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フェラーリのV12スパイダー復活! 最高速340キロ以上の「812GTS」の乗り味とは?

くるまのニュース / 2020年12月22日 11時50分

フェラーリのプロダクトモデルのフラッグシップに、実に「365GTS4」以来となるオープンカーがラインナップされた。そこで、スーパーカー大王こと山崎元裕氏が「812GTS」をさっそく試乗したので、そのファーストコンタクトをレポートしよう。

■50年ぶりに復活した12気筒フェラーリのプロダクション・オープン

 限定車やワンオフモデルを除けば、意外なことにフェラーリの12気筒オープンは「812GTS」が久々のモデルとなる。

 その歴史をさかのぼっても、この812GTS以前に生産されたプロダクションモデルは「365GTS4」、通称デイトナ・スパイダーがあるのみで、このデイトナ・スパイダーもまた、カスタマー・サイドからの強い要望があってこそ実現した。1406台生産されたデイトナのなかで、わずか122台がオープン仕様とされた貴重なモデルだったのだ。

 812GTSのベースとなる「812スーパーファスト」が、2017年のデビューであったことを考えると、まだまだこの812GTSには長いライフスパンがあるのは確実で、812シリーズの最終モデル的な役割を果たすのではという見方は早すぎる。

 こちらも純粋にフェラーリの12気筒エンジンとオープンエアのコンビネーションを楽しみたいというカスタマーの希望が強かったと見るべきだろう。

 812GTSのスタイルは、ウエストラインから下のパートでは812GTSとほぼ共通。リアにはフラップを追加したディフューザーが新たに装備され、エアロダイアミクスのさらなる向上が計られている。

 ボディサイズは全長4693mm×全幅1971mm×全高1278でmm。市街地ではやや全幅方向の大きさが気になるものの、例によってフェラーリのフロントフェンダーには鮮明な峰が存在するので、ボディサイズに慣れるのは早い。左右後方の視界はさすがに限られてしまうが、アラーム機能を備えるドアミラーの恩恵で、高速道路上での車線変更などの負担が少ないのは嬉しい。

 エクステリア・デザインは、さすがにフェラーリを象徴する12気筒モデルだけに、その存在感は抜群だ。「550マラネロ」「575Mマラネロ」「599GTBフィオラノ(日本名599)」「F12ベルリネッタ」と、フロントエンジン12気筒をデザインし続ける過程で、フェラーリは時代の流行に即した、見た者の記憶に残るデザインを生み出すことに長けるようになった。

■世界最速級オープンスポーツの実力は?

 それではこの812TGTSはどうか。ベースはすでに解説しているとおり812スーパーファストだが、サイドをシャープに駆け上がるラインは、最初からオープン化を意識していたかのような造形ではないか。フロントフェンダーに始まる2本のラインがドアの後端からリアフェンダーを作りあげるのは大きな見どころといえる。

「F12」から基本的にキープコンセプトとなる「812GTS」のインテリアだが、各所のデザインがブラッシュアップされて、使い勝手が向上している「F12」から基本的にキープコンセプトとなる「812GTS」のインテリアだが、各所のデザインがブラッシュアップされて、使い勝手が向上している

 ルーフやトノカバー、ラゲッジコンパートメントは、もちろん812GTSの専用設計だ。オープン&クローズにはわずか14秒を必要とするのみで、45km/h以下の車速であれば開閉は可能だ。

 ルーフの開閉とともにリアウインドウも上下し、快適なキャビンを作り上げてくれるのも大きな魅力。二分割されて折り畳まれるRHT=リトラクタブル・ハードトップは、きれいにリアのコンパートメントに収まる。

 伝統のトンネルバック・スタイルが再現されるクーペ・スタイル、美しくラグジュアリーなオープンスタイル。このふたつのスタイルをともに味わえる魅力は、やはり大きいと見るべきだろう。

 搭載される6.5リッターのV型12気筒自然吸気エンジンは、最高出力が800ps、最大トルクは718Nmというスペックだ。一般道でこのエンジンのパフォーマンスをフルスロットルで楽しむチャンスはほとんどないだろうが、それでなくとも素性の良さはドライバーの身体に確実に伝わってくる。

 低速域から十分すぎるほどに発揮されるトルク、中速域に至るにつれて徐々に官能的な響きへと変わる12気筒エンジンのサウンド。組み合わされる7速DCTの制御も素晴らしく、シフト速度の速さやショックに、もはや不満を感じることなどない。

 ビークルダイナミクスの進化も著しい。実際にマネッティーノとの連携でその効果を試すには、サーキットを走るのがベストだが、とくにコーナリング時にタイヤのグリップが限界に近づいたことを警告するFPP(フェラーリ・ビークル・パフォーマンス)は、FPO(フェラーリ・パワー・オーバーステア)とともに、車体の姿勢を安定方向に導いてくれる高性能なデバイスだ。

 参考までに812GTSの運動性能は、0−100km/h加速が3秒以下、最高速は340km/h以上に達するという。まさに世界最速級のオープンスポーツ。半世紀ぶりに復活したプロダクション12気筒オープンは、その時間を感じさせるほどの進化を遂げた1台だったのだ。

●FERRARI 812 GTS
フェラーリ812GTS
・車両価格(消費税込):4523万円
・全長:4693mm
・全幅:1971mm
・全高:1278mm
・ホイールベース:2720mm
・車両重量:1645kg
・エンジン形式:V型12気筒DOHC
・排気量:6496cc
・エンジン配置:フロント縦置
・駆動方式:後駆動
・変速機:7速AT
・最高出力:800ps/8500rpm
・最大トルク:718Nm/8000rpm
・0-100km/h:3.0秒
・最高速度:340km/h
・公称燃費(WLTC):7.8km/L
・ラゲッジ容量:250L
・燃料タンク容量:92L
・ブレーキ:(前)Φ398mmベンチレーテッド・ディスク、(後)Φ360mmベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)275/35ZR20、(後)315/35ZR20
・ホイール:(前)10.0Jx20、(後)11.5Jx20

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