バブリーな三菱「GTO」がいま新しい! 後期型が240万円で落札!!
くるまのニュース / 2020年12月2日 8時10分
バブル時代に三菱から登場した「GTO」は、当時はリトラクタブルヘッドライトを採用し大きなボディサイズもあって、公道での存在感は抜群だった。このバブルの申し子のようなGTOの現在の評価を、英国最新オークションで探ってみよう。
■北米市場向けに開発された三菱「GTO」
いまとなっては、「GTO」と聞くと、鬼塚先生がいろんな無茶をしながら生徒と一緒に成長をしていく、「グレートティーチャー鬼塚」を思い出す人の方が多いかもしれない。
しかし国産車で「GTO」といえば、三菱「GTO」が、まず最初に思い出されるだろう。
●1999 三菱「3000GT」
GTOは、3リッターV6ツインターボの6G72型エンジンを搭載し、フロントに45%、リアに55%駆動力を配分する4WDシステムを採用。
全長4555mm、全幅1840mm、全高1285mmというサイズからもわかるように、低くて幅広いそのボディは空力面に優れていて、大きさによる扱いにくさは4WSシステムの採用でカバー。
そして1700kgを超える重量は、大排気量ターボによるトルクでカバーするという、削って強くしていくのではなく、足して強くしていくという、日本車というよりはアメリカ車のようなテイストを持ったスポーツカーだった。
それもそのはずGTOは、当時三菱が提携していたクライスラーに「ダッジ・ステルス」としてOEM供給することが決まっていて、北米市場での販売も考えられていた。そのためにGTOは、サイズも含めたアメリカ的なスポーツカーになったといっていい。
当然、このGTOも北米および世界で販売されていたが、そのときのネーミングは三菱「3000GT」となっていた。駆動方式は4WDだけではなく、販売価格が安いFFも用意され、エンジンはツインターボのほかにNAもラインナップしていた。
当時の日本での新車価格は、NAエンジンの4WDであるZ15A型が366万9000円、ターボ4WDであるZ16A型は438万4000円。マイナーチェンジを続けていった最終型では、NAの4WDが329万8000円、ターボ4WDは475万5000円、ターボ4WDの軽量モデルであるMRは437万7000円となっている。
■後期型「GTO」の落札価格は?
1990年の発売から、2001年の生産終了まで、毎年のようにおこなわれたマイナーチェンジでは、ホイールの16→17インチ化や、ブレーキの大径化、リトラクタブルヘッドライトから固定式プロジェクターランプへの変更など、さまざまな改良がなされている。
●1999 三菱「3000GT」
リトラクタブルヘッドライトから固定式へとビッグマイナーチェンジがおこなわれたが、「GTO」は一代限りで生産を終了している(C)SILVERSTONE AUCTIONS
大別すると、初期型が1990年から1993年までとなる。1993年8月のビッグマイナーチェンジした後を中期型と呼ぶ。マニュアルトランスミッションが、それまでのゲトラグ社製5速から同じゲトラグ社製の6速になり、ヘッドライトが固定式となった。1994年には軽量モデルMRを追加。同時にこのとき、オプションとしてAPロッキード製対向ピストン6ポットキャリパーが用意されている。
さらに1996年8月のマイナーチェンジで後期型となり、速度感応式のアクティブエアロが廃止されている。1998年にはフロントウインカーをコンビランプとし、リアスポイラーを大型化した最終型が発売された。
今回シルバーストーンオークションに登場した三菱3000GTは、1999年式。つまり最終型だ。
搭載されているエンジンは6G72型ターボで、4WDかつ4WSが装備されたもの。現在の走行距離は3万5298マイル(約5万6500km)で、2万2807マイル走行までの間は正規ディーラーで、それ以降は独立ガレージで整備を受けていた履歴が残っている。
クルマは完全にオリジナル状態だ。シートなどは年式なりの経年劣化はあるが大きな損傷はなく、ボディも美しさが保たれている。
さらにその整備記録簿以外にも、オーナーズマニュアルなどが付属しており、スペアキーも失われてはいない。そのことから、コレクションとしての購入もオススメできるとバイヤーも評価をしている。
気になるこのGTOの落札価格は、1万6875ポンド(約235万円)だった。日本での中古車市場価格は、同程度のもので探すと、およそ250万円から400万円くらい。すでに流通台数が少なくなっているクルマだけに、今後はさらなる値上がりも考えられるということを加味すれば、この落札価格は妥当、といえるものだろう。
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