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2021年イチオシSUV! 「ステルヴィオ」は走りを諦めないカーガイにこそ似合う

くるまのニュース / 2021年1月7日 8時10分

あらゆる欧州メーカーが市場に参入したSUVだが、ラインナップが増えるにつれて、そうしたSUVのなかからドライブすることそのものが楽しいモデルも誕生している。そうしたスポーツSUVのなかから、比較的手に入れやすいオススメの1台を、モータージャーナリスト嶋田智之氏に選んでもらった。

■オススメの「走り」を愉しむSUVナンバーワンとは

 たとえば“退屈しないSUVが欲しいんだけど”と問われたら、僕ならそのリストのなかに間違いなくアルファロメオ「ステルヴィオ」という車名を刻み入れる。それも一番はじめに。

 何しろステルヴィオは、スポーツセダンとしてピカイチ級の切れ味と楽しさを見せる「ジュリア」をそのままSUVにしたようなテイストの持ち主。他のSUV達とは明らかに一線を画していて、ドライバーに刺激を与える術をいくつも持ってるのだ。

 そのトップエンドに君臨している「ステルヴィオ2.9 V6ビターボ クアドリフォリオ(以下クアドリフォリオ)」とベースモデルとして2020モデルからラインナップされた「2.2ターボ ディーゼルQ4スプリント(以下スプリント)」については、それぞれ少し前にレポートさせていただいた。が、ちょうど中間グレードにあたる「スポーツパッケージ」については、迂闊なことにまだだった。

 スポーツパッケージはまさしくその名のとおり、スプリントよりもスポーティな仕立てとされたモデル。パワートレインが特別というわけじゃないが、メカニカルな減衰力自動調整機構ともいうべきFSDバルブ付きのダンパーと20インチのホイール/タイヤが与えられてるのだ。

 ルーフレールやウインドウモールがブラックとされ、インテリアでもパネル類がアルミ製となるなど、引き締まった雰囲気のディテールも持つ。同時にダッシュボードがレザー張りとなりハーマン カードンのオーディオを備えるなど、プレミアム性を高めた仕様ともされている。

 パワーユニットはスプリントと同じ2.2リッターのディーゼル・ターボ、そしてステルヴィオ誕生のときからラインナップされていたガソリンの2.0リッター・ターボが用意されている。今回の試乗車はガソリンの2.0リッター・ターボを搭載した「ステルヴィオ2.0ターボQ4スポーツパッケージ」だ。このエンジンを積んだステルヴィオはVAGUEに登場したことはないと思うから、おあつらえ向きだろう。

 1995cc直列4気筒のマルチエア+ツインスクロール・ターボは、最高出力280ps/5250rpm、最大トルク400Nm/2250rpm。4気筒ターボを積むジュリアの高性能版、「Q4ヴェローチェ」と同じユニットだ。トランスミッションも変速比までヴェローチェと同じ8速ATで、最終減速比のみ3.150(前)/3.150(後)から3.730(前)/3.730(後)へと変わっている。セダンの車体より140kg重い1810kgの車体をそれほど遜色なく加速させるためだろう。

 0-100km/h加速はジュリア・Q4ヴェローチェの5.2秒に対して5.7秒と、タイム差ほぼ瞬き2回分。不満は感じられないというよりも、むしろわりと爽快感を得られるレベルだろう。

 このエンジンとトランスミッションの組み合わせが生む美点は、そこだけじゃない。2000回転辺りから4500回転あたりまで最大値の400Nmもしくはそれに近いトルクを湧き出し続ける逞しさ。そして低回転域から従順に立ち上がって5250回転のピークに向かって直線的に伸びていくパワー。

 それらがとても自然な連携を見せること。そしてそれらの美味しいところを上手に使えるようにトランスミッションがプログラムされてること。だから上の方まで一生懸命回さなくても充分に速いし、充分に気持ちいい。

 ダウンサイジング系ターボといえるエンジンにしてはサウンドも小気味いい。2.2リッターのディーゼル・ターボと較べるなら、低回転域での力強さでは少々及ばないけれど、そこから先、勢いを増しながら素早く吹け上がっていく気持ちよさとスピードの乗り方では、明らかにこちら。パフォーマンス的にもフィーリング的にも不満はなく、なかなか楽しいエンジンなのだ。

■コーナリングが面白いステルヴィオの実力

 1995cc直列4気筒のマルチエア+ツインスクロール・ターボは、ステルヴィオの“スポーツ系SUV”というキャラクターにも、よりマッチしてるようにも思う。

 エンジンは低くフロント・ミドシップにマウントされてるし、サスペンションもストローク量こそ違えど仕組みや考え方は基本的にはジュリアと同じだし、前後重量配分は50対50だし、駆動はあくまでも後輪駆動ベースの電子制御式4WDシステムだし、ステアリング・ギア比は11.7対1という並みのスポーツカーを凌駕するクイックな数値。

徹頭徹尾ドライバーズカーであるアルファ ロメオ「ステルヴィオ2.0ターボQ4スポーツパッケージ」徹頭徹尾ドライバーズカーであるアルファ ロメオ「ステルヴィオ2.0ターボQ4スポーツパッケージ」

 曲がるために作られたような要素が山盛りのクルマだから、峠のつづら折りみたいなところに差し掛かったら、自然と元気よく走りたくなる。そんな場面には、低めの回転域でシフトパドルを弾いていくよりも、回転を上げるにつれて気持ちよく伸びていくフィールを味わいながらアクセルペダルを踏み込んでいくような走り方の方が似つかわしい。

 実際、このクルマで走るワインディングロードは、SUVであることを忘れてしまいそうになるくらいに面白いし気持ちいいのだ。ステアリングを切り始めた瞬間に間髪入れずスパッとイン側を刺すノーズ。自然なロールをほどほどに感じさせながら、ヒラリと身を翻すターン。望外の速さでコーナーを脱出するやいなや、小気味よく高まりはじめるエンジンのサウンド。次のコーナーに向かってストレスなく伸びていく280psのパワー。

 まるでライトウエイト・スポーツカーのように……といったら大袈裟かも知れないが、そんな言葉を使いたくなるくらいだ。コーナーを縫って走るのがここまで気持ちよく、ピュンピュンいけるSUVなんて、そうはない。ほとんど“SUVのカタチをしたスポーツカー”である。

 2020モデルのスポーツパッケージから採用されたFSDダンパーは、こうしたシーンでは鍛え上げられた筋肉のようにしなやかさと強靱さを見せ、255/45の20インチタイヤとの共同作業で、コーナリング・パフォーマンスを引き上げることに成功している。が、同時に街中や高速道路での乗り心地のよさも稼ぎ出してるのだ。

 ステルヴィオが日本に導入されたときのファーストエディションという限定車も、20インチのシューズを履いていた。そのタイヤが伝えてくるコツコツとした小さな衝撃が気になる、という人も少なからずいたものだ。

 しかし、新しい脚は20インチをちゃんと履きこなしてる。凹凸があることをインフォメーションとしては伝えてくるが、それはまったく不快なものでも気になるものでもなく、ほとんどの道肌で快適に感じられる乗り心地を提供してくれるのだ。むしろ18インチのスプリントよりも心地好さは上かもしれない。

 人もちゃんと乗せたい、荷物もしっかり積みたい、ライフスタイルが充実してることを言葉じゃなしに示したい。SUVを選ぶ理由は幾つだってあるわけだが、それらに“操縦する楽しさを味わい尽くしたい”“スポーティな走りを堪能したい”というような項目を無理なく付け加えられるのが、このステルヴィオ2.0ターボQ4スポーツパッケージであろう。やっぱり徹頭徹尾ドライバーズカーなのだ。

 このクルマで退屈を感じるようならクアドリフォリオを選ぶか、あるいは値段が軽く倍以上もするスーパーカー系SUVを試してみるしかないんじゃないか? と、しみじみ思う。

●ALFA ROMEO STELVIO 2.0 TURBO Q4 SPORT PACKAGE
アルファ ロメオ・ステルヴィオ2.0ターボQ4スポーツパッケージ
・車両価格(消費税込):720万円
・全長:4690mm
・全幅:1905mm
・全高:1680mm
・ホイールベース:2820mm
・車両重量:1810kg
・エンジン形式:直列4気筒マルチエア16バルブ インタークーラー付きツインスクロールターボ
・排気量:1995cc
・エンジン配置:フロント縦置き
・駆動方式:4輪駆動
・変速機:8速AT
・最高出力:280ps/5250rpm
・最大トルク:400Nm/2250rpm
・0-100km/h:5.7秒
・最高速度:230km/h
・公称燃費(JC08):11.8km/L
・ラゲッジ容量:525リッター
・燃料タンク容量:64リッター
・サスペンション:(前)ダブルウィッシュボーン式、(後)マルチリンク式
・ブレーキ:(前)ベンチレーテッド・ディスク、(後)ベンチレーテッド・ディスク
・タイヤ:(前)255/45R20、(後)255/45R20

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