ホンダ最後の軽トラ!? 生産終了の「アクティ・トラック」 海外で35年落ちでも100万円超えのワケ
くるまのニュース / 2021年1月19日 17時10分
2021年4月で生産終了となるホンダの軽トラ「アクティ・トラック」が海を渡りアメリカ・カリフォルニアで販売されているといいます。しかし、販売されているのは1986年式の代物です。なぜ、日本専用車ともいえる35年落ちの軽トラがアメリカで販売されているのでしょうか。
■2021年で生産終了、唯一無二の「農道のフェラーリ」
日本市場のためにつくられた軽トラですが、なぜかアメリカ・カリフォルニアでは1986年式のホンダ「アクティ・トラック」が約103万円という値段で販売されているようです。
軽自動車といえば、日本独自の規格であることからもわかるように、日本の市場、そして日本の道に合わせて開発されたカテゴリーです。
なかでも、荷台を持つトラック仕様の「軽トラ」は、その機能性とコストパフォーマンスの良さから日本の農業や物流を支えてきました。
一方、日本市場専用車種のため、グローバルモデル化することで販売台数を増やし、1台あたりのコストを抑えるという現在の自動車業界のトレンドが適用できず、また年々厳格化される環境規制や安全基準への対応も難しいことから、近年では生産終了する車種も増えています。
アクティ・トラックも、時代の流れに飲み込まれて生産終了となってしまった1台です。
アクティはホンダ初の4輪自動車である「T360」の流れをくむ由緒あるモデルであり、そのノウハウは「N-VAN」へと引き継がれていますが、トラック仕様は2020年をもって生産終了となってしまいました。
アクティ・トラックは、軽トラとしては唯一無二となるMR(ミッドシップエンジン・リアドライブ)という駆動形式を採用していることから、「農道のフェラーリ」あるいはホンダのMRスーパースポーツカーである「NSX」から「農道のNSX」などと呼ばれるなど、いまもなおマニアックな人気のある1台です。
「アクティブ」に由来するとされるその車名の通り、アクティはビジネスユースはもちろんのこと、レジャーでの仕様も想定されていたといわれています。
先述のMRレイアウトに加え、荷台とフレームが一体化したモノコック構造のボディや、高回転まで回るギア設定などがそれを裏付けます。
しかし、近年では競合モデルに比べて機構が古くなり、それでいて予算をかけて新規開発するほどの市場環境を見込めないことから、ホンダはアクティ・トラックの生産終了とともに軽トラ市場から撤退することとなってしまったのです。
■なぜ35年前のアクティ・トラックが100万円超えもするのか
そんなアクティ・トラックですが、日本から遠く離れたアメリカ・カリフォルニアの地で販売されているのが発見されました。
軽自動車であるアクティ・トラックには当然のことながら海外仕様車は存在しないため、右ハンドルの日本仕様車です。
そもそも右側通行の国である米国では、右ハンドル車の走行が原則として認められていません。
しかし、一部の州では、初年度登録から25年が経過したモデルに対しては規制が緩和され走行可能です。
そのため、漫画やアニメに登場する25年前以上の日本車に注目が集まっています。
今回発見されたアクティ・トラックも、1986年式であることからわかるように、前述の「25年ルール」によって米国に輸入されたものと考えられます。
純正色であるホワイトに「TN ACTY SUPER DELUXE」の文字が輝くそのボディは、年式の割にはキレイに見えますが、どこからどう見ても「ザ・軽トラ」です。リアには「最大積載量350kg」のステッカーも残されています。
内装もいわゆる軽トラのイメージそのものです。ベージュのコンビレザーは、現代的な感覚からすれば「シブい」といえるかもしれませんが、メカニカル感満載のシフトレバーまわりや、一切リクライニングができない直立したバックレストは、快適性という言葉からは程遠いといえます。
内装の状態も新車並みといえる35年落ちのホンダ「アクティ・トラック」(画像:TOPRANK IMPORTERS)
走行距離は3万9715kmと、軽トラにしては控えめということもあり、内外装や機関系など非常にコンディションの良いこのアクティ・トラックですが、逆にいえばそれ以外はなんの変哲もない軽トラです。
しかし、そんなアクティ・トラックには9975ドル(約103万5000円)というプライスタグが付けられています。
1986年当時の新車価格がおよそ60万円程度だったことを考えると、まさにプレミア価格といえます。
ちなみに、日本の中古車市場で同年代のアクティ・トラックを探してみると、数万円から30万円程度の個体がほとんどです。
日本でも国内販売されていない大型のピックアップトラックを並行輸入して乗るマニアがいるように、米国にも小さいクルマに憧れるマニアがいるのかもしれません。
そのため、走行距離や状態の良さから35年落ちのアクティ・トラックに100万円を超える価格が付いたのかもしれません。
ちなみに、このアクティ・トラックは、現地の中古車販売店では「ピックアップトラック」に分類されています。
構造上はたしかにその通りなのですが、トヨタ「タンドラ」やフォード「F-150」のようなピックアップトラックと並ぶと、まるでミニカーのようなサイズなので、なんだか不思議な感じです。
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