No.1軽「N-BOX」が下剋上!? 5年ぶり刷新のスズキ新型「ソリオ」との違いは?
くるまのニュース / 2020年11月30日 18時10分
スズキは新型小型トールワゴン「ソリオ/ソリオバンディット」を発表しました。小型トールワゴンと軽スーパーハイトワゴンは、広い室内や、後席両側スライドドアといった点で共通しますが、軽スーパーハイトワゴンを代表する車種「N-BOX」と新型「ソリオ」を比較すると、どんな違いがあるのでしょうか。
■新型「ソリオ」と「N-BOX」 室内高が高いのはどっち?
スズキは2020年11月25日に新型「ソリオ/ソリオバンディット」(以下、とくに記載の無い限りまとめて「ソリオ」表記)を発表しました。5年ぶりの全面刷新となります。
新型ソリオは登録車のなかの小型トールワゴンに分類されるクルマですが、ホンダ「N-BOX」に代表される軽スーパーハイトワゴンの車種とは、高い車高による広い室内や、後席両側スライドドアの採用といった点で共通します。
小型トールワゴンと軽スーパーハイトワゴンの価格帯も近づいてきていますが、フルモデルチェンジした新型ソリオと、軽スーパーハイトワゴンでもっとも売れているN-BOXを比較すると、どのような違いがあるのでしょうか。
登録車と軽自動車という、それぞれの特性も見つつ比べていきます。
外観の仕様は、新型ソリオとN-BOXともに標準仕様とカスタム仕様(「ソリオバンディット」と「N-BOXカスタム」)の2種類です。
どちらのモデルも、近年採用例が増えている2トーンカラーの設定がありますが、新型ソリオはカスタム仕様のみ設定があるのに対し、N-BOXは標準仕様とカスタム仕様の両方で設定があるのが違いとなります。
両車のボディサイズは、新型ソリオが全長3790mm×全幅1645mm×全高1745mm。N-BOXが全長3395mm×全幅1475mm×全高1790-1815mmです。
新型ソリオは今回のフルモデルチェンジで、全長が従来モデルから80mm(ソリオバンディットは70mm)延長されました。これにより荷室長が100mm拡大され、550mmから715mm(5名乗車時)を実現。
軽自動車規格のN-BOXが440mmから630mm(4名乗車時)であるのに対するアドバンテージとなっています。
一方、新型ソリオは全幅の拡大を+20mmに抑えて1645mmに設定。5ナンバーサイズいっぱいまで広げないことで、先代の特徴であった取り回しやすさもキープしています。
最小回転半径も先代と同様の4.8mを維持し、軽自動車であるN-BOXの4.5mから4.7mに迫る数値となっています。
対するN-BOXは、車高の高さを活かした高い室内高が特徴です。ホンダの独自技術であるセンタータンクレイアウトの恩恵もあり、空間効率に優れていて、室内高は1400mmを確保。
新型ソリオの室内高は、フルモデルチェンジで+5mmの1365mmを実現したものの、N-BOXを35mm下回ります。
■全車速追従ACCが装備された新型「ソリオ」
新型ソリオの前席はセンターウォークスルーが可能なセパレートシートを採用。
荒天時、車内への雨の吹込みを避けて乗り降りをしたいときは、スライドドアから運転席に乗り込めます。スライドドアを閉めている途中にドアロックの予約ができる予約ロック機能や、ワンアクションパワースライドドア(ともにタイプ別装備)も便利です。
一方、N-BOXはハンズフリースライドドア(ディーラーオプション)で手を使わずに足をかざすことでスライドドアを開閉できるようになっているほか、シートの仕様が「スーパースライド仕様」「ベンチシート仕様」「スロープ仕様」の3種類があるのが特徴です。
セパレートの前席を採用したスーパースライド仕様は、57cmのロングスライドが可能な助手席を採用。これにより、右側後席スライドドアから車内に乗り込むという動作がしやすくなっているほか、助手席から後席の子どもの世話をするのにも便利です。
ウォークスルー機能が必要なければ、ゆったり座れるベンチシート仕様もおすすめ。スロープ仕様は、荷室部分にスロープをつけることができるので、車いす利用者の乗車や、趣味の道具の積載にも便利です。
新型「ソリオ」のマイルドハイブリッドシステム
エンジンは、新型ソリオが1.2リッターの自然吸気(最高出力91馬力)で、N-BOXは660ccの自然吸気(最高出力58馬力)とターボ(最高出力64馬力)の2種類です。新型ソリオはエントリーグレードを除いた全車がマイルドハイブリッド仕様となっています。
WLTCモード燃費は、新型ソリオが17.8km/Lから19.6km/Lで、N-BOXが19.0km/Lから21.8km/Lです。
近年注目される予防安全装備について、新型ソリオはフルモデルチェンジでアダプティブクルーズコントロール(ACC)に全車速追従機能が追加されました。
この機能は2020年11月時点でN-BOXには装備されていない機能で(N-BOXのACCは約30km/h以上で作動)、長距離運転でドライバーにかかるストレスを軽減します。
また、新型ソリオはヘッドアップディスプレイが採用されたこともポイントです。
一方、N-BOXは衝突被害軽減ブレーキの検知対象に自転車も含まれている点が、新型ソリオに対するアドバンテージといえます。
しかし、両車ともに予防安全装備の搭載には力を入れていて、誤発進抑制機能や標識認識機能など、さまざまな装備を搭載。スズキは「スズキセーフティサポート」、ホンダは「ホンダセンシング」として総称しています。
※ ※ ※
新型ソリオの価格(消費税込、以下同様)は158万1800円から214万8300円です。一方、N-BOXの価格は141万1300円から212万9600円に設定されています。
N-BOXは2020年12月24日にマイナーチェンジモデルの発表を控えており、商品力の向上が見込まれています。小型トールワゴンと軽スーパーハイトワゴンの両方を検討しているユーザーにとって、両車は悩ましい選択となるかもしれません。
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