爆売れしたのはいつから? トヨタ「アルファード」の激変は2017年だった?
くるまのニュース / 2020年12月18日 14時10分
トヨタの高級ミニバン「アルファード」。なぜ不動の人気を誇るほどのモデルになったのでしょうか。
■トヨタの高級ミニバンとして、2002年に初代「アルファードG/V」が登場
トヨタ「アルファード」は、2020年に入ってから急激に販売台数を伸ばした人気のミニバンです。
現在では、高級ミニバンの代名詞といわれるほどになりましたが、初代モデルからどのような経緯を経ているのでしょうか。
現行アルファードは、2020年11月期の登録車販売台数ランキングで3位の1万109台(前年比175.9%)を記録し、いまや日本を代表するミニバンとなりました。
しかし、エントリーモデルの価格が約350万円からと決して、安いモデルではなく最上級モデルが約750万円もすることから、前述のように高級ミニバンといわれています。
そんな国産高級モデルながら売れているアルファードの初代モデルは、「ダイナミズム&ホスピタリティ」を開発のコンセプトとして、2002年5月に「アルファードG/V」として販売されました。
前身モデルとなる「グランビア/グランドハイエース」から駆動方式も含めて一新することにより、ミニバンクラスの中でも大衆から人気のあるフラッグシップミニバンとしての商品力を持ったモデルとして確立することに成功。発売翌年となる2003年の年間販売台数は8万3529台となっており、ランキング9位を記録しています。
ボディサイズは、全長4800mm×全幅1805mm×全高が1935mmと、ワイドなボディサイズともに、室内長3085mm×室内幅1585mm×室内高1390mmと、大人数乗れるだけではなく、車内の広さに関しても開放的な空間の確保を実現しました。
エクステリアは、ダイナミックで存在感のあるデザインとなっており、フロントからは力強さやたくましさが感じられます。
インテリアは、見た目の力強い存在感とは異なり、くつろげる広々とした室内空間となっており、高級ミニバンとして上質な質感でまとめられたデザインを実現。
パワートレインは、2代目「エスティマ」と同様の2AZ-FE型直列4気筒エンジン、1MZ-FE型V型6気筒エンジンを採用。このアルファードが、初代として販売された「アルファード10系」の登場となります。
初代アルファードが2002年から2008年5月まで販売され、その後2代目アルファード「20系」が登場します。
20系の発売と同時に、初代アルファードG/Vという名称のGがなくなり、アルファードとして、また、アルファードVは今現在も人気モデルのひとつでもあり、アルファードの兄弟車でもある「ヴェルファイア」として分けられました。
アルファード20系のボディサイズは、全長4850mm×全幅1830mm×全高1890mmと、フルモデルチェンジをしたことにより、10系と比較するとボディサイズが若干大きくなり、室内長3160mm×室内幅1585mm×室内高1400mmと、車内の広さも従来のアルファードよりサイズアップされ、車内空間の広さを実現しています。
20系から採用された「オットマン付きキャプテンシート」は、ミニバンでありながらも豪華さを損なわず乗り手に対しての快適性を向上。
また特別仕様車の「350G”L パッケージ”」「350S”Cパッケージ”」では、上級仕様の「エグゼクティブパワーシート」が搭載されており、高級志向のニーズにあった「プレミアムシートパッケージ」となっています。
アルファード20系は約6年半販売されました。
■現行30系で大幅進化!
2015年1月には、現在販売している「アルファード30系」が登場しました。
開発時のコンセプトは「新しい大空間高級サルーンの先駆者を創造」と、今までのファミリーカーとして大衆から親しまれつつ、高級志向のニーズにあったパッケージを兼ね備えていましたが、30系となってからはミニバンとしてのイメージだけではなく「高級車」というブランド力を持ったモデルとして販売されました。
ボディサイズは、全長4915mm×全幅1850mm×全高1935mmと、20系のモデルよりも一回り大きくなっており、室内長3210mm×室内幅1590mm×室内高1400mmというさらに広い室内空間を実現することで、高級感とスペースの確保を可能にしています。
初代アルファードが誕生してから現在の30系となり、他社のミニバンを圧倒するほどの販売台数を今現在まで維持し続けている理由として、2代目から3代目へと移り変わり、2017年に発表されたマイナーチェンジが影響しているといえます。
変更点は、フロントフェイスが縦方向に強調されたメッキグリルが採用されたことや、ヘッドライトデザインの変更とともに「シーケンシャルウィンカー」を採用したことで、高級感かつ先進性をまといました。
こういった細かい箇所が変更になったことにより、高級車の雰囲気を高めることに成功。
トヨタ「アルファード」(初代/2002年登場)。ここからアルファードの歴史は始まった
また、「Executive Lounge」の導入も成功した要因として挙げられます。
キャッチフレーズは「高級感と快適性が、より上質なおもてなしの空間を演出」となっており、運転席、1列目だけではなく、2列目シートを快適かつファーストクラスでくつろいでいるような感覚になれるようなトップグレードに搭載されるオプションとなっています。
シートにはフラクセンの「プレミアムナッパ本革表皮」が使用されており、カラーはブラウンオリーブ、アッシュパール木目調を設定することができ、全方位約99%UVカットガラスの採用。
モデルによっては運転席に搭載しているベンチレーションシートが採用されており、夏の暑い日でも快適な時間を過ごすことが可能となっています。
歴代のアルファードについて、トヨタの販売店スタッフは以下のように話します。
「初代のモデルと比べて、現行モデルは別のモデルといえるぐらい見た目や大きさ、ボディの骨格などすべて異なります。
初代モデルが発売された当時は安全装置が備わっているといったクルマが少なく、安全設備がすでに備わっている部分が、現行モデルと比べて大きく変わった点といえます。
また、現行モデルは初代のものと比べてより一層高級志向のイメージとなり、企業役員や社長など法人利用の機会が増えてきています」
※ ※ ※
アルファードは、初代から現在の30系にモデルチェンジをして、ファミリーにはもちろん、高級志向向けの人にも支持されるミニバンとして現在もトヨタの主力モデルとして活躍しています。
幅広い層にニーズが合った点が人気の理由のひとつといえるでしょう。
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