なぜトヨタ「ランクル」販売急増? 登場から10年以上も人気が再燃する理由とは
くるまのニュース / 2020年12月15日 7時10分
本格クロスカントリーSUVとして長い歴史を持つトヨタ「ランドクルーザーシリーズ」の販売台数が2020年10月から11月で前月比153.6%と急激に伸びています。現行モデルの登場から10年以上経過しているにも関わらず、なぜ今になって販売台数が大きく変化する状況となったのでしょうか。
■ランドクルーザーシリーズ、2020年11月販売が先月比163%も急増! 何があった?
トヨタ「ランドクルーザーシリーズ」の販売台数が2020年10月から11月で前月比153.6%と急激に伸びています。
現行モデルの登場から10年以上経過しているにも関わらず、なぜ今になって販売台数が大きく変化する状況となったのでしょうか。
日本自動車販売協会連合会(自販連)が毎月公表している販売台数は、車名やプラットフォームが共通しているモデルを合算して表しているほか、販売された月ではなく、購入後に登録(ナンバー取得)した月の台数となります。
ランドクルーザーの場合、販売台数のなかには、「ランドクルーザー200系」(ランクル)や「ランドクルーザープラド150系」(プラド)が含まれています。
ランドクルーザーシリーズの2019年の年間販売台数は2万845台となり、トヨタによると直近の販売比率はランクル1割、プラド9割だといいます。
また、現行モデルの登場は、ランクルが2007年、プラドが2009年とモデルライフが長いことや価格帯が高いことから大きく販売を伸ばすモデルではありません。
今回、販売台数が急増した要因について、トヨタの販売店スタッフは次のように話します。
「プラドは、8月3日に一部改良するとともに、特別仕様車『TX“Lパッケージ・Black Edition”』を設定して発売しました。
今回の一部改良では、2.8リッターディーゼルエンジンのターボチャージャーを改良して、177馬力から204馬力にアップしているのと、安全面ではToyota Safety Senseの機能を向上させ、検知範囲を拡大しています。
使い勝手でも、スマホと連携出来る9インチのディスプレイオーディオをオプション設定するなど、さまざまな部分で大きく商品力を向上させたことがお客さまから大変好評を頂いています。
お客さまからは、走りと使い勝手の向上は分かりやすい部分なので、その良さに好評頂いています。
また、発売後も定期的に好調なことから、現状プラドの納期は3か月ほどと、新車並みといえます」
※ ※ ※
実際、ランドクルーザーシリーズの販売台数は、2020年8月までコロナ禍の影響もあり、月間平均約1500台でしたが、発売翌月となる9月、10月は平均約2500台と急増し、今回の11月には前述のとおり4025台と、納期3か月というコメントに当てはまる結果となりました。
フルモデルチェンジと違い、マイナーチェンジや一部改良は、「変わった感」や性能向上がわかりづらいこともあり、販売上位の人気モデル以外でその成果は現れにくい傾向にあります。
しかし、ランドクルーザーシリーズのなかで売れ筋のプラドは、ユーザーニーズを上手く捉えることが出来たようです。
■一部改良以外にも人気再燃の要因があった?
2020年8月の一部改良により、販売台数が増加しましたが、それ以外の要因はないのでしょうか。
最近のランドクルーザーシリーズについて、別のトヨタ販売店は次のよう話します。
「プラドは販売時から人気があり、ランクルシリーズの国内販売の大半を占めています。
ランクルはどちらかというと本格四駆という印象がありますが、駐車場などの関係でコンパクトで扱いやすいプラドを選ぶという人が多いです。
また、キャンプなど個人や家族でできるアウトドアレジャーの人気が高まっており、若年層を中心に販売台数が伸びています」
現行モデルとなる「ランドクルーザー(200系)」。2021年には次期型の300系が登場するといわれている。
2020年は新型コロナウィルスの影響もあり、密を避け都会から離れた場所で休日を過ごすといった傾向が見られ、アウトドア需要の高まりが多い年となっています。
2020年の流行語大賞には「ソロキャンプ」がノミネートされるほどキャンプ業界が盛り上がりました。
キャンプ場の関係者によると、2020年1月から11月までの昨年対比が+200%になったというデータもあります。
そうしたアウトドア需要の高まりや、アウトドアにも街乗りにも使いやすいという要因がプラドの販売台数を急増させた理由のひとつといえるでしょう。
プラドのパワートレインは2.7リッターの直列4気筒ガソリンエンジンモデルと、2.8リッターの直列4気筒ディーゼルターボエンジンモデルの2種類を設定。
また、プラドは本格クロスカントリーのテイストを持ちながらも、街乗りやレジャーにも適応させたモデルとなっています。
荷室はバックウィンドウが隠れないラインまで積んだとして5人乗車時で621リッター、2人乗車時は1151リッターとなっており、家族5人でキャンプに出かけても、十分に荷物を積むことが出来る荷室の大きさがあります。
さらに持ち前の悪路走破性でさまざまな道に対応していることからも、アウトドアに適したクルマとして人気が上昇していることが分かります。
ほかにも、アウトドアにも適したクルマが売り上げを伸ばしているようです。
日本自動車販売協会連合会の2020年11月の月間販売台数を見ると、三菱「デリカD:5」が前月比で109.6%、日産「エクストレイル」が前月比114%と、アウトドアと日常使いに両方適しているモデルが販売台数を伸ばしています。
また、ランドクルーザーシリーズなどSUVなどのカスタマイズを得意とする専門店スタッフは次のように話しています。
「最近は、SUV人気もあり、新古車問わずさまざまなモデルでカスタムの依頼を受けます。
なかには、新車購入後すぐに車高アップやオフロードパーツを装着する人が以前よりも増えている印象です。
とくにプラドは、オフロードテイストと快適性のバランスが良く、再注目されているようです」
※ ※ ※
今回、ランドクルーザーシリーズの販売台数が急増した要因には、直近の一部改良によりその商品力がユーザーニーズにマッチしたことや、近年のアウトドアブームといったふたつの要素が相まった結果ともいえるようです。
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