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まるでからくり屋敷? 実はすごい日本車の収納 「隠し箱」まで作るコダワリの訳とは

くるまのニュース / 2021年1月2日 16時10分

部屋を散らかさないコツとして、よく「ものの居場所(定位置)」を決めることが重要といわれます。それはクルマの中でも同様ですが、各メーカーがさまざまな収納を用意する理由とは、いったい何でしょうか。

■「ものの居場所」を決めれば車内は散らからない?

 部屋を散らかさないコツとして、よく「ものの居場所(定位置)」を決めることが重要といわれます。それは車内でも同じで、収納スペースが多いクルマはものが散乱するのを防ぐことができるので便利です。

 そんななか、日本で販売されるクルマを見ると収納スペースへの工夫が優れている印象がありますが、いったいどのような狙いがあるのでしょうか。

 クルマのなかで使う日常品をリストアップしていくと、私たちが意識する数以上に、多くのものが必要なことがわかります。

 車検証と自賠責証明書は法律で車載することが定められているほか、万が一高速道路上で停車する際に設置が義務付けられている三角表示板も車載する必要があります。

 前述の車検証と自賠責証明書はメンテナンスノートなどとあわせて容器に入れられることも多く、その場合グローブボックスの大半を占拠してしまうほどかさばるものです

 クルマのなかで快適に過ごすためには日用品も定位置を決めておきたいもの。車内で鼻をかみたくなったらティッシュペーパーが必要ですし、かみ終わったらティッシュを捨てるゴミ入れが必要です。

 新型コロナウイルスが猛威をふるうなか、車内に箱容器のマスクを置いたり、家から持ってきた手指の除菌スプレーを一時的に置こうとすれば、さらに場所が必要となります。

 こうしたときにあると助かるのが車内の収納、とくにインパネまわりの収納ですが、現在国内市場で4割を占めるほどの人気があるのは、ボディサイズに制約のある軽自動車です。

 室内空間の拡大にも限界があるなか、どのような工夫が凝らされているのでしょうか。

 ホンダは、2019年に日本で一番売れているクルマとなった軽自動車「N-BOX」の車内の収納について次のように説明します。

「N-BOXの内装においては、小物類をすっきり置ける収納を充実させ、『置きたいものがすぐに置ける』収納をテーマとしました。

 運転席まわりの収納としては、ボックスティッシュも収納できる『運転席アッパーボックス』をドライバーの目の前に配置しました。これは、ステアリングホイールの上からメーターを見る「アウトホイールメーター」の採用により実現した機能で、リッド(蓋)を閉じれば見た目がすっきりすることもメリットです。

 また、フロントドアポケットはミドルポケットとアッパーポケットのふたつを設けました」

 ほかにもベンチシート仕様にセンターロアボックスを配するなど、多彩で使いやすい収納を確保しています。

 こうしたN-BOXについて、ホンダの販売店スタッフはどう感じているのか聞いたところ、「N-BOXは、収納スペースを作れる場所があれば隅々に作っているクルマだと感じます。日本で1番売れているクルマということや、やはり日本車ということもあり気配りが効いたクルマだと思います」と話します。

 ほかにも、N-BOXと競合する「タント」を取り扱うダイハツの販売店スタッフに聞いたところ、「女性のお客さまに話を聞くと、隠せる収納を重視するとおっしゃる方も多くいらっしゃいます。そのため、インパネアッパーボックス(N-BOXの運転席アッパーボックスに相当)をはじめ、大型の収納も各種用意しております」

 収納については、N-BOXやタントのライバルとなるスズキ「スペーシア」や日産「ルークス」、三菱「eKクロススペース/eKスペース」でもこだわられているので、各車の違いを比較しても興味深いでしょう。

■そんなところに収納が! 「シークレットボックス」備える車種も

 軽自動車だけでなく、コンパクトカーやミニバンをはじめさまざまな車種で収納スペースが重要視されている日本車ですが、なかには珍しい収納装備を持つクルマも存在。3車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「プロボックス」

 トヨタの商用バン「プロボックス」は2002年に登場。2014年にはビッグマイナーチェンジがおこなわれ、2018年にはハイブリッド仕様が追加されるなど、進化が続いています。

 日々忙しく働く人の味方として開発されたプロボックスは、インパネまわりも機能的に設計されていますが、特徴的なのが標準装着される「マルチホルダー」です。

 メモ帳などをちょっと置くのに便利なほか、サイズを調整することでスマートフォン(スマホ)を固定できるスマホホルダーとしての機能も果たします。

 無接触充電機能とあわせてスマホを横置きできるトレイを用意するクルマはいくつかあるものの、スマホを立てて固定するホルダーを備えるクルマは珍しく、下から充電コードを垂らすこともできるという凝りようです。

 固定中はスマホの画面が隠れるように設計されるなど、安全面にも配慮されています。

●三菱「アイミーヴ」

 三菱が世界に先駆けて量産した電気自動車「アイミーヴ」は、2013年まで生産されたガソリン仕様の軽自動車「アイ」をベースに、エンジンと取り払い駆動用バッテリーとモーターを搭載。

 プジョーやシトロエンにもOEM供給された実績があるほか、2018年の一部改良で全長が拡大され登録車となりました。

三菱「アイ」の「グローブボックスアッパートレイ」の上部にある「インパネシークレットボックス」三菱「アイ」の「グローブボックスアッパートレイ」の上部にある「インパネシークレットボックス」

 そんなアイミーヴは、最新の軽自動車やコンパクトカーと比較するとインパネ周りの収納が比較的少なめですが、じつはガソリン仕様のアイの頃から継続される“秘密の収納”があります。

 それが、「グローブボックスアッパートレイ」の上部にある「インパネシークレットボックス」という収納です。

 ボックスティッシュが入るほどの大きさですが、特徴的なのはしまうものを下から上に入れ、ツメのついた蓋で下から抑えることで隠すという点です。

 蓋には穴が空いているので、ボックスティッシュを逆さにして収納すれば、ティッシュペーパーを取り出すことが可能。車検証など、頻繁に取り出す機会のないものの収納にも便利です。

●プジョー「リフター」/シトロエン「ベルランゴ」

 MPV(マルチパーパスビーグル)として、さらなる収納スペースをルーフに求めたのがプジョーの「リフター」とシトロエンの「ベルランゴ」で、2台は兄弟車の関係にあたります。

 特徴的なのが、ルーフを縦断する大型収納「マルチパノラミックルーフ」(リフター)/「モジュトップ」(ベルランゴ)です。

 ルーフ中央がバックライトで光り車内を優しい雰囲気で包むだけでなく、裏側には14リッター分の容量が確保され、小物をすっきり収納できます。

 ドライバーの手が届くサンバイザー上部には18リッター、リアシート側とテールゲート側の両方からアクセスできるボディ後部には60リッターの荷室容量があり、クルマのなかでものがかさばることはありません。

 同じフランス車として競合するルノー「カングー」にも天井収納があり、MPVとして「技あり」な収納といえるでしょう。

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