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果たして開発費は回収できた? 短命すぎた国産車5選

くるまのニュース / 2020年12月26日 6時10分

クルマの開発には多額の費用がかかるため、1台でも多く売りたいもの。それなのにあまり街で見かけないうちに、短期間で販売終了してしまったクルマがあります。そんな短命で終わってしまったクルマを5台紹介します。

■ワケあって短命だったクルマたち

 クルマのフルモデルチェンジの間隔は、以前は4年ほどというモデルが多かったことがありましたが、最近はそのスパンも伸びつつあります。

 クルマの開発には莫大な費用がかかり、1台でも多くの車両を販売し、投資した資金を回収できるようにしたいというのがメーカーの本音です。

 最近ではレクサス「IS」やホンダ「オデッセイ」、三菱「デリカD:5」などのように、ビックマイナーチェンジでフルモデルチェンジのような大幅リフレッシュを施し、さらに延命するようなモデルも増えてきて来ています。

 また、毎年のように改良をおこない熟成させ、常に鮮度を保ちながらクルマを販売し続けるパターンもあり、短命なクルマは減りつつあります。

 このようにモデルライフが長くなっているなか、ワケあって短命にせざるを得なかったモデルを5台ご紹介します。

●三菱「プラウディア/ディグニティ」2000年2月から2001年3月

三菱「ディグニティ」三菱「ディグニティ」

 2000年2月に発売が開始されたのが三菱の最高級セダン「プラウディア」とそのストレッチリムジン仕様の「ディグニティ」です。

 高級セダン「デボネア」の後継モデルとして登場したプラウディアは、4.5リッターV型8気筒DOHCエンジンと3.5リッターV型6気筒DOHCエンジンを搭載。

 トヨタ「セルシオ」などと競合するモデルとして期待されていましたが、“リコール隠し問題”の時期とも重なり、わずかな台数しか生産されず幕を閉じました。

 両モデルは三菱や関連会社の重役用として販売された事例が多く、一般のユーザーが購入した事例は極めて少なかったといわれています。

 その後、日産「フーガ」をベースにプラウディア、「シーマ」をベースにディグニティとした日産からのOEM車も登場しましたが、販売は芳しくなく終了しています。

●トヨタ「WiLL Vi」2000年1月から2001年12月

「WiLL Vi」は、トヨタ、花王、アサヒビール、松下電気産業(現:パナソニック)、近畿日本ツーリストの5社で開始された異業種合同プロジェクトの“WiLL”で20代から30代を中心とする「ニュージェネレーション層」をそのターゲットとして開発されたモデルです。

 第一弾で発売された4ドアセダンのWiLL Viのほか、2001年に発売された第二弾の5ドアハッチバックの「WiLL VS」、2002年に発売された第三弾のコンパクトカー「WiLLサイファ」の3車種が登場しました。

 WiLL Viは、ヴィッツのプラットフォームをベースにかぼちゃの馬車をモチーフにしたデザインが特徴で、リアウインドウが普通のセダンとは違う、クリフカットと呼ばれる逆傾斜になっていたスタイルが斬新で注目を浴びました。

 また、インテリアもベンチシートやコラムシフトが採用され、女性好みを追求し、オリジナリティのある空間となっていました。

 しかし、WiLLプロジェクトが失敗に終わり、各モデルのセールスも伸び悩み、短命に終わりました。

●アンフィニ「MS-9」1991年11月から1994年6月

 アンフィニ「MS-9」は、マツダの高級セダン「ルーチェ」の後継モデルとなる4ドアハードトップ「センティア」の兄弟モデルで、アンフィニブランドのフラッグシップモデルです。

 ベースとなったセンティアはルーチェに設定のあったロータリーエンジンをやめ、2.5リッターと3リッターのV型6気筒DOHCエンジンを搭載。

 4輪操舵の4WSやソーラーベンチレーションシステムなど先進機能を搭載したモデルでした。

 マツダは当時販売チャネルを拡大しており、アンフィニ「RX-7」をイメージリーダーとするアンフィニの販売店で販売するための高級車として、センティアをベースにアンフィニのエンブレムを装着するほか、オリジナルのフロントグリル、アルミホイール、オリジナルカラーなどを装着したMS-9を発売しました。

 アンフィニブランドにはほかにも、セダンの「クロノス」の5ドア版がベースの「MS-6」や4ドアハードトップの「MS-8」なども投入されました。

 しかし、マツダ色を消したブランド戦略は、バブル崩壊にともなうマツダの経営悪化により打ち切られ、MS-9もセンティアに統合されたため短命に終わりました。

■ガルウイングドアを採用したスズキの軽スポーツとは?

●スズキ「キャラ」1993年1月から1995年12月

 スズキ「キャラ」は、軽自動車では珍しいガルウイングドアとミッドシップレイアウトを採用した2シーターのスポーツカーです。

 マツダはスズキから軽自動車のOEM供給を受けていますが、キャラは反対にマツダが開発したオートザム「AZ-1」をスズキに供給したモデルとなります。

 なお、エンジンはスズキ製が採用されており、軽自動車規制いっぱいの64馬力を発揮する660cc直列3気筒DOHCターボエンジンを搭載。

 ミッドシップレイアウトも相まって、唯一無二の走りを楽しめるクルマでした。

 AZ-1との違いは、エンブレム類のほか、フォグランプが標準化されている点がありました。そのため、AZ-1よりもキャラのほうが多少販売価格が高く設定されていました。

 当時は軽スポーツカーとして、ホンダの「ビート」、スズキ「カプチーノ」などもあり、ベースの「AZ-1」と合わせて「ABCトリオ」と呼ばれ話題性はありましたが、バブル崩壊の後であったことに加え、価格が高めだった点、MT車のみのラインナップだった点もあり、販売が厳しく短命に終わりました。

●ホンダ2代目「ライフ」1997年4月~1998年10月

 ホンダ「ライフ」は、1971年に発売された「N360」シリーズの後継となる軽自動車ですが1974年に生産終了します。その後、2代目ライフが1997年にトールワゴンタイプの軽自動車として登場しました。

 2代目「トゥデイ」をベースとしたライフは、1993年に登場してまたたく間に人気となった軽トールワゴンのスズキ「ワゴンR」に対抗できるモデルとして投入されました。

 しかし、1998年10月に軽自動車の規格が改正され、それに伴い、1998年10月にボディサイズが全長3395mm・全幅1475mmに拡大された3代目が投入され、2代目は非常に短命に終わりました。

 発売を約2年間延期すれば良かったのでは、とも思えますが、2代目の売れ行きがあったから3代目も売れたのかもしれないと思うと、ライフを再登板させる試金石だったのかもしれません。

※ ※ ※

 開発資金回収のためには、メーカーは、1台でも多く生産し、販売したいはずです。しかし、事情によっては短期間で販売を断念せざるを得ない状況に陥ります。

 その要因としては単に不人気であったことだけでなく、販売チャネルの消失、規格変更、ブランドイメージの低下などその要因はさまざまです。

 とはいえ、売れなかったから悪いクルマというわけでもありません。中古車市場では希少性から高値が付くこともあるほか、不人気のまま割安で売られていることもあります。

 短命のクルマに注目して、クルマを選ぶのも面白いかもしれません。

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