謎の車が箱根駅伝でこっそりと走行!? 新型MIRAI以外の燃料電池車が突如現る
くるまのニュース / 2021年1月4日 10時30分
今年の箱根駅伝では謎の車両が走行していました。大会協力車両に使われる車両については事前にアナウンスされており、GR仕様の白いセンチュリーや新型MIRAIなどが話題に。しかしそこには一切触れられていない少し違ったグランエースが。この車両はMIRAI同様の燃料電池車でした。隠す気はなかったかもしれませんが、いったいなぜアピールしなかったのでしょうか。
■箱根駅伝でコッソリ走った!新型MIRAI以外にも存在した謎のFCVとは?
箱根駅伝を見ていたら少しばかり違和感のある車両を見つけた。他の大会協力車両とデカールの色と模様が違う。クローズアップしてチェックすると、驚いたことに『FCV』と書いてあります!
調べてみると関係者曰く、「グランエースの燃料電池車です。車検も取っているので隠すべきことではないですから。そもそもデカールに書いてありますし(笑)」
箱根駅伝で使われる車両については事前にアナウンスされており、GR仕様の白いセンチュリーや新型MIRAIなどが話題になっていました。TV中継でも度々紹介されたほど。
しかしグランエースの燃料電池車については全く出てこない。隠す気はなかったかもしれませんが、なぜかアピールしようともしていない。なぜか?
その前に、トヨタ「グランエース」の燃料電池車について解っている範囲で紹介してみましょう。
まず使われている燃料電池ですが、新型MIRAIと同じ新世代の小型&軽量タイプとのこと。新世代の燃料電池、わずか32kgしかなく、しかも軽自動車のエンジンと大差ないサイズ。どんな車両にも搭載することが出来るということなんだと思います。
さらに、新型MIRAI用に開発された車両中央用の水素タンクは従来型MIRAIより細い。後輪駆動のグランエースだと、床下のドライブシャフトの位置に水素タンクを載せられるという。
モーターも新型MIRAIと同じ182馬力ながら、パワーの出方がディーゼルエンジンと近いため車重3トンのボディを苦にしないそうな。
実際、箱根の厳しい旧道を軽々登る。改めて説明するまでもなく燃料電池車の排出ガスは水(水蒸気)のみ。
だったら裏方の車両でなく、ランナーの直前を走るカメラカーなどに使ったらいいのに。いや、すでに来年の箱根駅伝のカメラカーを燃料電池車にする計画かもしれません。ランナーの前は排気ガスを出さないクルマに走ってもらいたい。
さらに調べてみるとトヨタにとってけっこうホンキのプロジェクトらしいことが判明しました。リンクしたのはトヨタイムズに掲載された『3分で読み解くトヨタの水素戦略』という記事。
要約するとカーボンフリーのため電動車両をフルラインナップすると書いてある。電気自動車だけでなくいろんなカードを用意している、ということです。
政府が2050年のカーボンフリーを打ち出す一方、自動車工業会の豊田会長は「エネルギー政策から方針を決めて欲しい」と本質をついたコメントを出した。
これを受け「トヨタは電気自動車の開発に遅れを取っているためハイブリッド車を売りたいんだろう」みたいな記事も出ているが、トヨタイムズを見るとずいぶんイメージは変わってくる。
考えてみるとエンジンで走っているグランエースを電気自動車に改造することは、どこのメーカーにだって出来ることだろう。日本の自動車メーカーだけでなく、欧米や中国だって容易に作れる。
けれど燃料電池で走らせようとしたら、ハードルが圧倒的に高くなります。信頼性やコストまで考えると、おそらく世界中でトヨタにしか作れない。
トヨタ新型MIRAIの高圧水素タンク
本格的なカーボンフリーを考えると、最も難しいのはバスやトラック、船舶、鉄道用、建設用機械などの脱ディーゼルエンジン戦略だと言われている。乗用車は比較的容易に電気に置き換えられるものの、大きなパワー出すモビリティを電気自動車にすれば実現不可能なほど巨大で重いバッテリーを搭載しなければなりません。
今のところ燃料電池が最も有望なパワーユニットだと言われてます。グランエースの燃料電池車はカーボンフリー時代に向けての第一歩という位置づけなんだろう。
文頭に戻り「なぜ大々的にアピールしないのか」と言えば、燃料電池のエネルギー源になる水素を低コストで作る技術が確立されていないからだと思う。
大きな声でアピールすると、アンチ燃料電池派から「高圧水素を作る際に大量のエネルギーを使うから意味無し!」と言われてしまう。
30年後を考えて様々なトライをしている最中に、今の水素インフラで批判されたらいかんともしがたい。おそらくこの記事のコメントも「意味無し!」という声が多いと思う。そう思うとアピールしない方が得かもしれません。
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