゲリラ豪雨でも大丈夫!ダイソーアイテムでバッグのびしょ濡れ回避
女子SPA! / 2024年9月18日 15時45分
-
5"時代遅れ"の「ファミレス」とくに厳しい店の正体 ガスト等の安い店より、中価格帯のほうがキツい?
東洋経済オンライン / 2024年9月18日 10時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください