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1億円は当たり前!? ポルシェ「918スパイダー」並みのルーフ「CTR3」とは?

くるまのニュース / 2020年12月28日 8時10分

通称「イエローバード」でその名を知られているルーフが作ったオリジナルカー「CTR3」は、激レアモデルである。そのCTRは通常モデルとクラブスポーツとではどれくらいの価格に差があるのか、オークションでの落札価格から検証してみよう。

■ルーフは、チューナーではなくメーカーだ

 RUF(ルーフ)は、1982年にドイツで自動車製造者としての認可を受けた、小規模ではあるが独立した自動車メーカーだ。したがって彼らの生み出すモデルは、あくまでもルーフ車なのであり、いわゆるポルシェのチューニングカーとは一線を画する存在となる。

●2009 ルーフ「CTR3」

 そのルーフの名を一躍世界に轟かせる原動力となったのが、1987年に誕生した「CTR」である。ちなみにCTRとは「カレラ・ツインターボ・ルーフ」の意。

 そのプロトタイプとして製作された、通称「イエローバード」は、南イタリア・ナルドのテストコースにおいて、当時の世界最高速レコードとなる342km/hを達成。この衝撃的なニュースは一瞬にして世界を駆け巡ることになった。

 ルーフはこの世界最速車の栄光を最大のセールスツールに、それから30台のCTRを生産することになった。

 その製法は、まずポルシェから当時の930型「911」のホワイトボディの供給を受け、ここから独自のルーフ車を完成させていくという、きわめてマニアックなものであった。

 イエローバードで採用されていた、冷却用のNACAダクトなど、一部のディテールは生産型のCTRには採用されなかったが、リアバンパー上の放熱用スリットや、コンパクトなサイドミラーなど、機能性を追求した結果のディテールは、量産型CTRのエクステリアでの特徴だった。

 わずかな前傾スタイルは、フロントタイヤの接地荷重を増加させ、ハンドリングをより魅力的なものにするための策。これもまたルーフ流エンジニアリングの基本的な概念だ。

 ルーフはその後、1997年にはCTRシリーズの第2作となる「CTR2」を、993型911ベースで発表。さらに2007年にはシャシからの完全自社設計をおこなった、ミッドシップ・スーパースポーツの「CTR3」を誕生させた。

 そのCTR3が、今回RMサザビーズのロンドン・オークションと、オープン・ロード・オークションに続けて出品された。その生産台数は30台未満であり、非常に珍しい存在であるから、オークションの結果に大きな注目が集まったのは当然といえる、まずはロンドン・オークションでのリザルトから報告することにしよう。

■ルーフは1億円前後が相場!?

 ロンドン・オークションに出品されたCTR3は、2018年にRUFがジュネーブ・ショーに展示したモデルそのものだ。

●2018 ルーフ「CTR3クラブスポーツ」

CTRとは「カレラ・ツインターボ・ルーフ」を意味している(C)2020 Courtesy of RM Sotheby'sCTRとは「カレラ・ツインターボ・ルーフ」を意味している(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 カナダのマルチマティック社と共同で開発したプラットフォームに、ポルシェ製の3.8リッター水平対向6気筒にKKK製ツインターボを組み合わせて搭載。最高出力は標準のCTR3では682psを発揮するが、さらにこのクラブスポーツ仕様では777psにまで高められているという。

 ちなみにこのモデルを最後に、RUFはCTR3クラブスポーツの製作をおこなっておらず、その意味でも貴重な存在といえる。

 このエンジンに7速DCTのトランスミッションを組み合わせ、最高速は378km/hであった。

 気になる落札価格だが、「Sold After Auction」のみで、幾らであったかは不明だ。しかし、トータルで30台が生産されたのみのスーパースポーツ。参考までに今回オークションに出品されたCTR3クラブスポーツそのものが、2018年のモナコ・オークションにも出品された際の落札価格は、110万7500ユーロ(邦貨換算約1億4000万円)ほどであった。

 一方、オープン・ロード・オークションに出品されたモデルは、2008年に生産されたモデル。後のクラブスポーツとの大きな違いはエンジンのチューニングと、それに組み合わされるトランスミッションがクラブスポーツでは7速DCTであるのに対して、こちらはオーソドックスな6速MTであることだ。

 それまでのCTRシリーズは、あくまでも911をベースとしたエクステリアデザインを採用していたが、CTR3は完全にRUFのデザインによるもので、オープン化すれば「カレラGT」や「918スパイダー」にも近い、きわめて前衛的なスタイルが採用されているのが分かる。

 このCTR3の最初のカスタマーは、南カリフォルニアの著名なコレクターで、ストーングレーのカーペットやグレイアルカンタラトリム、さらにさまざまな装備でキャビンはグレードアップされている。走行距離が納車からわずかに2720kmというのも大きな魅力だ。

 当初エスティメートは80万−100万ドル(邦貨換算約8300万円−1億300万円)であったが流札。しばらく85万ドル(邦貨換算約8800万円)で継続販売されていたが、どうやら売買が成立したようである。

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