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「NSX」発表当時の評価は低かった!? 世界基準となった和製スーパーカーの最新評価とは?

くるまのニュース / 2021年1月31日 12時0分

1990年代日本が世界に誇る名車は数々あれど、ホンダ「NSX」がその1台であることは紛れもない事実だ。海外オークションに出品された、英国で販売されたNSXの評価を見てみよう。

■新車当時「NSX」の評価は低かった!?

 ホンダ「NSX」は、1990年に誕生した。発表当時、市販車初となるアルミモノコックボディを採用し、エンジンをリアミッドシップにマウントしたこのNSXは、30年の時を経たいまも輝きを失っていない。

 しかし発売された当時は、不当に低い評価をする人もいた。スポーツカーなのにオーバーハングが長いとか、操作系が軽く乗りやすいなんていうのはスポーツカーじゃない、などといわれたのだ。

●2005 ホンダ「NSX」

 しかしこれらの意見は、不当なものだったといっていい。

 オーバーハングの長さは、ゴルフバッグを積むことができるトランクのためのものではなく、高速走行時の、横風に対する安定性を求めた結果生まれたものだ。同時期に販売されていたフェラーリ「348」と比べれば、その素晴らしさがはっきりする。

 乗りやすさについても同様だ。

 操作系は軽く、クラッチは長時間ドライブしていても左足が疲れることはないし、4速AT車に装備されていたパワーステアリング(のちにMT車にもオプションで装備できるようになった)のアシスト力も強めで、据え切りもつらくない。

 そのため免許を取り立ての人でも、NSXはなにも苦労することなく、運転できる。

 しかし、NSXの持つ、走りの実力を出し切るためには、それなりのドライビングスキルが必要だ。逆にスキルのある人が乗れば、NSXほど面白いクルマもなかなかない。

 ステアリングに伝わってくるタイヤのグリップ感や、姿勢変化によって思いどおりにコントロールできるところは、まさにスポーツカーである。

 ドライバーのポジションとクルマの静的重心と動的重心が計算されているために、NSXは頭で考えて動かすのではなく、身体で感じたままにクルマを動かすことができる。

 エンジンは、初期型となるNA1型はC30A型3リッターV型6気筒、1997年に登場したNA2型はC32B型3.2リッターV型6気筒を搭載しているが、その出力はC30Aが280ps/7300rpm・30.0kgm/5400rpm、C32Bは280ps/7300rpm・31.0kgm/5300rpmである。当時としても、海外のエキゾチックカーと比べれば、大出力というわけではなかった。

■3人目のオーナーになる魅力十分の「NSX」のお値段は?

 初代NSXは、大パワーのエンジンを搭載してはいなかった。しかし走りの実力は、高いレベルにあったことは間違いない。アイルトン・セナも開発に参加したこのクルマは、ボディとパワートレインが絶妙にバランスされた、唯一無二のクルマなのだ。

●2005 ホンダ「NSX」

1990年に登場したホンダ「NSX」は、2005年まで生産され、異例ともいえるモデルサイクルであった(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's1990年に登場したホンダ「NSX」は、2005年まで生産され、異例ともいえるモデルサイクルであった(C)2020 Courtesy of RM Sotheby's

 そんなNSXが2020年に開催されたRMサザビーズオークションに出品されている。今回出品されたのは、2005年式のNA2型である。

 この個体は、生産中止が決定したのちに英国で販売された『ファイナル12』のうちの1台。納車は英国・ブラックリーにある当時のB.A.R.Honda F1本部でおこなわれたそうだ。

 最初のオーナーが手放した後は、NSX認定ディーラーで購入したふたり目のオーナーが、定期的に英国ホンダのディーラーでメンテナンスをおこなってきた。

 走行距離は現在、3万8965マイル(約6万2344km)。記録簿に残る最後のメンテナンスは2019年12月だが、そのときの走行距離は3万8659マイル(約6万1854km)。つまりこの1年間で500km程度しか走っていない。

 そこまで気を使ってメンテナンスを受けてきた個体だけに、状態は極上、といっていい。

 外装は美しく、くすみやすい樹脂製ヘッドライトもクリアだ。ごくわずかに飛び石などによる点キズはあるが、これは走っていればかならず付いてしまうレベルのものだ。

 インテリアも美しい。樹脂パーツのくすみはなく、擦れやすいレザーシートも輝きを失ってはいない。

 さらにエンジンルームを見ても、冷却水が漏れた後やオイル漏れなどはまったくなく、ヘッドカバーも美しい状態。オルタネーターやABSユニットなどは、地肌が荒れているが、16年前のクルマであることを考えれば、ある意味これは当然といえる。

 決してコンクールコンディションではないが、不具合はなく定期的なメンテナンスによって、いまもNSXの走りを存分に楽しめるこの個体、落札予想価格は10万ポンド−12万500ポンド(邦貨換算約1410万円−1770万円)で、継続販売中だ。

 NSXはデビューした1990年当時、日本での販売価格は800万円だった。その後「タイプR」や「タイプS」など、より走りの鋭さを求めたグレードの登場に伴い、販売価格も1500万円にまで上昇したが、現在日本の中古車市場では、初期型NA1型の4速AT車でも600万円台なら安い方、5速MT車ならば700−800万円で購入できればラッキーである。

 しかし、NA2型になると、6速MT/4速ATともに値段は、ほぼすべてが応談となるほどの人気だ。そう考えると、履歴がはっきりとしているこの英国仕様NSXは、3人目のオーナーとなる価値が充分にあると思われるのだ。

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