街で見かけたらラッキー!? あの人気車とほぼ同じ姿の激レアOEM車5選
くるまのニュース / 2021年1月16日 6時10分
他社メーカーが製造したモデルを取り扱って、コストダウンやラインナップ拡充を図る手法として、OEMがあります。そんなOEM車のなかで、街であまり見かけることがないレアモデルを紹介します。
■姿かたちは同じでも、じつは別人だった!?
街で見かけるクルマのなかには、姿かたちがほとんど同じでも、メーカーエンブレムが異なるクルマが存在します。
これはOEM(Original Equipment Manufacturer)といって、他社が作ったクルマを自社ブランドで販売することを指します。
OEMのメリットはコストダウンが主となりますが、自社の製造ラインでは作ることができないクルマを販売できることから、ラインナップの拡充を図る目的もあります。
今回はそんなOEM車のなかから、レアなモデルを5台ピックアップして紹介します。
●スズキ「ランディ」
軽自動車メーカーとしてのイメージが強いスズキですが、近年では登録車にも力をいれています。
しかしスズキが自社開発する登録車は「ソリオ」「スイフト」といったコンパクトなモデルが中心となることから、日産のミニバン「セレナ」をスズキ「ランディ」として販売しています。
現行モデルのランディは、2016年12月に登場した3代目。2016年8月にフルモデルチェンジしたセレナから4か月遅れで発売されました。
ランディのデザインはセレナの標準仕様に準じていますが、セレナのVモーショングリルよりも大人しいフロントグリルを装着しています。
なお、「セレナ ハイウェイスター」のようなエアロ仕様はランディにはありません。
パワートレインは、2リッターガソリンと2リッタースマートシンプルハイブリッドを搭載。セレナで人気の「e-POWER」仕様はラインナップしていません。
また、先進運転システム「プロパイロット」も非装着となります。
●マツダ「フレアクロスオーバー」
自社生産の軽自動車を持たないマツダですが、スズキの軽SUVとして人気の「ハスラー」を「フレアクロスオーバー」という車名で販売しています。
現行モデルは2020年2月に登場した2代目モデル。スクエアなボディに丸目ヘッドライトという初代モデルのデザインを継承しつつ、さらに個性的なスタイルとなりました。
なお、ハスラーのボディカラーとして用意されている「チアフルピンクメタリック ホワイト2トーン」と「シフォンアイボリーメタリック」はフレアクロスオーバーには設定されていません。
インテリアはアウトドア感あふれる遊び心のあるデザインで、快適で広い室内空間と使い勝手が大幅に進化した荷室空間が特徴です。
パワートレインは、660ccの自然吸気エンジンとターボエンジンの2機種を用意し、全車マイルドハイブリッドを搭載。
新開発のCVTと組み合せて、低中速域でのスムーズな走りと、高速域ではハイギヤード化により燃費性能と静粛性を向上させました。
4WD車には、雪道やアイスバーンで発進をサポートする「スノーモード」や滑りやすい路面でスムーズに発進できる「グリップコントロール」、急な下り坂で低速を維持する「ヒルディセントコントロール」といった、SUVならではの機能も備わります。
■トヨタ&ダイハツがOEM提供しあうモデルたちとは?
●ダイハツ「アルティス」
スズキと同様に、軽自動車をメインで販売するダイハツですが、乗用車の最上級モデルに君臨するのが「アルティス」です。
アルティスの歴史は長く、初代モデルは2000年に登場。現行モデルは2017年にフルモデルチェンジした5代目となります。
ダイハツ「アルティス」
OEMの供給元はトヨタ「カムリ」で、同車が2017年のフルモデルチェンジでハイブリッド専用車となったことで、アルティスはダイハツの乗用車で初のハイブリッドモデルとして発売されました。
TNGAに基づき、プラットフォームやパワートレインなどを全刷新。2.5リッターハイブリッドで低燃費を誇ります。
外観はスポーティでスタイリッシュなデザインとなり、内装も高級セダンにふさわしい上質感を備えました。
また、アルティスは安全装備として「トヨタセーフティセンス」を搭載。ミリ波レーダーと単眼カメラを併用した検知センサーとそれに基づく統合的な制御により、クルマだけではなく、歩行者の認識も可能になり、事故回避や衝突被害の軽減を支援します。
2020年8月の一部改良で、隣接する車線の死角領域の車両を検知し、ドアミラーのLEDインジケーターが点灯する安全機能、ブラインドスポットモニターを標準装備し、安全性が向上しました。
なお、カムリにはよりスポーティさを強調した「WS」グレードがありますが、アルティスには設定されていません。
●トヨタ「ピクシスメガ」
トヨタは長らく軽自動車の販売をしていませんでしたが、2011年からダイハツの軽自動車の販売をスタートしました。
トヨタの軽自動車シリーズには「ピクシス〇〇」という車名が与えられており、乗用・商用合わせて5車種存在します。
そのなかでもレアなモデルが「ピクシスメガ」です。メガという名称からもわかるように、OEMの供給元は軽最大の全高を誇るダイハツ「ウェイク」です。
ダイハツからの軽自動車OEM供給第4弾として2015年に発売されたピクシスメガは、全高がミドルサイズミニバン並みの1835mmと高身長。
ボディサイズに制限がある軽自動車ですが、全長3400mm以下、全幅1480mm以下、全高2000mm以下のなかで、可能な範囲で全高を高め、アイポイントもミニバン並みの高さで、ドライバーの視界を確保してゆとりある運転を実現。
スクエアで見切りの良いボディ形状と相まって、取り回しのしやすさもピクシスメガの特徴です。
背が高いと安定性に不安がありますが、ピクシスメガはサスペンションやボディ構造を見直したことで操縦安定性を確保。
さらに、軽トップレベルの室内高を確保したことにより、室内も大人4人がゆったり乗車することができます。
2017年の一部改良で、歩行者も検知対象とする緊急ブレーキ機能や夜間での歩行者の早期発見に貢献するオートハイビームなど、先進安全機能を進化させた衝突回避支援システム「スマートアシストIII」を標準装備し、安全性が高まりました。
●スバル「ジャスティ」
スバルの自社生産でのエントリーモデルといえば「インプレッサ」ですが、それより小さなトールワゴンとして「ジャスティ」があります。
1984年に登場した初代ジャスティはハッチバックのコンパクトカーでした。2016年に車名が復活した際、ダイハツ「トール」のOEM車として販売されることになりました。
なおトールは、トヨタ「ルーミー」としても販売されています。
トールワゴンとなった現行ジャスティは、後席両側にスライドドアを備え、5ナンバーながら広い室内空間を確保した利便性に優れたコンパクトカーです。
パワートレインは1リッター自然吸気エンジンと新開発の1リッターターボエンジンを搭載。アイドリングストップ機能を全車に標準装備し、低燃費を実現しています。
2020年9月のトールのマイナーチェンジを受け、ジャスティも一部改良。ダイナミックに一新した外観デザインや新色の追加、疲れにくい新開発のフロントシートなどを採用しました。
運転支援システムは、スバルの「アイサイト」ではなく、ダイハツの「スマートアシスト」を搭載。
一部改良でステレオカメラが刷新され、衝突回避支援ブレーキの性能が向上するとともに、全車速粋アダプティブコントロールなどを追加しています。
※ ※ ※
今回紹介したOEM車は、街で出会ったらなかなか希少なモデルだといえますが、その一方で、前述のルーミーやトヨタのコンパクトSUV「ライズ」(OEM元:ダイハツ「ロッキー」)のように、“本家”よりも売れているモデルもあります。
また、関連グループ内で商品ラインナップを補完する目的のOEM車ですが、ホンダのように2021年現在どこからもOEM供給を受けず、そして提供もしていないメーカーも存在しています。
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