雪国支持率高し! ターボ車追加で話題のスバル「フォレスター」の魅力とは
くるまのニュース / 2020年12月14日 14時10分
北米では年間18万台を販売して、スバル飛躍の立役者となった「フォレスター」は、国内でも年間3万台を販売する人気モデルのひとつです。オーナーはどこが気に入り、どこがイマイチと思っているのでしょうか。
■水平対向エンジンやアイサイトなど、スバルのアイデンティティが満載
2019年、スバルは北米市場において初の販売台数70万台を突破しましたが、その大躍進の立役者となったのがSUVの「フォレスター」で、2019年には年間18万179台を販売するスバルの人気モデルとなっています。
そんなスバルを代表するフォレスターですが、オーナーはどのような部分を魅力に感じているのでしょうか。
フォレスターは、1997年に初代モデルが登場し、現行モデルは2018年に登場した5代目です。
水平対向4気筒エンジンとAWDを組み合わせたことによる走りの良さは、初代から続くフォレスターの伝統となっています。
日本自動車販売協会連合会が発表した普通車販売台数ランキングによると、2020年1月から6月にかけては、コロナ禍の影響を受けながらも、1万1358台を売り上げ、ランキング31位を記録。
プラットフォームは、「インプレッサ」から始まった新世代プラットフォーム「SUBARU GLOBAL PLATFORM」を、2018年登場の5代目から採用することにより、ホイールベースを延長する一方で、前後オーバーハングを切り詰めて居住空間の拡大と街中での取り回しの良さを両立しました。
いまやスバルの看板技術となった運転支援機能「アイサイト」も、現行モデルではバージョン3にアップデートされ、ステレオカメラを用いることで対車両では速度差50km/hまで衝突回避可能です。
また、高速道路などでアクセルやブレーキなど、運転の主要な操作を補助することで、高速道路などでの疲れやストレスを大幅に軽減する「ツーリングアシスト」は全グレード標準装備となっています。
フォレスターのボディサイズは、全長4625mm×全幅1815mm×全高1730mm。先代モデルよりもホイールベースが延長されたにも関わらず、最小回転半径は、0.1m大きくなった5.4mと、実質上の取り回しは変わらないといえます。
従来から使いやすさに定評があったインテリアは、質感もさらに向上し、前後にシートヒーターを備えるなど機能面を見ても充実。「X-BREAK」グレードには、専用の内装として黒をベースに、シートとドアにグレーを、加飾やステッチにはオレンジのカラーが採用されており、SUVらしいアクティブさをアピールしています。
搭載されるパワートレインは、2.5リッター自然吸気エンジンのガソリン車と、「e-BOXER」と名付けられた2リッター+モーターのハイブリッド車をラインナップしていましたが、2020年10月の一部改良により、2.5リッターガソリン車を廃止して、新たに1.8リッターターボのガソリン車を追加しました。
エンジンはすべて水平対向4気筒、いわゆる「SUBARU BOXER」を搭載。水平対向ならではのなめらかな回転感覚と低重心を実現しているのは、これまでのスバルモデル同様で、駆動方式はすべてAWDが採用されています。
WLTCモード燃費は、ターボ車が13.6km/L、ハイブリッド車が14.0km/Lとなり、かつては「水平対向エンジンは燃費が悪い」というイメージもありましたが、現行モデルではかなり向上されています。
細かなところまで配慮が行き届いているのもフォレスターの特徴です。
たとえばリアハッチの開口部分は1300mmと、フォレスターより大型のSUVと比較してもトップクラスの広さで、ゴルフバッグが横置きですっぽりと収まります。
また、サイドシルがドアパネルで覆われているので、乗り降りの際にパンツやスカートの裾が、車体についた泥などで汚れるのを防いでくれます。
グレードは、ハイブリッドモデルが「Touring」「X-BREAK」「Advance」の3種類、ターボエンジンモデルが「SPORT」の1種類となり、価格は291万5000円から328万9000円です。
■実際フォレスターに乗っている人はどこが良くてどこがダメ?
では、フォレスターに乗っているオーナーは、どのような評価をしているのでしょうか。
まずはエクステリアの評価を見てみると、「無骨だがSUVらしい」、「スタイリッシュさには欠けるが飽きが来ない」「視認性が良いなど機能を重視したデザイン」とおおむね高い評価となっています。
インテリアは、「高級感はさほどないが機能的」との意見があれば、「『インプレッサ』『XV』と変わらない」と、やや不満を感じているオーナーもいるようです。
スバルを乗り継いでいる人からは「安心感がある」と、高評価の意見が目立ちます。
とくに評価が高かったのは、全席に装備されているシートヒーターで、より高級なSUVであってもシートヒーターは前席のみというクルマが多いことを考えれば、雪国にユーザーの多いスバルらしい配慮といえるでしょう。
安心・安全を誇るスバル「フォレスター」の魅力はどこ?
乗り心地については、「腰痛持ちだが、腰が気にならなくなった」「安定していて快適」「硬さはあるが不快ではない」と、比較的評価の高い意見が多いようです。もともとの乗り心地の良さに加えて、アイサイトツーリングアシストにより、運転時の疲労の少なさもこの好評価に繋がっているようです。
不満点は細かいところに集中しており、「Bピラーの内側が樹脂のためシートベルトのバックルが当たって小傷がつきやすい」「小物入れが全体的に少なく。特にスマホを気軽に置けるスペースが欲しい」という指摘が見られました。
動力性能に関しては、新たに追加された1.8リッターボ車について「2000回転前後から強力なトルクを発生するので、街中でも力強さを実感」「高速域の追い越しもスムーズ」とかなり高評価の声が多いようです。
一方、2リッターハイブリッド車については、「渋滞中に前の車について行く程度ならモーターのみで行けるが、スピードが少し上がるとすぐにエンジンがかかる」「もう少し高い速度までモーター走行してほしい」と、ハイブリッドという期待値からはややモーターの力が物足りない印象があるようです。
車高の高いSUVは重心も高く、コーナーリングなどでは一般的に不利とされていますが、フォレスターについては「カーブでも安心して入っていける」「素直な操縦性で直進性も高い」「接地感が高く段差もきれいにいなす」と好評のようです。重心の低い水平対向エンジンを搭載していることや新開発のプラットフォーム、長年のAWDに関するスバルのノウハウが活かされているようです。
※ ※ ※
フォレスターは、SUVらしい質実剛健なデザインとこれまで培ってきた水平対向エンジン+AWDの組み合わせで非常にスバルらしい魅力にあふれた1台です。
各社からSUVが出てきているなかで、走行性能や快適性、そしてアイサイトに代表される運転支援技術など魅力が詰まったモデルといえます。
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