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コロナ禍で明暗!? ドイツ・プレミアムブランドのなかでBMWが苦戦する理由

くるまのニュース / 2021年1月1日 14時10分

2020年は新型コロナウイルス感染拡大による景気低迷で、輸入車ブランドは大きな打撃を受けた。12月4日に日本自動車輸入組合(JAIA)が発表した輸入車新規登録台数によると、外国メーカー車の1月から11月の累計は22万7500台と、前年同期比で15.5%の減少になっている。ドイツ・プレミアムスリーと呼ばれるメルセデス・ベンツ、BMW、アウディの3ブランドとも、前年同期比でマイナスとなっているが、なかでもBMWはマイナス25%と苦しい状況だ。BMWが苦戦している理由はどこにあるのだろうか。

■2020年1月−11月のBMWは前年同期比マイナス25%の3万1584台

 コロナ禍で2020年の輸入車市場は、大きなダメージを受けた。

 しかし、ブランドによっては、前年同期と同じ、もしくはさらに大きく販売できたところもあり、一方で大きく数字を落としたところも多い。2020年11月までに、前年比で100%以上を確保しているのは、ジープやポルシェ、シトロエンといった個性派ブランドであった。

 そして苦戦したのが、メルセデス・ベンツやフォルクスワーゲン、BMWといった、輸入車ブランドのベストセラーを争うトップ3だ。

 日本自動車輸入組合(JAIA)の速報によると、なかでもBMWは1月から11月の新規登録台数が前年比75%にとどまった。ただし、新規登録台数は3万1584台で、1位メルセデス・ベンツの5万784台、2位のフォルクスワーゲン3万3816台に次ぐ3位のポジションは守っている。

 しかし、前年と比べると75%しか売れていない。メルセデス・ベンツは前年比86.2%、アウディは91.5%となっている。残念ながら、前年比でいえば、ドイツ・プレミアムブランドのなかでBMWの成績がもっとも悪いのだ。

 では、なぜ、BMWの数字が悪かったのだろうか。

 その理由は明白だ。それは、ニューモデルが少なったからだ。

 前年となる2019年は日本にやってきたニューモデルが多かった。ニューモデルが多い2019年にたくさん売れて、少ない2020年は苦しかった。しかもこのコロナ禍である。そんな状況でも、よく75%も維持できたといえるほどなのだ。

 では、BMWは、2020年にどれだけの新型車を日本に投入したのであろうか。

 2020年の1月からいえば、1月に「M8グランクーペ」、3月に「X5M」と「X6M」、9月に改良新型「5シリーズ」と「M5」、10月に「4シリーズ」を投入している。M8グランクーペとX5MとX6M、M5は派生モデルであることを勘案すると、純粋なニューモデルは改良新型5シリーズと4シリーズの2つしかなかったことになる。

■2020年 メルセデスやアウディは多くのニューモデルが上陸した

 一方、2019年はどうかといえば、1月に「3シリーズ」、2月に「X5」、3月に「Z4」、6月に「X7」、8月に「1シリーズ」、10月に「X1」、10月に「8シリーズグランクーペ」と「2シリーズグランクーペ」、12月に「X6」を投入している。しかも基幹モデルである3シリーズをはじめ、1シリーズなど台数を多く望めるモデルも多数含まれているのだ。

BMW「3シリーズ」は2019年1月に日本に上陸。2020年上半期(1月から6月)の外国メーカー車モデル別新車登録台数は、5位の4039台だったBMW「3シリーズ」は2019年1月に日本に上陸。2020年上半期(1月から6月)の外国メーカー車モデル別新車登録台数は、5位の4039台だった

 もともとBMWにとって2020年は、コロナ禍がなくても、新車の少ない我慢の一年の予定であったのだ。そして、その埋め合わせは、1シリーズや2シリーズ、X2、X4などに、新たにディーゼルエンジンのモデルを追加している。

 ちなみに、MINIブランドでいえば、2020年は9月に「MINIクロスオーバー」を投入。MINIブランドは、もともとモデル数が少ないこともあり、2020年1月から11月の登録台数は1万7863台で前年比81.8%と、まずまずの成績となっている。

 また、メルセデス・ベンツは2020年に、「GLS」、「GLEクーペ」、「GLB」、「GLA」、改良新型「Eクラス」というニューモデルを投入。

 アウディは「Q3」、「Q3スポーツバック」、「RS3スポーツバック」、「RS3セダン」、「Q7」、「S6」、「S6アバント」、「S7スポーツバック、「S8」、「e-tronスポーツバック」、改良新型「A4」、「RS Q3」、「RS Q3スポーツバック」、「RS6アバント」、「RS7スポーツバック」、「RS Q8」という、驚くべき数のニューモデルを用意した。

 メルセデス・ベンツは前年比86.2%、アウディは同91.5%という数字は、そのまま新型車の多さに比例しているように見える。アウディの販売は前年比91.5%だが、もしもコロナ禍でなければ、もっと数字を伸ばしたことだろう。やはり新車の効果は大きいということだ。

※ ※ ※ 

 そんなBMWだが、来年の2021年は挽回の年となるのだろうか。

 しかし、じつのところ、BMWの2021年は、また我慢の年になりそうだ。なぜなら、やっぱり日本導入予定のニューモデルの数が少ないのだ。

 振り返ってみると、BMWのラインナップのほとんどが、過去2年くらいに新型車へ代替、もしくはマイナーチェンジを実施してしまっている。

 基本となる、1シリーズ、3シリーズ、5シリーズ、7シリーズは2019年と2020年に。SUVのXシリーズでいえば、2017年にフルモデルチェンジした「X3」が一番古く、ほかはすべて2018年以降に新型になっている。

 そのため、年明けに新型「M3セダン」と「M4クーペ」が登場するのと、年の後半に数種のEVモデルが登場するくらいではないかという程度だろう。そう考えると、2021年は2020年よりもニューモデルは少ないかもしれないのだ。

 BMWの苦戦は、残念ながら、もう少し続くかもしれない。

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