「ソ・ソ・ソリオ♪」 新型モデルはどう変わった? 魅力増した部分とは
くるまのニュース / 2021年1月9日 16時10分
2020年12月4日に発売されたスズキの4代目「ソリオ/ソリオバンディット」。楽しそうなTVCMとは裏腹に真面目な印象があるスズキのコンパクトハイトワゴンですが、どのような進化を遂げたのでしょうか。
■「ソ・ソ・ソリオ♪」 どんな部分が進化した?
コンパクトハイトワゴンの先駆者であるスズキ「ソリオ」。初代は「ワゴンR(軽自動車)」の拡大版というイメージでしたが、2代目から独自のキャラクターを構築しました。
先代となる3代目はプラットフォームの刷新で走りも大きくレベルアップ。今や「スイフト」と並ぶスズキの登録車の重要な「柱」となっています。
そんななか、4代目となる新型モデルが2020年12月4日に発売されました。
ノーマル系のソリオ、カスタム系のソリオバンディットのラインナップは新型モデルでも継承。
チーフエンジニアの永田和夫氏は、新型のコンセプトについて、次のように語っています。
「先代は高い評価を受けましたが、その一方で『もっと●●だったらいいのに』という声もたくさん聞いています。
そこで新型は先代のコンセプトを活かしながら『全方位』の進化をおこなっています」
エクステリアはキープコンセプトですが、全長拡大(+80mm)で伸びやかさ、全幅拡大(+20mm)で抑揚がプラスされたデザインに進化しています。
筆者(山本シンヤ)としては、ソリオはまじめ過ぎた先代に対して「華」がプラスされ、ソリオバンディットは「大人っぽさ」がプラスされていると感じました。
一方、インテリアは基本的なレイアウトは不変ながらもデザインは大きく進化。少々雑多な感じが拭えなかった先代に対してスマートかつ質感も高められています。
ちなみにソリオがカジュアルでクリーンな印象のネイビー/ホワイト、ソリオバンディットが上質でクールなボルドー/ブラックと、エクステリアに合ったカラーコーディネイトです。
ソリオの魅力のひとつである居住空間はさらに進化。荷室床面長は何と先代+100mmで、後席のスライド位置を気にせずにラゲッジスペースを活用できるようになっています。
また、後席の肩周りのスペースを+20mm、上下左右のヘッドクリアランスを+5mm拡大することで、居住性はさらに高められています。
後席スライドを最後端にするとリムジン顔負けの足元スペースですが、リアタイヤの突き上げが少々気になるところです。
筆者的には最後端から少し前(10mmから20mm)に動かしたほうが、快適性は高いと感じました。
新型モデルは装備の充実もポイントで9インチディスプレイ(スズキ小型車初)のメモリーナビは燃費情報やエコスコア、エネルギーフローなどスズキらしからぬ多機能でビックリです。
またヘッドアップディスプレイ(スズキ小型車初)も注目装備のひとつですが、すぐ横に大きい表示かつ視線移動の少ないセンターメーターがあるので、表示項目は欲張らずに割り切ったほうがいいと思いました。
加えて、新型は前席上部に空気を循環させることで室内温度を均一化させるスリムサーキュレーターを装着。
広い室内空間故に問題だった前/後席の温度差を後席エアコンの装着なしに解決という、ナイスアイデアです。
パワートレインは廉価版に1.2リッター自然吸気を残していますが、メインとなるのは1.2リッター自然吸気-NA+ISG(モーター機能付発電機)+リチウムイオンバッテリー(12V)のマイルドハイブリッドです。
ちなみに先代に設定されていた1.2リッター+モーターと5速オートギアシフト(AGS)を組み合わせたストロングハイブリッドはモデル落ちとなりました。
その理由を永田氏に聞くと、次のように教えてくれました。
「ひとつはユーザーの評価は高いものの台数が少ないこと、もうひとつはバッテリーとラゲッジスペースのバランスを考えた結果、今回はマイルドハイブリッド一本にしました。
ただ、ストロングハイブリッドの開発は今も続いていますし、世の中の流れも時々刻々と変化していますので、我々としても柔軟に対応できるようにしています」
プラットフォームは先代のアップデート版になります。軽量ボディは音が厳しい事から入念な防音/防振対策がおこなわれています。
具体的にはエンジン音を吸収するためのダッシュアウターサイレンサーの改良、雨音の抑制のためにルーフ周りに高減衰マスチックシーラーの採用、ロードノイズ低減のためにリアフェンダーライニングの全面化/スタビライザーストッパーの採用です。
また、走りの部分では構造用接着剤の追加やサスペンションのアップデートなどもおこなわれています。
■ソリオは走りも確実に進化した?
では、新型モデルの走りはどうでしょうか。
防振/防音対策などで車両重量は先代+50kgですが、重量増が響く発進時や再加速時はマイルドハイブリッド(3.1馬力/50Nm)の背中をそっと押すようなアシストが先代以上に体感でき、一般道を普通に走る限りは先代と同等の動力性能と考えていいと思います。
さらにアクセルをグッと踏んでいくとスペック以上の力強さとフリクションが少なく軽快でスッキリと回るエンジンのフィーリングは、コンパクトクラスのエンジンのなかではトップレベルです。
フットワークは先代譲りの背の高さを感じさせない走りと快適性をバランスよく引き上げられています。
走りの部分は構造用接着剤採用で剛性の連続性が増したことで、各部が効果的に働いています。
具体的には軽い操作力ですが直結感の高いステア系、先代以上にロールを上手にコントロールしているサスペンションなどです。
その結果、街中ではしなやかな足さばきと軽やかさ、高速道路では無駄な動きを抑えた落ち着きという二面性に加えて、軽量モデルでは実現が難しい「走りの質感」も備わっています。
走りも確実に進化している新型「ソリオ」
また、快適性の部分では先代で指摘されていた後席の乗り心地は大きくカイゼン。加えて静粛性アップも効果テキメンで、単純に「静かになった」、「会話明瞭度が上がった」だけでなく、軽いクルマにありがちが振動も抑えられており、結果として「いいクルマ感」が増しているように感じました。
ちなみにソリオとソリオバンディットのサスペンションセットはまったく同じですが、筆者的には「見た目と走りのバランス」という意味ではソリオのほうが合っており、ソリオバンディットはもう少しスポーティな方向、そうスイフトRSのような「しなやかスポーティ」な味付けでもいいのかなと思います。
新型モデルはインパクトこそ薄めですが、着実な進化を感じました。
クルマとしての実力は最大のライバルトヨタ「ルーミー」、ダイハツ「トール」スバル「ジャスティ」のOEM連合よりも高いところにあると思っていますが、もしかしたら真面目すぎるキャラクターが数少ない欠点かもしれません。
「ソ・ソ・ソリオ♪」とタレントたちが躍るTVCMのような「楽しさ」、「ワクワク」が感じられるようなプラスαがクルマに少し欲しいです。
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