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雨の日は怖くてアクセル踏めなかった? ヤンチャ系FFターボ車5選

くるまのニュース / 2021年2月10日 6時10分

近年、再び脚光を浴びているのがターボエンジンです。欧州車を皮切りに、排気量をダウンしてターボでパワーを補うダウンサイジングターボが普及してきました。日本でターボエンジンが注目されたのは1980年代で、パワー競争が勃発したことで、一気に高性能化が加速。そこで、とくに性能向上が顕著だった頃のFFコンパクトターボ車を5車種ピックアップして紹介します。

■1980年代に登場した過激なFFコンパクトターボ車を振り返る

 2000年代の初頭、欧州車を中心に普及が始まったのが、ダウンサイジングターボエンジンです。排気量を小さくし、気筒数を少なくすることでエンジンの小型軽量化を図り、ダウンした出力をターボで補う手法で、低燃費化を実現しました。

 近年は国産車でもダウンサイジングターボエンジンを搭載するモデルが増えている状況です。

 ターボは第二次大戦中に航空機を中心に発達し、戦後はレーシングカーに盛んに採用され、1970年代の終わりに市販車にも搭載されるようになりました。

 日本では1979年に日産が初めてターボエンジンを搭載し、1980年代になると一気に普及が始まり、国産車の高性能化が加速。すぐにメーカー間のパワー競争が勃発しました。

 そこで、1980年代に登場したターボ車のなかから、まだ荒削りな高性能車だったFFコンパクトカーを5車種ピックアップして紹介します。

●トヨタ「スターレット ターボ」

「韋駄天」のニックネームは伊達じゃなかった「スターレット ターボ」「韋駄天」のニックネームは伊達じゃなかった「スターレット ターボ」

 トヨタは1973年にスポーティなクーペスタイルのコンパクトカー「パブリカ スターレット」を発売。1978年に登場した2代目では一般的な2BOXハッチバックとなり、車名も「スターレット」へと改められました。

 しかし、スターレットはパブリカから続く後輪駆動を採用していたため、1980年代になるとFFのライバル車が台頭したことから室内の広さで劣り、1984年にはすべてを刷新したFFコンパクトカーの3代目スターレットが登場しました。

 トップグレードの「Si」には93馬力を発揮する新開発の1.3リッター直列4気筒SOHCエンジンが搭載され、わずか730kg(3ドア)と軽量な車体と相まって、高い走行性能を誇りました。

 Siグレードでも十分にスポーティな走りができましたが、パワー競争に追従するため、1986年に105馬力を発揮する「スターレットターボ」が追加されます。

 絶対的なパワーだけでなく、過給圧を高低2段階に調整する「2モードターボシステム」を備えたことで、低回転域からも力強い加速が得られました。

 軽量な車体にハイパワーなエンジンを搭載したことをイメージして、CMには「韋駄天」のフレーズが用いられ、若者を中心に高い人気を獲得しました。

●日産「マーチ スーパーターボ」

まさに「じゃじゃ馬」という表現がピッタリの性能だった「マーチ スーパーターボ」まさに「じゃじゃ馬」という表現がピッタリの性能だった「マーチ スーパーターボ」

 日産は1982年にグローバルで展開することを目的に、ベーシックなコンパクトカーの初代「マーチ」を発売。

 デザインはフォルクスワーゲン初代「ゴルフ」やいすゞ「117クーペ」を手掛けたは巨匠ジョルジェット・ジウジアーロが担当。シンプルながら飽きのこない外観と機能的な内装としたことで、安価な価格を実現し、国内外で大ヒットを記録しました。

 1985年には最高出力85馬力(グロス)を発揮する1リッター直列4気筒SOHCターボエンジンを搭載した「マーチ ターボ」をラインナップします。

 さらに、1988年にモータースポーツベース車両の「マーチ R」が登場。エンジンは排気量を987ccから930ccにダウンサイジングし、ターボチャージャーとスーパーチャージャーの2種類の過給機が装着された、日本初のツインチャージャーエンジンを搭載。最高出力は110馬力(グロス)と、クラストップの実力を発揮しました。

 そして、1989年にはマーチRと同じエンジンを搭載し、普段使いできるように装備を充実させた「スーパーターボ」を発売。

 当時はパワーステアリングが設定されずドライブフィールはかなり過激で、とくにハイパワーなFF車ならではのトルクステアに肝を冷やしたドライバーも多かったといいます。

●ホンダ「シティターボII」

速く走らせるには腕と度胸が試されたほど辛口だった「シティターボII」速く走らせるには腕と度胸が試されたほど辛口だった「シティターボII」

 1981年にホンダは大型化する「シビック」に代わり、よりコンパクトなモデルとして初代「シティ」を発売しました。

 初代シティはそれまでのコンパクトカーの常識を覆すほど全高を高くし、ショートノーズを採用。その結果、広々とした室内空間を実現したことから大ヒットします。

 1982年にはパワー競争に参戦するかたちで、最高出力100馬力(グロス)の1.2リッター直列4気筒SOHCターボエンジンを搭載した「シティターボ」が登場。

 さらに1983年にはシティターボのエンジンにインタークーラーを追加した「シティターボII」がラインナップされました。

 1.2リッターエンジンは最高出力110馬力(グロス)を絞り出し、ひとクラス上のクルマを超える動力性能を獲得。

 さらに、アクセル全開時には10秒間だけブースト圧が高められる「スクランブルブースト」という機能を備えており、雨天時や滑りやすい路面でのアクセルワークは慎重におこなう必要がありました。

 外観もハイパワーなエンジンにふさわしく、パワーバルジ付きボンネットや、トレッドを拡大してブリスターフェンダーを採用するなど、まさに「ボーイズレーサー」といった迫力ある外観に仕立てられています。

■ターボコンパクトカーの先駆者となったメーカーとは

●三菱「ミラージュ GSRターボ X1X」

洗練されたスタイルで大人っぽい印象だった高性能モデルの「ミラージュ GSRターボ X1X」洗練されたスタイルで大人っぽい印象だった高性能モデルの「ミラージュ GSRターボ X1X」

 1978年に三菱初のFF車として発売された初代「ミラージュ」は、スタイリッシュなボディのコンパクトカーで、エンジンは1.4リッターと1.2リッターの2種類が設定。

 1979年には1.6リッター直列4気筒SOHCエンジンを搭載するスポーティな「1600GT」を追加し、さらに1982年のマイナーチェンジ時に、クラス初のターボエンジンを搭載する「ミラージュIIターボ」を発売しました。

 1.4リッターから105馬力(グロス)のパワーを発揮し、コンパクトカーによる馬力競争のきっかけになったといわれています。

 1983年に2代目ミラージュが登場すると、ボディは当時流行の直線基調なフォルムへと変貌し、トップグレードの「GSRターボ」には、120馬力を発揮する1.6リッター直列4気筒エンジンを搭載。

 さらに、F.Aポルシェがデザインしたパーツを装備した「GSRターボ X1X」が、1986年に追加ラインナップされました。

 X1Xシリーズには専用デザインのステアリングホイールやアルミホイール、ピレリ製タイヤが装着され、シックでありながらスポーティな内外装を演出し、さらに若い世代から人気を獲得。

 性能だけでなく、見た目でライバル車を引き離しにかかりました。

●ダイハツ「シャレード GTti」

スタイリッシュなフォルムは欧州コンパクトカーをイメージさせた「シャレード GTti」スタイリッシュなフォルムは欧州コンパクトカーをイメージさせた「シャレード GTti」

 1977年に発売されたダイハツの新世代コンパクトカー「シャレード」は、いまでは軽自動車やコンパクトカーでは標準的な3気筒エンジンを、量産車では世界で初めて採用したエポックメイキングなモデルです。

 そして、1981年の第24回東京モーターショーに、ダイハツと提携契約を結んだイタリアのチューナーであるデ・トマソが監修した、「シャレード デ・トマソターボ」が参考出品され好評を博し、1984年に2代目シャレードをベースにしたシャレード デ・トマソターボを発売。

 1987年に登場した3代目では一旦デ・トマソグレードが途絶えますが、代わりにトップグレードとして「GTti」をラインナップしました。

 エンジンは105馬力を発揮する1リッター3気筒DOHCターボを搭載し、レブリミットを7600rpmに設定する高回転型となっています。

 ボディはブリスターフェンダーを採用し、コンパクトなサイズながらワイド感を強調した安定感のあるフォルムへと変貌しました。

 とくにGTtiの外装にはフロントスポイラー、サイドステップ、リアハッチスポイラーが装着され、実際にクラストップレベルの空力性能を実現。

 1993年に4代目へスイッチするとデ・トマソが復活しましたが、1.6リッターの自然吸気エンジンとなり、高性能なターボモデルはラインナップされませんでした。

※ ※ ※

 現在、販売されているターボエンジン車は、燃焼状態の解析技術向上や、燃料や点火の制御、緻密なブーストコントロール、インタークーラーの配置の最適化などによって、ターボの存在を意識しないほど自然吸気エンジンに近いフィーリングを実現しています。

 一方、1980年代のターボ車はターボラグがあるのは当たり前で、燃料もジャブジャブ使うことでパワーを出し、いかにもターボ車に乗っているというフィーリングが味わえました。

 当然、昔のターボ車は乗りにくい特性でしたが、それこそが醍醐味であり、操る楽しみでもあったといえます。

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