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600万円でフェラーリ泥沼生活! 「412」は本当にリーズナブルなV12モデルなのか!?

くるまのニュース / 2021年1月11日 19時10分

フェラーリの12気筒モデルオーナーになる近道として、また昨今ではギラつかない枯れた雰囲気のフェラーリとして見直されている「412」。4シーターフェラーリの魅力を存分に味わえる412の系譜を辿る。

■跳ね馬オーナーへの近道である4シーターの系譜

 フェラーリは、その長い歴史のなかで、スポーティな2シーターモデルやコンペティツィオーネ(レースカー)のほかに、常に優美でエレガントな4シーターモデルをラインナップに設定してきた。

 参考までにフェラーリにとって初の4シーターモデルとなったのは、最初のシリーズモデルである「166インテル」で、そもそもコンペティツィオーネとして生を受けた166インテルをベースに、多くのカロッツェリアが独自の4シーターモデルをそのシャシに組み合わせ、その美しさを競った。

●1986 フェラーリ「412」

 1950年代になると、一時4シーターモデルは姿を消してしまうが、1960年に「250GTE 2+2」として復活。

 以来ヨーロッパはもちろんのこと、フェラーリの4シーターモデルは、もっとも重要な輸出市場であるアメリカで高い人気を得ていくことになる。

 もちろんカスタマーのパワーに対する要求は、4シーターモデルに関しても同様である。そのため、フェラーリからは次々に高性能のV型12気筒エンジンを搭載した4シーターが生み出されていった。

 その流れで大きな転機となったのは、1972年に誕生した「365GT/4 2+2」だった。ボディデザインは、ピニンファリーナによる近代的な直線基調のものとなり、フロントには4.4リッターV型12気筒DOHCエンジンを搭載。最高出力は320psを誇った。

 ちなみにこのエンジンは、2シーターの「365GTB/4=デイトナ」のそれを、より扱いやすくチューニングしたもので、5速MTが組み合わせられた。当時の記録によれば、521台が生産されたとある。

 この365GTB/4 2+2は、1976年には排気量を4.8リッターに拡大し、5速MT仕様とともに3速AT仕様をラインナップした「400GT/400オートマチック」となる。

 さらに1979年になると、年々厳しさを増す排出ガス規制に適合させるために、ボッシュ製のKジェトロニックを採用したインジェクション仕様の「400i」へとモデルチェンジすることになった。

■枯淡の境地、フェラーリ「412」とは

 フェラーリ365GT/4 2+2は、400GT/400オートマチック、400iを経て、1985年に最終発展型として「412」に進化する。

 排出ガス規制への対応も一応の終結を見たのだろう、この412からは再びパワー志向が明確になり、フロントには5リッターに排気量を拡大した、最高出力340psのV型12気筒エンジンが搭載された。

 ちなみに車名の412は「4リッターの12気筒」ではなく、伝統的な気筒あたりの排気量を示す数字となっている。

●1986 フェラーリ「412」

フェラーリ「365GT/4 2+2」は、「400GT/400オートマチック」、「400i」を経て、1985年に最終発展型として「412」に進化する(C)2020 Courtesy of RM Sotheby'sフェラーリ「365GT/4 2+2」は、「400GT/400オートマチック」、「400i」を経て、1985年に最終発展型として「412」に進化する(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 内装の豪華さもさらにレベルアップしており、現在でもこの412を探すフェラリスタが多いのは、それもまた理由のひとつとなっている。

 リアシートはさすがにゆったりと長距離ドライブを楽しむというほどの快適性を持つには至らないが、それでも短距離のドライブならば、ある程度はくつろいだ姿勢で移動の時間を楽しめる。

 機構面では、新たにABSが標準装備化されたことなどが大きな話題だ。

 0ー100km/h加速は6.7秒。最高速は240km/hに達したというから、運動性能に不満はない。

 車両に付属されていた記録簿によると、この412は1986年5月にヴェネツィアでファースト・オーナーに販売された後、エレガントな水色のボディカラーに再塗装されたという。

 最新の公式記録サービスは、3万4012km時のもの。さらに2020年には7000ポンド(邦貨換算約98万円)をかけてメンテナンスに費やされたという。

 RMサザビーズのロンドン・オークションでの落札価格は4万1800ポンド(邦貨換算約585万円)。

 現在、12気筒フェラーリを手に入れるには、この世代のモデルが一番の近道といえるのかもしれない。しかし、そのためにはもちろん、よい個体を見極める目が必要なことは確かだ。

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