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ボルボ「V90」で約500kmの長距離ドライブ 改めて感じたステーションワゴンの魅力

くるまのニュース / 2020年11月30日 11時50分

SUVブームのいまもなお、根強い人気を誇るのがステーションワゴンだ。セダンと変わらないアイポイントや車高、SUVにも負けない荷室の広さと、その良いトコ取りの魅力で、ワゴン復権の兆しも見える。今回はボルボのフラッグシップワゴン「V90」で東京から金沢まで約500kmのロングツーリングをおこない、その魅力について考えてみた。

■今回のV90改良で復活した「Rデザイン」

 SUVブームのかたわらで、ステーションワゴンも根強い人気を保っているのには、“理由”がある。そして、いまやワゴンを手がけるブランドがめっきり少なくなったなかでも、とりわけボルボはワゴンのイメージが強いのにもまた、“理由”がある。

 そのフラッグシップの「V90」が新しくなり、より魅力的に進化したことを、金沢まで走り実感してきたのでお伝えしたい。

 登場から3年目となるV90の改良のポイントは、フェイスリフトとともに、マイルドハイブリッドやパイロットアシストなどを搭載したこと。さらに、しばし中断していた「R-design(Rデザイン)」が復活したのも新しい。

 その他、新色のプラチナムグレーのボディカラーや、バーチライトのトリムも新鮮味がある。また、これまでRデザインはブラックの内装色のみだったところ、明るいブロンドが設定されたのも新しい。細かいところでは、流れるウインカーの採用、B&Wへのジャズモードの追加、Qiの設定などが挙げられる。

※ ※ ※

 さて、東京から金沢に行くにはいくつかのルートがあるのだが、我々は中央道から長野道に入り松本ICまで走り、そこから国道158号線を西へ走って、岐阜の安房トンネルを目指すことに。そして、トンネルを過ぎた先の平湯から日本海側に抜ける手もあるが、海側は天候が芳しくない様子だったので、さらにぐるっと中部縦貫自動車道で西に向かい、途中で観光名所に立ち寄りつつ、東海北陸道で北上して金沢に向かうことにした。

 まずは、ボルボ・カー・ジャパンの拠点のある芝公園ICから、首都高速に入る。

 走り始めてすぐ、なめらかになっていることを感じ、市街地や交通量の多い首都高速でもリニアな加速で走りやすいことがわかった。

 B6パワートレインは、そこが真骨頂だ。基本的に内燃機関というのは、ある程度は回さないと力が出てこない。ターボチャージャー付きならなおのことだが、そこを電動スーパーチャージャーが上手く補っていて、アクセルワークに対して、レスポンスよく加速してくれるからだ。

 一方で、流れに乗って巡航していると、いつ気筒休止したのかわからないほどスムーズであることにも感心する。

ボルボ「V90 B6 AWD Rデザイン」は長距離を走っても疲れ知らずだったボルボ「V90 B6 AWD Rデザイン」は長距離を走っても疲れ知らずだった

 巡航状態から少しだけアクセルを踏み増したときに、小さなアクセル開度でもそのとおり応えてくれるのは、おそらくモーターを得た恩恵に違いない。そして、追い越しや再加速など強めに加速したいときにも、ふたつの過給機が適宜ブーストをかけて力強くひっぱってくれるのも頼もしい。

 先進運転支援システムも、ACCの操作が極めてシンプルで、一発で設定できるのも便利だ。加減速の制御も自然な感覚に味付けされていて、不安な思いをすることもない。

 パイロットアシストを使えば、車線の逸脱を抑え、車線の中央を維持して走ってくれるので、長い距離を走っても疲れ知らずだ。そして、いざというときには全力で乗員を守ってくれる機能が充実しているのも、安全にこだわるボルボならではである。

 右側の眼下に諏訪湖を眺めてほどなく、岡谷JCTで長野道の松本方面へ。

 すでに標高の高いところの木々は赤く染まっていて、天候にも恵まれ、クルマも快適そのもので、本当に気持ちよく走れる。「インスクリプション」グレードのエアサス+電制ダンパーとは異なるRデザイン専用の足まわりは適度に引き締まっていて、路面ギャップによる振動が一発で収束するところも好印象だ。

■重心の低いワゴンだからこそ可能な走りの切れ味

 松本ICから国道158号線を西へ。だんだんと人里から離れるにつれて、水墨画のような幻想的な風景となるあたりは曲がりくねった道が続く。

 そこでもアクセルレスポンスに優れるB6パワートレインと操縦安定性が高く、キビキビと走れるRデザインの足まわりの組み合わせの相性はバツグンだ。そして重心の低いワゴンだからこそ可能となる走りの切れ味の良さを楽しませてくれる。

 安房峠の手前では、積もるほどではないが雪がちらちら舞っていた。見上げると山の上のほうはすでにだいぶ白くなっている。悠久のときを刻んできた山々のおりなす景色は幻想的だ。

「飛騨の小京都」と呼ばれる岐阜県高山市。古い町並みが残っている「飛騨の小京都」と呼ばれる岐阜県高山市。古い町並みが残っている

 そして、安房峠道路を通過して岐阜県へ。将来的に中部縦貫自動車道として飛騨方面とつながるのだが、まだまだ全線開通までは時間がかかりそうで、同じくしばしワインディングを楽しんでから、高山の昔ながらの景色を残す町並みを散策しつつ、お昼は名物の高山ラーメンを食す。

 さらに、東海北陸道を北上し、岐阜の白川郷と並んで合掌造りで知られる富山の西南端に位置する五箇山の集落を見学した。

 このあと、せっかくの機会なので、運転を交替して後席に乗ってみたところ、車内は広々としていて、乗り心地も良好であることを確認。重心が低いおかげで横揺れも少ない。

 インテリアの質感も高く、大面積のガラスルーフのおかげで景色を満喫できるのもありがたい。ドライバーは疲れ知らずで運転を楽しめ、家族はより快適に移動することのできるクルマである。

 金沢に着いたころにはあたりはすっかり暗くなっていたが、新しくできて間もないホテルのエントランスの照明の下であらためて目にしたV90の美しい姿に、あらためてホレボレ。

 ボルボらしいアイデンティティも備えたエレガントなシルエットは、車高の低いステーションワゴンだからこそ、より伸びやかさや際立って見える。本当にスタイリッシュだと思う。

ボルボ「V90 B6 AWD Rデザイン」の走り。取材時は11月上旬で秋真っ盛りだったボルボ「V90 B6 AWD Rデザイン」の走り。取材時は11月上旬で秋真っ盛りだった

 さらには、ボルボらしく見た目まで上質に仕立てられた広いラゲッジスペースは、任意で簡単に出せるパーテーションやゲートの開閉に連動するトノカバーなどの装備が付いているのも重宝する。

 クルマが良いと、旅はより充足感のあるものとなるのはいうまでもない。

VOLVO V90 B6 AWD R-Design

ロングドライブの目的地となった金沢駅前にある「ハイアットセントリック金沢」の車寄せで撮影ロングドライブの目的地となった金沢駅前にある「ハイアットセントリック金沢」の車寄せで撮影

・車両価格:884万円(消費税込)
・全長:4945mm
・全幅:1880mm
・全高:1475mm
・ホイールベース:2940mm
・車両重量:1780kg
・エンジン形式:直列4気筒DOHCターボ+スーパーチャージャー
・排気量:1969cc
・駆動方式:4WD
・変速機:8速AT
・最高出力:250ps/5400-5700rpm
・最大トルク:350Nm/1800-4800rpm
・モーター最高出力:8kW/3000rpm
・モーター最大トルク:40Nm/2250rpm
・WLTCモード燃費:11.2km/L
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤサイズ:245/45R18

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