ガソリンモデルとどう違う? 電気自動車のSUV「DS3クロスバックE-TENSE」に乗ってみた
くるまのニュース / 2020年12月31日 14時10分
2019年10月に世界初公開され、2020年7月に日本デビューを果たしたDSオートモビルの電動コンパクトSUVが「DS3クロスバックE-TENSE」だ。136ps(100kW)のモーターと50kWhのバッテリーを搭載したフルEV(BEV)だが、その走りはいったいどんなものなのだろうか。内燃機関(ICE)モデルのDS3クロスバックと比較してどうなのか。試乗した。
■DS3クロスバックのガソリンモデルとEVではどっちがお得!?
2020年7月に日本での販売を開始した「DS3クロスバックE-TENSE(イーテンス)」は、BセグメントのプレミアムSUVのなかで最初で、そして現在唯一の、100%電気で動くEVである。ピュアEVとかBEVなどと呼ばれることもある。エンジンは搭載していないから、走行中のCO2排出がゼロになる。
DS3クロスバックのガソリンモデルと見比べても、外観上の大きな違いは見当たらない。分かりやすいのは、ボンネット先端の中央にあるエンブレムが「E」のマークになっていることだろう。
フロントグリルは、サテンクロームDSウイングとアントラシートグレーグリルと呼ばれるE-TENSE専用デザインになり、排気用のテールパイプがないからリアスカートの装飾が変わっているくらいだ。DS3クロスバックは左側のリアフェンダーに給油口があり、この部分がE-TENSEはAC200Vと急速充電用の充電リッドに変わっているが、これはフタを開けてみなければわからない。
インテリアはテーマカラーがクリスタルパールということで、ドアの内張り、ダッシュボード、シートなどがパール色で輝いている。もちろんあちこちにダイヤ型デザインが散りばめられている。
DS3クロスバックのE-TENCE(EV)とICE(内燃機関)のパワートレインの違いによるコストの差をチェックしてみよう。これは試乗会でのプレゼンテーションの資料から抜粋した。
・車両価格(消費税込):EV 534万円/ICE 416万円
・エネルギーコスト:EV ○/ICE ×
・ローン金利:EV ○/ICE △
・保険&メンテナンス:EV ○/ICE △
・再販価格:EV △/ICE ○
・税金:EV ◎/ICE ×
・補助金:EV ◎/ICE ×
・トータルコスト:EV ○/ICE ○
ということで、E-TENSEのほうが100万円ほど車両価格自体は高いが、EV航続距離はWLTPモードで320km走ることができる満充電1回分は約1500円で済むなどガソリン代よりも安く走れ、保険/メンテナンス代もICEより割安であるが、再販価格はEVの流通量が少ないためにICEに劣る面もある。
しかし重量税免税、環境性能割ではEVが有利になり、国から最大40万円の補助金、それに加え各地方自治体の優遇があり、たとえば東京では30万円と税制優遇約10万円が補助金として出ることから、所有するときのトータルコストではEVとICEは同等という見方ができる。
DS3クロスバックE-TENSEのインテリア。ホワイトの室内が高級な雰囲気だ
パワーとトルクを比べてみると、ICEの130ps(96kW)/5500rpm、230Nm/1750rpmに対し、EVは136ps(100kW)/5500rpm、260Nm/300-3674rpmと、EVのほうが少しだけ最高出力と最大トルクともアップしている感じだ。ただし車両重量はICEの1280kgに対し、EVは1580kgと300kg重いから、EVはちょっと不利に感じる。
■DS3クロスバックE-TENSEはちょうどいいパワーの「シティEV」
しかし実際に走ってみると、重量増のハンディキャップはまったく感じることなく、スイスイと走ってくれる。
DS3クロスバックE-TENSE。街の風景にも似合うスタイリッシュなコンパクトSUVの電気自動車だ
もちろん、もっとパワフルなEVも多数存在するが、DS3クロスバックE-TENSEのようにちょうどいいパワーのシティEVも、これからはどんどん増えると思う。
ICEでは、アクセルペダルを床まで踏んでエンジン回転の上昇とともに加速していくが、そのときにエンジンサウンドやエキゾーストノートなど、耳に入ってくるノイズも大きくなる。
それがEVだと、いくら床までアクセルペダルを踏んでも、クィーンというインバータの音が遠くで聞こえてくるくらいでノイズが増加しないから、気楽にアクセルを踏めるのも気持ちよさの一因かもしれない。
このDS3クロスバックE-TENSEとプラットフォームとパワートレインを共通化しているのが、プジョー「e-208」だ。e-208はICEのプジョー「208」とともに、2020-2021日本カー・オブ・ザ・イヤーのインポート賞を受賞した
そのe-208と比べるとDS3クロスバックE-TENSEはひとまわり大きなボディになり、車重も80kgから90kg重くなっている。そのため、アクセルを踏んだときの軽快感はe-208の方があるのだが、じつは上級車の乗り心地が感じられるのがDS3クロスバックE-TENSEなのである。市街地走行でも低速域はやや硬めに感じられるDS3だが、スピードが上昇するにつれサ、スペンションの動きがスムーズになったような感じで乗り心地が良くなっていく。
E-TENSEには「スポーツ」、「ノーマル」、「エコ」の3つのドライブモードがある。その選び方でパワー/トルクが変わる。
・スポーツは加速重視モードでは100kW/260Nm
・ノーマルはバランスモードでは80kW/220Nm
・エコは航続距離重視モードでは60kW/180Nm
ということになっている。
またブレーキモードにはDモードとBモードのふたつの選択肢がある。
・DモードはICEのエンジンブレーキ相当
・Bモードはより積極的な回生ブレーキを使うことによりエネルギー効率を最大化
たしかにBモードで回生ブレーキを多用すればよりエネルギーを回収できるのだが、実際の走行ではコースティングとかセーリングと呼ばれるアクセルオフで惰性で走ったほうが、電力消費は少なくなりレンジも長くなるのではないかと思うのが筆者の見解だ。
フレンチラグジュアリーの「匠の技」を自動車産業に具体化するというコンセプトは、DSオートモビルズの一番小さな電気自動車DS3クロスバックE-TENSEでも共通だった。
DS3クロスバックE-TENSEのリアスタイル。EVのためマフラーはない
DS3 CROSSBACK E-TENSE Grand Chic
・車両価格(消費税込):534万円
・全長:4120mm
・全幅:1790mm
・全高:1550mm
・ホイールベース:2560mm
・車両重量:1580kg
・原動機:モーター(交流周期電動機)
・駆動方式:FF
・モーター最高出力:136ps/5500rpm
・モーター最大トルク:260Nm/300-3674rpm
・バッテリー容量:500kWh
・ブレーキ前/後:Vディスク/ディスク
・タイヤ前後:215/55R18
・1充電走行可能距離(WLTPモード):320km
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