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突然の事故で相手方とトラブル発生! 任意保険の「弁護士費用特約」で解決出来る?

くるまのニュース / 2021年2月20日 7時30分

自動車保険でよく見かける「弁護士費用特約」は、実は付帯していたほうが心強い特約ですが、どのような条件の際に使用するのが望ましいのでしょうか。

■交通事故をしたときには弁護士に依頼出来たほうが安心?

 自動車保険でよく見かける「弁護士費用特約」。どのような条件の際に使用するのが望ましいのでしょうか。

 株式会社アシロが運営する「交通事故弁護士ナビ」がおこなった2020年7月から9月の弁護士費用特約に関する認知度調査では、弁護士費用特約を詳しく知っていると答えたのは13.6%、大まかに知っていると答えたのは47.3%、知らないと答えたのは39.1%と、全体の4割の人は知らないと回答しています。

 また、自分もしくは家族の自動車保険に「弁護士費用特約はついているか?」という質問に対し、ついているは56%、ついていないは13.6%、分からないは23.4%、その他は19%という結果となり、過半数は弁護士費用特約がついていると答えたもののまだまだその認知度は高いとはいえません。

 弁護士費用特約とは、自動車保険の特約のひとつで、事故が起こった際に発生したトラブルを弁護士に相談・解決費用を一定金額まで保険会社に補償してもらうことができます。

 保険会社によっては、自動車のみならず日常生活のトラブルにも対応しているプランもあります。

 弁護士費用特約の最大の特徴は、自動車事故で事故の相手に法律で認められた損害賠償請求をする際、もしくは損害賠償請求をされた際に負担した弁護士費用を、保険で支払うことができます。

 相談料や着手金、成功報酬金などが保険で充当されることにより、自費での弁護し依頼が割に合わず、泣き寝入りしてしまうというリスクを回避できます。

 弁護士特約で弁護士に依頼をする際には、基本的に相手にも過失がある場合です。

 対物・対人や単独事故よりも、クルマ対クルマの事故のときのほうが相手に過失が発生しやすいため、特約を有効に活用できます。

 交通事故総合分析センターがまとめた統計にもとづいて作成された三井住友海上の「自動車事故の発生状況」のデータによると、事故類型別人身事故発生件数割合は、クルマ対クルマが86.8%、クルマ対人が10.5%、単独事故が2.7%となっており、クルマとクルマの事故がほとんどであることが分かります。

 通常、クルマ同士の事故となると、互いに加入している任意保険会社同士が交渉をし、過失割合や賠償内容を決定し、示談を進めていきます。

 そのなかでお互いにどうしても譲れない主張や、提示してきた賠償内容に不満がある場合には、弁護士に依頼したほうが交渉を有利に進められます。

 交通事故を専門にしている弁護士は以下のように話します。

「保険会社同士で示談交渉を進めるにあたり、保険会社間でのパワーバランスや、担当者の技術によって自分の意見をどこまで通せるかというのが変わってきます。

 相手方の保険会社は当然お金を払いたくないので、主張を通せば交渉が長引きます。

 そうなると人的コストが掛からないように、早期決着の妥協案をすすめてくるということがあり、ユーザーファーストとはいい難いのが現状です。

 最初から交通事故に強い弁護士を使って交渉をすることで、保険会社の都合に合わせることなく交渉を進めることができますが、弁護士費用も安くありません。

 そのため弁護士費用特約を付帯しておけばほとんどの自動車事故は費用内に収まります」

■交通事故を弁護士に任せるメリットとは?

 交通事故を弁護士に任せるメリットとして、弁護士にしかできない慰謝料の増額が挙げられます。

 慰謝料の算定基準は3種類あり、自賠責保険で定められた「自賠責基準」、各保険会社が独自に設定した「任意保険基準」、日弁連交通事故相談センターが定める「弁護士基準」といわれています。

 弁護士に依頼することで、もっとも高額な「弁護士基準」で主張することができ、相手方が了承すればその算定基準で示談することも可能です。

 相手方が認めない場合は裁判になりますが、弁護士費用特約に裁判費用が含まれていることが多く、基本的には実費は発生しないといいます。

 実際に弁護士費用特約を使ったことがある愛知県のある男性は以下のように話します。

「相手方に過失がある事故で、十分な治療を施しても肩が上がらなくなってしまうという後遺症が残ってしまい、医師と相談しながら後遺障害の申請をおこない12級の認定がおりました。

 相手方の保険会社の提示金額は120万円でしたが、弁護士基準で算定した金額で交渉をしたところ、290万円の支給がありました。

 弁護士に依頼していないと200万円近く損をしていた可能性を考えると、弁護士費用特約を付帯していたコストは安いと思います」

任意保険は使用すると翌年の保険等級や金額が上がることが多い。任意保険は使用すると翌年の保険等級や金額が上がることが多い。

 一方で、弁護士費用特約の注意点について、前出の弁護士は以下のように説明します。

「いくら弁護士が入って裁判に勝っても、資産や収入がない相手からはお金を取ることができません。判決が出た後に差し押さえをするなどして回収することになります。

 ちなみに差し押さえできる財産としては、銀行預金や給与が一般的です。

 事故の際、相手が任意保険などに加入していないことが分かった場合は勤務先を聞いておくと取り逃しを防ぐことができます」

※ ※ ※

 弁護士といえども、現場での一時対応に失敗すると回収できるものも回収できないこともあるので、弁護士費用特約があるからと油断はできません。

 事故に遭った際にパニックにならないように、日ごろから事故に遭った際の流れや確認するべきことを意識して、事故に遭った際にしっかり保険会社に電話して指示を仰ぐようにしましょう。

 常に安全運転を心がけていても、クルマを運転している限り、常に事故のリスクが付きまといます。

 弁護士基準の慰謝料算定や、過失ゼロの際の交渉窓口となるなど、任意保険に入っていてもカバーできない部分がある以上は弁護士費用特約を付帯したほうが賢い選択といえるでしょう。

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