なぜ軽微な違反に厳しく危険な「あおり運転」は注意のみ? 警察対応にユーザー不満募る
くるまのニュース / 2020年12月30日 10時10分
2020年も全国各地で多発し話題にあがった「あおり運転」。年末恒例になっている警察密着のTV番組でも多く取り上げられました。しかし取り締まる側の警察に対してなぜか多くの視聴者が不満を募らせたといいます。
■警察密着番組で「あおり運転」取り上げて視聴者の不満が警察に?
年末恒例になっている警察密着のTV番組で、今年も何かと話題にあがった“あおり運転”を取り上げるケースが多かった。この手の番組、本来なら正月も治安を守っている警察の仕事を知ってもらいたいという目的なんだと思う。
しかし、あおり運転を取り上げた番組は、多くの視聴者が警察に対する不満を募らせることになったという。いったいナゼなのか?
たとえば、ある警察密着番組で大型ダンプが軽自動車を激しくあおる動画を紹介した。ホーンを鳴らしながら、誰でも「これは危険!」と感じるような速度&車間距離である。
この動画をきっかけに警察が動き出す。2ヶ月間に渡る捜査でダンプの所属企業とドライバーを特定。ガサ入れに入る。
当然ながら、「あおり運転」か「暴行罪」で検挙すると思いました。
けれど結末は「厳重注意」。筆者(国沢光宏)もこの番組を見ていたのですが、警察の対応にはかなり失望しました。2ヶ月も捜査してなぜ空振りなのでしょうか。
考えて頂きたい。普通のドライバーは一時停止でしっかり減速しても「タイヤがしっかり止まっていなかった」という些細なことで有無を言わさず反則キップを切られてしまう。子供だってどちらが悪いか判断出来ることでしょう。
これはまた別の事案。被害者の車両の前に突如割り込んできて道を塞ぎ、停車した軽自動車のドライバーが降りてくる、という動画を紹介。
被害者は車内からすぐに110番通報。その間も加害者からずっと罵詈雑言を浴びせられたという。
この加害者は被害者の自由を奪い、追突の危険性をおわせ、脅すという暴行行為をしている。これだけ危険な行為をした悪質なドライバーにも警察は説諭で加害者を解放したとのことです。
これもまた普通に考えると「なんで?」と疑問に思ってしまう。普段は善良な一般市民が受けている取り締まりの厳しさと全く違います。
高速道路のように整備され、いつも70km/hくらいで流れている片側2車線の40km/h制限道路を60km/hで走っていたら、警察は目の前に両手を出して飛び出し「運転手さん急いでましたか?」。そのままキップ切られる状況とあまりに違う対応です。
警察関係者に話を聞くと、「一時停止や速度違反は取り締まる方法のパターンが決まっているため気軽に反則キップを切れるんです。しかしあおり運転や暴行などはパターンが決まっていないため、1件1件の証拠固めからしていかないとなりません。
手間が掛かるし裁判になると無罪になってしまうこともあります。だからあおり運転の取締りはやりにくいんです」
警察にも都合があるということか。それでも一般市民は不公平感を持つことは間違いない。
■軽微な違反に目を光らせる取り締まり方法が本当によいのか
ゴールド免許の所持率は50%台と言われています。そのうち、ペーパードライバーが少なくないと思う。
実際にハンドル握る人で考えたら間違いなく50%を大きく切るハズ。つまりクルマを運転している人の半分以上が、5年以内に何らかの反則キップを切られているということです。
わかりやすい道交法違反は絶対許してはくれず反則キップ切られます
ゴールド免許から普通の免許になれば任意保険の掛け金が高くなったりするなど、不利益も多い。100歩譲って「厳密に道交法を解釈すると違反したんだから仕方ないだろう」と言われればその通り。
けれど明らかに危険な運転をして、しかも動画という証拠まで残っていながら警告や説諭で済ませるといのは、善良な一般ドライバーからすると全く納得いかないと思います。
軽微な違反で問答無用に反則キップ切り、警察に対する感情を悪化させるのは、警察にとって好ましいことではないです。
大雪が降る大晦日の夜も皆さんコタツに入ってTV見てる元日も、仕事している警察官はいます。そうした現場の士気を高めるためにも、愛され、信頼される警察になるような取り締まり方法を考えるべきだと考えます。
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