ピンチ! ハマって動けない!? 雪道でのスタック…どのように脱出すればいいの?
くるまのニュース / 2021年1月31日 14時10分
毎年、冬シーズンにはレジャーや観光などで積雪地域に出掛ける人が増加します。そうした際、走行中に深雪にハマってスタックした場合にはどうしたらいいのでしょうか。
■万が一のスタック、脱出方法は?
雪道の多い地域では、クルマの運転により一層気をつける必要があります。
とくに積雪の多い道路では、雪にタイヤがはまり動かなくなってしまう「スタック」といったトラブルに遭遇する可能性があります。
国土交通省が発表する2017年度「直轄国道における降雪による通行止め及び立ち往生実績」によると、立ち往生台数は547台にものぼり、通行止め距離は1670km、通行止め時間は延べ1100時間にも及んでいます。
また、冬タイヤを装着していても、横断勾配5%を超える区間で立ち往生が多く発生していることがわかっています。
冬タイヤを装着していても、走行中に突然スタックが起きてしまう可能性は誰にでもありますが、もし実際に起きてしまった場合、どのように対処すれば良いのでしょうか。
積雪地域でのスタック状況について、JAFの北海道本部・札幌支部の担当者は、以下のように話します。
「北海道では毎年上位に食い込むくらいスタックによる問い合わせは多い状況です。
ただ、スタックといっても皆さんそれぞれ状況によってケースが異なります。
まずは、下手に動かさずスタックしてしまった原因を目で確かめ状況確認をおこないましょう。
闇雲に引っ張ってしまうと、場合によっては自身で動かしたことによってよりクルマが動かなくなったといった状況が悪化してしまうケースもあります。
実際に問い合わせのあった例では、クルマの前の部分に杭が引っかかっていることに気づかず、後ろからクルマを引っ張ってもなかなか動かず、大惨事になってしまったという場合がありました。
なので、状況確認をおこなったうえで、車体に雪が積もっている場合に除雪をしてあげたりと、対策をしてから引っ張ったりクルマを発進させて雪を踏み固めたりといった方法を取ると良いと思います。
クルマが動かなくなってしまった場合にはウィンチで引っ張り上げる必要があるので、ロードサービスに必ず連絡をして下さい」
※ ※ ※
また、JAFによると、深雪にはまった場合にはゆっくりとクルマを前後に動かしてタイヤ周辺の雪を踏み固めるか、脱出プレートやチェーンをスタックしているタイヤの設置部分の奥まで差し込み、ゆっくりと発進して脱出する方法を紹介しています。
■スタック起こさないための雪道運転テクニックとは
スタックを起こさないためにも、雪道の走行中には十分気をつけなければなりません。
新潟県警が発表する「2015年12月から2016年3月までの冬道事故データ」によると、物損事故の事故件数2万573件のうち、スリップ事故は3387件となっており、人身事故を見ても全体が1641件のうち112件となっています。
スリップ事故の路面状態の統計を見ると、アイスバーンは25%となり、とくに交差点付近を見ると40.9%を占めています。
アイスバーンは、雪が原因で路面が凍結した状態を指し、滑りやすく走行には十分注意する必要があります。
前述のように交差点ではアイスバーンが発生しているケースが多いため、停止や発進を繰り返す際には早めのブレーキを心がけることが必要です。
ほかにも、JAFは「風通しの良い橋の上や陸橋、トンネルの出入り口付近は他よりも気温が低く、路面が凍結しやすいため、手前で十分にスピードを落とし慎重に走行する必要があります」としています。
雪道走行のポイントについて、NEXCO中日本では「『ゆるやか』『ゆっくり』操作を心がけて運転しよう」と呼びかけており、発進の際は、MT車の場合は1速ではなく2速でクラッチをゆっくりつなぎ、AT車の場合はクリープ現象を使ってじわりとした発進をおこなうことが良いとされています。
通行量が少ない道の場合、深雪のこともあるので走行には注意したい
カーブや下り坂では減速を心がけないと、タイヤが急にロックされハンドル操作が効かなくなることもあり、気をつける必要があります。
また、雪道走行中のポイントについて、前出の北海道本部・札幌支部の担当者は、次のように説明しています。
「まず雪の深そうなところに入っていかないのが基本です。
目で見て明らかに深く雪が積もっていたり、危ないと感じる道は避けたほうが良いでしょう。
また、走行中の速度についても、スピードを出しすぎないことが大切です。
スピードを出しすぎるのは非常にリスクといえるため、雪道走行は落ち着いてゆっくりとした速度での走行を心がけて下さい」
※ ※ ※
冬タイヤやチェーンを装着したとしても絶対に安心ということはありません。あくまでもドライバー自身が安全運転の意識を持ったうえで走ることが1番の予防方法といえます。
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