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間もなく登場? 新型「フィットモデューロX」 超絶凄い「モデューロ」の魅力とは

くるまのニュース / 2020年12月25日 17時10分

数々のホンダ車をスポーティに仕立ててきた「モデューロ」ブランド。今回は、ノーマル車と2段階のカスタマイズが施された仕様でその進化を体感。さらには、発売が待ち遠しい「フィットモデューロX」にもちょい乗りしてみました。

■乗れば違いが分かる! 「モデューロ」の魅力とは

 ホンダの純正アクセサリーを企画・開発をおこなっているのがホンダアクセスです。
 
 他メーカーのそれと異なる点は「モデューロ」という独自のブランドを持っている点でしょう。
 
 モデューロは1994年にアルミホイールからスタート、現在はエアロパーツ、サスペンション、ブレーキなども発売しています。
 
 近年はそれだけにとどまらず、一台のクルマとしてトータルプロデュースしたコンプリートカー「モデューロX」をラインアップ。

 2013年に登場した「N-BOX」を皮切りに「N-ONE」、「ステップワゴン」、「フリード」、「S660」、「ヴェゼル」に設定、すでに累計1万4000台以上のモデルが世に出ています

 モデューロXの役目は「ホンダ車の魅力をさらに高めること」、「クルマ好きにとっての理想のノーマル」ですが、実はすべてのモデルに一貫したコンセプトが存在します。

 それは「運転に自信がある人だけでなくビギナーでも楽しめる走りであること」、「テストコースやサーキットを基本にせず、あくまでも一般道を重視していること」、「スポーツカーのみならず軽自動車やミニバンも同じ考え」です。

 それらを実現させるのは、四輪の接地性とストローク感、しなやかなで質感のある乗り味を備えた「サスペンションチューニング」、車両との剛性バランスまで考えた「アルミホイール」、そして実効空力理論に基づき、風洞実験と実走テストで煮詰められた「エアロパーツ」などのひと手間かけたこだわりのアイテムたちです。

 その秘密は飛び道具のような画期的な物ではなくセットアップにあります。

 今回はモデューロXの走りを実現するアイテムを実感するための試乗会に参加してきました。

 試乗ステージはサーキット(袖ヶ浦フォレストレースウェイ)ですが、自由気ままに走るのではなく、あえてドライバーにストレスを与えるためにパイロンで道幅を絞ったゾーン(約2.2m)や段差乗り越えのラバーブロックなどさまざまな仕掛けがプラスされています。

 試乗車はフリードですがノーマル/フロントバンパーのみノーマルのモデューロX(=サスペンション&ホイールのみの変更)/モデューロX(=フルコンプリート)と3台を乗り比べます。

 まずはノーマルです。普通に乗る限りは軽快で扱いやすいハンドリングと優しい乗り心地が備わっていますが、速度を上げていくにつれて希薄になるステアリングの手ごたえ、バネ上の無駄な動き、操作に対する応答に連続性のなさなど、「心地よさ」よりも「ドキドキ」のほうが上回ります。

 とくに道幅を絞ったゾーンでは探りながらの走行となり、無意識にステアリングを強く握ってしまうことも。

 続いて、フロントバンパーがノーマルのモデューロXに乗り換えます。

 ピットアウトして1コーナーを曲がるだけで違いは歴然です。ロール自体はノーマルとそれほど変わりませんが、ロール速度が抑えられているうえに動きに連続性があるので、道幅を絞ったゾーンでもスムーズに走ることができます。

 さらにノーマルと比べると舵角の少なさもポイントです。恐らくリアタイヤをより効果的に使って曲がっているのでしょう。

 結果としてタイヤを1ランク上の銘柄に交換したかのような安心感もプラスされています。

 乗り心地はノーマルよりも若干硬めですが、段差を乗り越えるときなどはアッサリストロークを使い切ってしまうノーマルに対してシッカリとショックを吸収しているのが解るので、結果として筆者(山本シンヤ)は快適に感じました。

 ただ、シッカリしたサスペンションに対して相対的にステアリングのレスポンスの甘さが目立つのと、フロントの接地感が薄いため結果的にアンダー気味なハンドリングバランスなのか初期応答性が思ったほど良くないこと、フラット感は高いが細かい振動が残るなど、気になる点もあります。

 そして最後はモデューロXです。まるでEPS制御を変更したかのような直進安定性と微小舵角でもスッと反応してくれる応答性、前後バランスが整えられたことでさらに一体感が増したハンドリング、足の動き始めがよりスムーズになった感じで細かい振動がスッと収まった乗り心地など、ノーマルバンパー仕様で気になっていた部分は、空気の力を味方にすることでほぼ解消。

 結果的にはダウンフォースは上がっていますが、それよりもクルマ全体のリフトバランスを整えたことで、ハンドリングの精度が高まっています。

 参考までに筆者が道幅を絞ったゾーンを安心して走れる速度を比べると、ノーマルに対してフロントバンパーがノーマルのモデューロXは+5km/h、モデューロXは+8km/hくらいの差がありましたが、これが結果としてドライバーの安心感に繋がります。

 このように、最小限の変更で最大限の効果を生むモデューロマジックは、ある意味“調味料”のような存在ですが、「シェフの最後の一振りで味は大きく変わる」というわけです。

■発売が待ち遠しい、「フィット・モデューロX」を味見してみた!

 今回はこれに加えて東京オートサロン2020に参考出品され、現在発売に向けて鋭意開発中の「フィットモデューロX コンセプト」の開発車両を味見させていただきました。

 開発陣に話を聞くと、「細かい部分を除けばほぼ量産仕様です」といいます。

 エクステリアはモデューロXの実効空力理論に基づいてデザインされた前後バンパーが最大の特徴です。

 フロントマスクはノーマルのホノボノ顔に精悍さをプラス。インテリアはノーマル最上級グレードの「LUXE」をベースに、モデューロX専用のブラック/ボルドーのコーディネイトを採用。

 シートは体を支えるために滑りにくい素材に変更されていますが、欲をいえば「ヴェゼルモデューロX」に装着されるオリジナルシートを水平展開してもよかったと思います。

 フットワークは専用チューニングのサスペンションと軽量かつ剛性バランスまでこだわったアルミホイールを採用とモデューロX定番の変更点です。

 タイヤはノーマルの上級グレードと同じく185/55R16の横浜ブルーアースAを履いています。

 現行フィットの走りは、従来の「解りやすさ」から「心地よさ」と官能性を重視したセットアップで、実際に乗ると「モデューロXに近づいたな」と感心するところもありましたが、やはり本家は一歩先をいっています。

「フリードモデューロX」を体感「フリードモデューロX」を体感

 ほかのモデルと同じく、「空気の力を味方にする」、「しなやかで接地性が高い」、「四輪で舵を切るような感覚」、「フラット感」というモデューロX共通の乗り味は不変です。

 しかし、いい意味で「心地よい硬さ」を持たせている部分や、限界を見てみたくなる懐の深さなどから感じる、「ワクワク」や「面白さ」がプラスされています。

 ちなみにフリード/ステップワゴンなどミニバン系のモデューロXは割とクールな仕立てですが、フィットはちょっと“熱血”が入っており、モデューロXのなかではS660に近いフィーリングに感じました。

 ノーマルよりも「心地よい」走りに。どんどんペースも上がり、モアパワーを感じてしまったくらいです。

 このように走りに関しては「ちょっとやんちゃな大人スポーツ」に仕上がっていますが、見た目から走りの良さが伝わりにくいのが気になるところです。

 現行フィットにはスポーティな「RS」が設定されていないので、ユーザーはモデューロXにそのイメージを重ねているはずです。

 その辺りを踏まえると、もう少し視覚的なスポーティな表現も必要だと感じました。

 もちろん、機能を無視して意匠にこだわる必要はありませんが、市販時にはより直感的に「モデューロXが欲しい!!」と感じさせるようなプラスαを期待したいところです。

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