ロゴマークは飛行機のプロペラ!? ドイツの高級車メーカー BMWの壮大な歴史とは
くるまのニュース / 2021年1月2日 18時10分
BMWの設立は1916年。もともと航空機エンジンメーカー「BFW」からスタートしたが、翌年1917年に社名がBMWとなり、いまに至っている。日本ではメルセデス・ベンツ、アウディとともにドイツ・プレミアムスリーとして、長年愛されているブランドだ。そんなBMWの歴史をまとめてみた。
■かつてはダイムラー・ベンツとの合併話もあったBMW
BMWの歴史は、1916年に航空機エンジンメーカーとして設立した「バイエリッシェ・フルークツォイク・ヴェルケ株式会社(BFW AG)」から始まる。
翌1917年に「バイエリッシェ・モトーレン・ヴェルケ株式会社(BMW AG)」に社名変更した。このBMW AGを直訳すると「バイエルン地方のエンジン工場株式会社」となる。BMWとはあくまでも略称で、ドイツの車検証を見ると、フルネームで会社名が書かれている。
いまにつながるBMWのロゴマークは、1917年に商標登録された。その時代によって、マークのなかのBMWの字体が変化したり、3D風になったりと小変更を受けている。2020年3月に変更された最新のロゴは、外側のドーナツ部分は透けて背景の色が見えるようになった。
ロゴマークのなかの十文字は、対角線上に青と白の色が配置されているが、バイエルンの青い空と白い雲に飛行機のプロペラが回っていると長く言い伝えられてきた。しかし2019年に、プロペラではないとBMWから正式に発表された。
バイエルンの紋章の中央に青と白のチェッカー模様があるが、これはバイエルン全体を象徴するもので、BMWのロゴマークもここから来ている。じつはバイエルン州旗から取ったという説もあるが、チェッカーの州旗が採用されたのは1953年だから、BMWのロゴマークのほうが古いのでそれは間違いだとわかる。
BMWのBの下がブルーで、Wの下がホワイト、真ん中がミドルと覚えると、青(Blue)と白(White)の場所もわかるだろう。
BMWは第2次世界対戦後の1959年、V8エンジンを搭載した大型高級車の販売台数が伸びず、経営不振に陥った。
このときダイムラー・ベンツとの合併計画が持ち上がったが、調印の直前に投資家のクヴァント家が「こんなに楽しいクルマをつくる会社は残さなくてはいけない」と合併の話はなくなった。それ以降、クヴァント家が50%を軽く超えるBMWの株を維持している。
つまらないクルマをつくると、BMWの社長以下ボードメンバーは大株主から首にされてしまうので、配当のために利益を確保することと同時に、乗って楽しいクルマをつくることに力を注いでいる。
社長も含めたボードメンバーは、世界でもっとも過酷なサーキットといわれるニュルブルクリンクのノルドシュライフェ(北コース)を正しく走れないと、プロダクトに口出ししてはいけないというルールがある。またクヴァント家はモノを言う株主としてBMWに永く君臨している。じつはクヴァント家の人たちもBMWに就職しているというが、名前を変えて働いているので社員にはわからないという。
1962年に登場したノイエクラッセ(新しいクラス)と呼ばれたBMW「1500」がヒットしたのがきっかけとなり、BMWは経営不振から復活した。
1929年のBMWポスター。こういったところからも「BMWロゴ=プロペラ」が都市伝説のように長い間ささやかれてきた
その後、ノイエクラッセは「5シリーズ」になり、それよりコンパクトな「3シリーズ」も生まれた。そして「1シリーズ」「6シリーズ」「7シリーズ」も登場してフルラインナップ化していった。
■1シリーズから8シリーズ、X1からX7まで揃ったBMWラインナップ
現在、基本のセダンは3、5、7という奇数シリーズで、偶数はクーペスタイルのモデルにネーミングされる。今では1、2、3、4、5、6、7、8と、順に揃っている。
2020年3月4日に公開された、新しいBMWコミュニケーションロゴ
「Z1」「Z3」「Z4」「Z8」など、アタマにZとネーミングされるモデルは、スペシャルティカーとして分類される。現在はZ4しかないが、それらはどれも2シーターである。
1999年に登場したのは「X5」である。いまではこのXシリーズは、「X1」「X2」「X3」「X4」「X5」「X6」「X7」まで揃っているが、これらは一般的にはSUVと呼ばれるモデル群である。
ただしSUVとは呼ばず、BMWらしく奇数はSAV(スポーツアクティビティビークル)、偶数は乗用車と同じクーペスタイルでSAC(スポーツアクティビティクーペ)という呼び方をしている。
BMWは基本的に後輪駆動(FR)を基本としているが、現行型の「1シリーズ」「2シリーズ」「X1」「X2」などは、横置きエンジンの前輪駆動(FF)がベースになっている。
BMWの後輪駆動は、前後の重量配分が50:50になるようにデザインされている。フロントアクスルを前方にレイアウトし、エンジンは車室に近いところに押し込み、重いバッテリーはトランク内に置くなど、重量配分を50:50にすることにコストをかけている。
これは走りの基本ポテンシャルを引き上げるためだ。グリップ力の特性を考えると、これが一番タイヤの性能を引き出せるからだ。4代目の3シリーズ(E46)以降、FRベースのBMWは、前後重量配分がほぼ50:50になっている。
BMW AGの100%子会社で「BMW M GmbH(有限会社)」では、BMWのスポーツモデルをプロデュースしている。
1972年に「BMWモータースポーツ社」として誕生したが、1993年8月1日にBMW M社に変わった。それはモータースポーツ部門を切り離して、Mモデルをプロデュースすること、インディビジュアルと呼ぶオーダーメイドに応えること、BMWドライビングエクスペリエンスを開催すること、防弾ガラスを備えた特殊車両などの製作を受け持つことになった。
BMW M社にはデザイナーもいてインテリア、エクステリアデザインをしたり、エンジン担当はMモデル専用エンジンを製作したり、本体のBMWではできないことを小規模な組織を生かして活動している。
1978年に登場したスーパーカー、BMW「M1」
スーパースポーツカー「M1」は1978年に誕生した。次のMモデルは、3シリーズ2ドアをブリスターフェンダーにして4気筒2.3リッターエンジンを搭載し、「M3」として1986年に登場した。
今では「M2」「M3」「M4」「M5」「M8」「X5M」「X6M」が揃い、「サーキットを走るマシンで一般道も走れる」をコンセプトとしてそのイメージは定着している。これらは「Mハイ・パフォーマンス・モデル」と呼ばれる。
通常のBMWとMモデルの中間に位置するスポーティカーとして「Mパフォーマンスモデル」も人気が高い。「M760Li」「X3M40d」など、各シリーズに用意されている。
BMWグループにはMINIやロールスロイスも含まれるが、BMWファミリーの一員としてアルピナも忘れてはならない。
BMW AGとは資本関係がない独立した「アルピナ・ブルカルト・ボーフェンジーペン社」で製作しているモデルは、基本骨格はBMW車を使っているが、アルピナ独自のサスペンション設定、アルピナ独自のエンジンセッティングをしている。
マイスターと呼ばれる技術者がひとりでエンジンをゼロから組み立てる。BMWとの技術提携はかなり深く、新しいモデルの開発当初からアルピナは一緒に開発を始めている。
アルピナはMモデルと似たようなエンジン性能だからライバルのように見えるが、あくまでもエレガントに乗り、快適に移動できることに主眼を置いてつくられている。
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