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日本で売った車よりカッコイイかも!? 海外仕様のスポーツモデル5選

くるまのニュース / 2021年2月2日 6時10分

国内の自動車メーカーは1960年代の終わりに、本格的な海外進出に成功しました。そうして輸出または現地生産されるモデルのなかには、日本で売っているモデルと外観や仕様が異なるケースも存在。そこで、海外専用の仕様で販売された日本のスポーツモデルを、5車種ピックアップして紹介します。

■日本では販売されなかった海外専用のスポーツモデルを振り返る

 日本の自動車は1950年代には輸出が始まりましたが、性能や品質の問題があり、当初は成功しませんでした。しかし、1960年代の終わりには日本車が海外でも認められ、本格的な海外進出を果たします。

 今では輸出よりも海外の工場で生産され、現地で販売したり、そこから別の国へ輸出されることが主流となりました。

 そうしたモデルのなかには海外のニーズや嗜好に合わせ、日本にはない海外専用モデルや、日本で売っている仕様とは異なるクルマも存在。そこで、海外専用の仕様で販売された日本のスポーツモデルを、5車種ピックアップして紹介します。

●日産「300ZX」

北米専用の特別仕様車として販売された「300ZX Turbo 50th Anniversary」北米専用の特別仕様車として販売された「300ZX Turbo 50th Anniversary」

 1969年に誕生した日産初代「フェアレディZ」は、アメリカでの販売を主眼に開発されたモデルで、実際にアメリカ市場でスポーツカーとしては異例の大ヒットを記録しました。

 その後、代を重ねても主戦場は変わらずアメリカであり、日本を代表するスポーツカーという不動の地位を獲得。

 1983年に3代目となるZ31型フェアレディZが発売されると、外観は初代、2代目から一新され、エンジンは従来の直列6気筒に代わって、新世代のV型6気筒「VG型」が主力となります。

 北米市場では1984年にそれまでのダットサンブランドから日産ブランドとなり、「300ZX」の名で発売されました。

 北米仕様の外観は国内仕様と大きく変わっていませんが、細部は異なり、セミリトラクタブルの異型2灯式ヘッドライトは、補助灯を分離した規格サイズの角型2灯式に変更。

 さらに、リアフェンダーにオーバーフェンダーが装着されたグレードも設定されます。

 そして、1983年に日産は創立50周年を迎えたことから、それを記念する特別仕様車「300ZX Turbo 50th Anniversary」が1984年に北米専用モデルとして発売。

 ベースはリアオーバーフェンダー付きの2シーターモデル「300ZX Turbo」5速MT車で、外観はゴールドに近いシルバーとブラックの専用の2トーンカラーに、日本仕様よりもワイドなフロントフェンダー、ゴールドのアクセントが入った専用16インチホイールを標準装備し、運転席側フロントフェンダーには「50th Anniversary」のバッジが装着されています。

 内装には50周年記念ロゴが刺繍されたレザーシートとフロアマットが採用され、デジタルメーターや電子コンパス、ハイエンドオーディオなどを標準装備したラグジュアリー仕様です。

 300ZX Turbo 50th Anniversaryは人気となり、最終的に約5000台が販売されたといいます。

トヨタ「86 GTS」●

アグレッシブなエアロパーツが日本で話題となった「86 GTS エアロパッケージ」アグレッシブなエアロパーツが日本で話題となった「86 GTS エアロパッケージ」

 スバルとの共同開発により2012年に誕生したトヨタ「86」は、いまでは希少なライトウェイトFRスポーツクーペとして国内外で人気を博しました。

 なかでもオーストラリアでは86によるワンメイクレースが開催されるなど、若い世代から高い支持を受けています。

 オーストラリアでは標準グレードの「86 GT」と、装備が充実した「86 GTS」が販売されましたが、このGTSにはオーストラリア独自のオプションで「エアロパッケージ」が存在。

 エアロパッケージは、フロントバンパースカート、サイドスカート、リアバンパースカート、大型リアスポイラーで構成され、日本仕様では設定されていません。

 また、各エアロパーツの意匠は、86が発売される以前に、プロトタイプがニュルブルクリンク4時間レースに出場した際のエアロパーツを再現。

 2012年にGTSグレード専用で発売され日本でも紹介されると、このエアロパッケージは大いに話題となり、「ニュル羽」や「ニュルウイング」と呼ばれ、オーストラリアから取り寄せたユーザーもいました。

●アキュラ「インテグラ タイプR」

日本では存在しなかった丸目4灯ヘッドライトの「インテグラ タイプR」日本では存在しなかった丸目4灯ヘッドライトの「インテグラ タイプR」

 1993年に発売されたホンダ3代目「インテグラ」は、3ドアハッチバックと4ドアセダンをラインナップする、スポーティカーとしてデビュー。

 日本仕様は発売当初、独立した丸型4灯式プロジェクターヘッドライトのフロントフェイスでしたが、このデザインは不評で、1995年のマイナーチェンジの際に横長の薄型ヘッドライト改められました。

 一方、北米ではアキュラ「インテグラ」として発売されましたが、ヘッドライトは丸型4灯式のままとされます。

 この1995年のマイナーチェンジと同時に、高性能モデルである「タイプR」が追加ラインナップ。

 エンジンは最高出力200馬力を発揮する1.8リッター直列4気筒を搭載。標準モデルに比べて40kgもの軽量化とボディの高剛性化を両立したボディに、専用サスペンションや空力パーツを装着するなど、サーキット走行を想定して開発されました。

 インテグラ タイプRは北米でもわずかな台数が販売されましたが、フロントフェイスは日本の前期型のままで、エアバッグが標準装備されるなど、仕様が日本と異なります。

 近年、インテグラ タイプRは希少なモデルとして北米で異常なほど価格が高騰し、オークションでは7万ドル(日本円で約730万円)以上の高値で落札された事例もあるほどです。

■日本では売っていないボディや、北米専用のコンプリートカーとは!?

●スズキ「スイフトスポーツ」

本来ならば3ドアボディの方が似合っていそうな「スイフトスポーツ」本来ならば3ドアボディの方が似合っていそうな「スイフトスポーツ」

 2000年に発売されたスズキ初代「スイフト」は、次世代を担うグローバルカーとして開発されたモデルです。

 欧州では「イグニス」の車名で販売され、2003年には高性能モデルの「スイフトスポーツ」と同様に「イグニススポーツ」を展開。ジュニア世界ラリー選手権での活躍から、欧州でも人気となります。

 そして、2005年に登場した2代目は、欧州でもスイフトスポーツの名で販売され、1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載するなど、メカニズム的には国内と変わっていませんが、ボディが日本では設定されなかった3ドアハッチバックのみでした。

 2011年にデビューした3代目も、2代目と同じく3ドアハッチバックのままです。

 全体のフォルムは5ドアハッチバックと同様でボディサイズも同じですが、大きめのドアとリアサイドウインドウの違いから、国内仕様とはかなり雰囲気が異なります。

 なお、2017年に登場した現行モデルの4代目では、欧州仕様も5ドアで統一されましたが、2020年の改良で日本には無いマイルドハイブリッド仕様が登場しました。

●スバル「S209」

日本のファンには羨ましい限りだった北米専用モデルの「S209」日本のファンには羨ましい限りだった北米専用モデルの「S209」

 スバルの高性能モデルといえば「インプレッサ WRX STi」が代表的な存在でしたが、このSTI(スバルテクニカインターナショナル)がさらにチューニングしたコンプリートカーとして「Sシリーズ」があります。

 2000年にインプレッサをベースとして「インプレッサ S201 STiバージョン」から始まったSシリーズは、「S206」までがインプレッサ(途中に「R205」を挟む)でしたが、「S207」「S208」は「WRX STI」をベースに展開。

 このS207、S208とも600万円台から700万円台と高額だったにも関わらず、即完売するほど高い人気を誇りましたが、2019年にWRX STIの生産終了が発表され、現在国内では、高性能なコンプリートカーはS208が最後です。

 しかし、2019年1月にアメリカで開催されたデトロイトモーターショーで「S209」が発表されました。

 209台の限定生産で北米市場のみの販売とされ、エンジンは341馬力を発揮するEJ25型2.5リッター水平対向4気筒ターボを搭載。

 外観ではカナード一体型フロントオーバーフェンダーとリアオーバーフェンダーによるワイドボディ化、フロントスポイラー、ドライカーボン製の大型リアウイングを備え、低められた車高と19インチタイヤが相まって、迫力ある見た目を演出。

 S209は前述のとおり北米専用モデルですが、わずかな台数が並行輸入のかたちで日本にも上陸しています。現在販売中の物件は「応談」となっているため価格は不明ですが、かなり高額なのは間違いないでしょう。

※ ※ ※

 日本と海外で同一車種でも大きく仕様が異なるのは、古いモデルの方が多かった印象があります。

 現在は、完全に海外専用モデルとして販売されるケースが多く、これも現地生産だからこそ成り立っているといえるでしょう。

 同様に、海外専用モデルは欧州のメーカーも展開していますが、日本のメーカーによる車種が圧倒的に多く、それほど現地のニーズを重要視しているということです。

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