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中国版「センチュリー」の「紅旗・H9」が2月に日本上陸? 過去に中国車が日本に無かった理由とは

くるまのニュース / 2021年1月28日 10時30分

日本市場において、現在までに中国単独メーカー/中国ブランド/中国製という乗用車は販売されていません。しかし、2021年1月27日に、中国メディアや日本のSNS上で「中国の高級ブランドとなる『紅旗』のラグジュアリーセダン『H9』が2021年2月に日本上陸」という画像と日本市場での販売価格を取り上げて大きな話題となっています。

■中国の高級ブランドがなぜ日本市場に? 中国版「センチュリー」の正体とは

 2021年1月27日に、中国メディアや日本のSNS上で「中国の高級ブランドとなる『紅旗』のラグジュアリーセダン『H9』が2021年2月に日本上陸」という画像と日本市場での販売価格を取り上げて大きな話題となっています。
 
 かつて日本市場には、純中国メーカー/中国ブランド/中国製という乗用車は登録(ナンバー取得)されておらず、H9の日本上陸が現実となれば日本の自動車業界に大きな衝撃を与えます。

 紅旗とは、経済の工業化を推進する「第一次五カ年計画」の一環で設立された中華人民共和国初の自動車メーカー、「第一汽車」が展開する高級車ブランドです。

 1958年にその第一号車が誕生して以来、中国における富と権力を象徴する高級車として中国共産党の各幹部や国家主席、大企業の社長などに長年愛されてきました。

 日本で紅旗といえば、中国人民解放軍の軍事パレードなどで習近平国家主席が乗る「閲兵車」など、国家主席専用車のような用途で使われる「Lシリーズ」が有名です。

 なかでも、「L5」とそれをベースとするロングホイールベースモデルの「L7」や「L9」は初代紅旗モデルを彷彿とさせる保守的な見た目を持っており、日本でいえばトヨタ「センチュリー」のような存在です。

 最近では2019年6月に大阪で開催されたG20サミットに参加する習近平国家主席の専用車として、よりモダンな見た目を持つ「L4」が大阪に持ち込まれ、外務省の発行する外交官車両用プレート(通称 外ナンバー)を装着しながら日本の公道を走行しました。

 現在の市販モデルとして「H5」、「H7」、そして前述のH9の3つのセダンに加え、E-HS3、E-HS9、HS5、そしてHS7などのSUVが展開されています(Eが付くモデルは電気自動車)。

 なかでも、中級セダンのH7はかつてトヨタが紅旗ブランドを展開する第一汽車と合弁企業を設立し、中国国内に販売していた紅旗ブランドのミドルサイズセダンです。

 このように、近年は変革を遂げている中国の代表的な高級ブランドとなる紅旗ですが、果たして日本市場へ上陸するというニュースは本当なのでしょうか。

 中国のSNS、「ウェイボー」にて「紅旗 日本」で検索すると、「中国で圧倒的な人気を誇る、あの車!いよいよ、日本上陸。(原文ママ)」とのキャプションが付いたH9の画像が多く投稿されています。

 現在出回っている広報画像は全部で3枚。紅旗H9の輸入会社によって作られています。

 しかし、同時に出回っている「販売価格一覧表」について、輸入元に確認したところ「これは、まったくのデマで、拡散しないでほしい」とのことでした。

 日本に輸入されるH9のグレードもでたらめとのことです。

 現在、中国における H9は2.0リッター直列4気筒ターボエンジンを搭載する「2.0Tモデル」と、3.0リッターV型6気筒スーパーチャージャー付エンジンを搭載する「3.0Tモデル」の2種類のパワートレインが用意されています。

 中国本国では、2.0Tモデルは装備の異なる3つのグレードがあり、価格は30万9800元(邦貨換算497万6000円)から、3.0Tモデルは2つのグレードで45万9800元(邦貨換算738万4500円)からとなっています。

■なぜ過去に日本市場に純中国メーカーの乗用車はなかったのか?

 韓国では、2021年1月中旬に日本上陸モデルと同じH9が上陸を果たしています。

 新華社通信の報道によると、最初の2台が1月6日にソウルに到着し、記念式典などを実施。

 韓国語で「(慶)中国 NO.1 国民ブランド 紅旗自動車 韓国上陸(祝)」と大きく書かれ、紅旗ブランドの歴史を紹介するボードまで用意していることから、韓国国内での販売が予定されていると考えられます。

 そして、中国最大級の自動車ニュースサイト「汽車之家」によれば、日本国内のカスタマーによって5台のH9が注文されており、2月1日には認証取得用や展示用の3台が日本に陸揚げされるとのことです。

 3月末にはカスタマーへのデリバリーを開始したいとのことですが、すべては日本国内で各種基準に適合し、認証を取得できるかにかかっています。

 日本において、これまで中国民族系(日欧米の自動車メーカーとの合弁会社ではなく、純粋な中国発祥の自動車メーカー)のメーカーが中国で製造したクルマを「研究用」として日本に輸入、販売した例はあるようです。

 しかし、公道を走れるよう登録された(=日本のナンバーがついた)例はBYD製電気バスなど、EV+商用車という例がわずかにあるのみです。

かつて中国ブランドの「LYNK&CO」は日本未発売ながら日本の富士スピードウェイにて発表会を実施した過去がある。かつて中国ブランドの「LYNK&CO」は日本未発売ながら日本の富士スピードウェイにて発表会を実施した過去がある。

 乗用車においては、上海ドイツ国民自動車という会社が2020年12月より、上汽大衆(上海汽車とフォルクスワーゲンの合弁会社)製となるモデルの販売を本格的に開始しており、第一号車となる「ラマンド(ゴルフ7のセダン版)」には京都ナンバーがついています。

 同社によると、上汽大衆(上海フォルクスワーゲン)で販売されているすべてのモデルについて日本へ輸入し、登録が可能だといいます。

 輸入や登録に関わる諸費用は1台あたり車両代とは別に250万円から300万円が必要です。

 しかし、これは中国製でも元はドイツのメーカーが作ったクルマだからこそ日本での登録が実現できた背景があります。認証が必要な部品にもすでにEマークがついています。

 一方、中国はUN-ECE(国連欧州経済委員会)による協定規則の締約国(58協定締約国)ではないため、純中国メーカーのクルマを日本で登録するためには、莫大な費用をかけて排出ガス検査や衝突安全、加速騒音などに関する各種の試験をおこなう必要があります。

 ただし、韓国も58協定の締約国ですから、韓国で正式に登録されれば日本での登録もぐっと現実味を帯びてきます。

 今回、紅旗ブランドのH9が日本へ上陸し、登録が実現したら、日本の自動車産業にとって大きな衝撃となります。

 実際に日本への上陸が現実するのか、今後の動向を注視していきたいところです。

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